社会•事件
2025.07.03
AIに人間の仕事が奪われる。その現在地として、既に英国では3分の1が奪われていると日刊紙の『タイムズ』が報じた。 それによれば、英国のある求人求職サイトが分析したところでは、22年11月にChatGPTが登場してから今年5月までに、大卒、見習い、インターンなどの初級レベルの求人が31.9%減少。これはこのところ全雇用数は連続して増えているのと逆行していて、中でも小売りは78.2%も減少、これに物流、倉庫、管理部門などが続いたそうで、まさにAIがマッチングする職種で減っているようだ。 AIの急速な進歩と浸透は不可避な状況で、もちろん対岸の火事などとは言っていられない。日本企業でもAIを導入して、とりわけバックオフィスを省力化。生産性を上げる「AIエージェント」と呼ばれるサービスが次々と発表され、25年は「AIエージェント元年」などとも言われている。 「国内ではIT関連大手の富士通、NEC、NTTデータグループなどがこのサービスの提供を開始しています。生成AIは人間の指示によってコンテンツを作成するものですが、AIエージェントは、やはり人間が設定した目的に従って、最適なタスクの達成と結果の評価までを行う技術です。世界市場は急拡大中で、つい先日、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、今後数年間で管理部門の人員が減ると発言しましたが、タイムズの報道は、既に簡単で決まった業務では人員が減っているということを表すのでしょう」(経済誌記者) ただそこはIT後進国たる日本のこと、総務省の24年3月段階の調査では、AIの導入を検討している企業は約4割で、アメリカやドイツの8~9割に対し意識が低いとのことはよく知られている。 さらに中小企業になると、体力面も含めその動きは鈍くなるが、使いこなせれば生産性が飛躍的に上昇するのがこの技術。AI技術をいかに上手に使いこなせるかが、日本経済全体の課題となるのは間違いない。
2025.07.03
自動車運転手の労働時間の環境整備、警視庁の残業時の一時託児や親族の一時的に託す施設の環境整備、政府情報システムのクラウド基盤の整備費用、防衛省のテレワーク用の端末整備、地域まちなか商業活性化支援、再挑戦支援資金、新創業融資制度、教育訓練給付金、造船業の人材確保、自動車分野の生産性向上、まちプロデュース活動支援事業、農業六次産業化の推進、森林・山村多面的機能発揮対策交付金、薬物乱用防止教育推進費、トライアル雇用助成金、通信・放送分野の情報バリアフリー促進費用、シルバー人材センター事業、都市公園のバリアフリー化、各省庁のバリアフリー化、放送大学の充実、中南米系日系農業者との連携交流・ビジネス創出、ロボット介護機器開発標準化事業・・・。 驚くほどの広範囲な施策・事業の領域である。実はこれらすべてが男女共同参画の基本計画によって予算化されて実行された事業だ。上記は項目の中のほんの一部、施策や事業は令和2年度には全部で1856項目もあった。多くは厚生労働省、内閣府、警視庁、防衛省、経済産業省、農林水産省の事業項目となっている。令和元年度の予算と実績を全項目目を通した。その上で感じることは、各省庁で個別に予算化している事業をなんでもかんでも男女共同参画に関わる事業として寄せ集めて計上しているという実態があるということ。一見、男女共同参画とは無関係な事業をわざわざ男女共同参画の基本計画に計上することは無意味なような気がする。しかしながら1800以上の事業が各省庁から基本計画に参画するべく集まってくるのだから何か理由があるはずだ。 (国会議員政策担当秘書 紅 良作)
2025.07.02
人の命を奪う極刑の死刑が6月27日午前、白石隆浩死刑囚(34)に執行された。法 務省が死刑執行に踏み切ったのは、2022年7月に執行した秋葉原無差別殺傷事件の加 藤智大死刑囚(当時39歳)以降、2年11か月ぶりだ。法務省が執行の事実と人数を公 表するようになった1998年11月からみると、最長の停止期間を経て再開された死刑 だが、臨時記者会見を行った鈴木法務大臣は「慎重の上にも慎重な検討を加えて執行を命 令した」と歴代法相とほぼ同じ説明をするにとどまり、なぜ106人もいる確定死刑囚の 中から白石死刑囚を選択したかについて明確な理由は述べなかった。 ■男女9人を殺害 白石死刑囚は、2017年に神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった 事件で、被害者をSNSで誘い出した上で性的暴行を加えて殺害し、現金を奪ったなどと して強盗殺人などの罪に問われ、2021年1月に死刑が確定した。自殺願望者をSNS で探し出し、自己の性的、金銭的要求を満たすために犯行に及んでおり、当時は凶悪事件 として社会を震撼させたのはまだ記憶に新しい。ただ、死刑囚が起こした事件は全て凶悪 犯罪に変わりはなく、今回の事件の背景事情などについては、多くのマスコミが既に言及 しているため、本稿では法務省の情報開示に後ろ向きな姿勢を深掘りしていきたい。 ■106人の死刑囚から選択も理由説明なし 6月27日午前に臨時記者会見に臨んだ鈴木法相は、「本件は裁判で十分な審理を経た 上で死刑判決が確定した」「死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であり、当然、慎重 な態度で臨んで行かなくてはならない」「一方で、法治国家として、裁判で確定した計の 執行は厳正に行わなければならない」などと説明した。 確定死刑囚だった袴田巌さんが2024年12月に再審で無罪になり、再審法の見直し に向けた議論も進んでいない現状で、なぜ約3年ぶりの執行を決断したのか。そして、な ぜ白石死刑囚を選んだのか――。鈴木法相の会見で、各マスコミはこうした点に注目した。 だが、結局のところ出てきたのは、過去の死刑執行時に別の法務大臣がした答弁と同様 の説明しか出てこず、さらには「慎重に慎重」という毎度おなじみの回答だった。 呆れた司法記者も少なくなく、ある大手新聞社の司法記者は「死刑は、刑事訴訟法で死 刑判決確定から6か月以内に執行するよう定められているのに、ただでさえ原則が守られ ていない。なぜ106人もいる死刑囚の中から確定から日の浅い白石死刑囚が選ばれたの か、本来はもっと具体的に説明すべきだ」と指摘する。 ■なぜ未執行が100人超?法務省は説明責任果たせ 白石死刑囚の前に死刑が確定した死刑囚は100人ほどおり、犯人性に全く争いのない 事件も少なくない。残る105人の確定死刑囚のうち、再審・裁判のやり直しを求めてい るのは49人で、死刑が確定した上で何も争っていない死刑囚については、執行を先延ば しする理由は本来ないはずだ。ただ、ある法務省幹部は「高齢の死刑囚は人道的観点から 執行しにくい」と明かし、中には50年以上、確定死刑囚のまま拘置所に入っているケー スもある。 死刑執行を免れ続け、拘置所の中で衣食住を確保しながら生き続ける死刑囚たち。もち ろんその生活費用の原資は国民の税金である。大切な家族を失った被害者遺族らにすれば 、法治国家でありながら100人以上の刑が執行されない現状は異常にうつるだろう。 なぜ未執行の死刑囚が100人超にまで増えてしまったのか。法務省は死刑執行の運用 を見直すと共に、執行時には国民が納得できるよう説明責任を果たすべきだ。
2025.07.01
2025.06.30
製薬企業と医師の癒着がここまで酷いとは驚きだ。「強力わかもと」で知られる東証スタンダード上場の「わかもと製薬」(東京)が近畿地方の有力な取引先病院の院長に社有車で送迎する労務提供を10年以上にわたり続けていたことが明らかになった。スクープした読売新聞報道によると、わかもと製薬では「送迎接待」が常態化し、昨年12月には業界団体「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」から公正競争規約違反で指導を受け、「医療用医薬品の取引を不当に誘引する手段として行われた」と認定されたという。 ▼国公立病院なら贈収賄事件にも発展しうる 公正取引協議会は自主規制団体だが、消費者庁と公正取引委員会の認定を受けて競争規約を運用し、製薬企業の監視・指導などにあたっている。「規約違反」というとわかりにくいかもしれないが、要するに今回の問題では、わかもと製薬が院長に送迎接待を重ねることで、見返りに自社の薬を使ってもらう狙いがあったとみられ、典型的な製薬企業と医師の癒着の構図が浮かぶ。 関係者などによると、わかもと製薬は2013年10月から2024年4月、この院長に対し、自宅と病院の間や、病院と他の医療機関の間の送迎を繰り返していたという。回数は、ETC記録の残る直近5年だけでも900回を超えており、相当な頻度で送迎接待が行われていたようだ。 院長の病院における立場は相当強いはずで、どの製薬企業の薬を使うかなどを決める権限があってもおかしくはない。今回の病院は私立とみられるが、対象が国立大病院であれば、過剰な送迎接待を賄賂とみなし。贈収賄事件として立件されてもおかしくはない悪質なレベルにもうつる。わかもと製薬はもちろん、院長側にも猛省を促したい。 ▼説明責任果たさず そもそも、医師と製薬企業の癒着が薬の選定に影響を与えれば、患者もたまったものではない。ただ、酷いのはこうした不正が長期にわたり続いた点だけではなく、問題発覚後のわかもと製薬の対応だ。スクープした読売新聞や後追いした他紙の報道によると、わかもと製薬は一切取材に応じておらず、もはや人ごとと言わんばかりの不誠実な対応を続けているようだ。 わかもと製薬では、元取締役による会社資金の私的流用が数年前に発覚したが、この際も一切説明責任を果たさず、株主総会でも経営陣は説明を渋ったという。 ある株主は「わかもと製薬の隠蔽体質は一切変わっていないし、今後も変わらないのではないか」と呆れている。もはや、上場企業の体裁をなしていない。
2025.06.29
2025.06.28






