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好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.44『万博リベンジ~その1』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.44『万博リベンジ~その1』

 万博のリベンジに行って来た。正確にはリピートなのだが、今年5月に、母と行ったさい にパビリオンを11箇所しか見られなかった俺は、リベンジ気分なのである。それだけ見 たのなら充分だと思うかもしれないが、パビリオンは全部で180ほどあると言われてい る為、見た内に入らない。それも、人気の場所は抽選予約が外れ、俺は自分の候補に入っ てなかった11箇所を見た訳で、カレーを食べたかったのにパフェを食べたような、確か に空腹は満たされたが、どこか立腹しているような状態であった。 もやもやした気持ちが残っていた俺と母は「もう一度行くぞ!エイエイオー」と、リピー トではなくリベンジとなってしまった訳である。 すると、その魂が届いたのか、抽選予約で『関西パビリオン』が当たってしまった! こうして俺は前回同様、母と行くことになった。 だが、母の口から、 「先日、友達と2回目に行って来た!」 と、衝撃の万博フライング発言が飛び出した。

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2025.09.14

都市対抗野球2025 ヤマハ対ホンダ熊本 観戦記
都市対抗野球2025 ヤマハ対ホンダ熊本 観戦記

夏の終わりの名物詩、私が毎年楽しみにしている都市対抗野球を観戦するために今年も 東京ドームに行って来た。ホンダは応援歌も丸暗記しているくらい私にとって馴染みのチ ームではあるが、今大会ではホンダ(東京)、ホンダ鈴鹿、ホンダ熊本とグループで3チ ームも出場している。今回、応援しなくてもどれか1チームは勝ち上がり後日応援する機 会があるだろうと思いヤマハを応援するために1塁側の席に陣取った。 ヤマハは浜松市の代表として出場している。浜松にはヤマハ以外にもホンダや河合楽器 、スズキなどの大企業がある。静岡県では静岡市はホワイトワーカー、浜松市がブルーワ ーカーなんてこともよく言われる。要するに浜松は生産活動が盛んな地域で大きな工場も 多い。私は大学を卒業後、浜松市の会社に入社し3年間を浜松で過ごした経験がある。確 かに遠州の荒々しさを感じたりもしたが、人情味があって面倒見が良い昔気質の人が多か った。あと、工場が多かったので陽気なブラジル人労働者もたくさんいた。私にとって浜 松は縁がないとは言い切れない懐かしい土地でもある。 さて、ヤマハ対ホンダ熊本であるが、両チームとも先発投手の好投が光る投手戦、均衡 を破ったのは2回表のヤマハの攻撃、ヒットと死球でランナーを溜めての2巡目の1番バ ッター矢幡が流し打ったライナー。矢のような打球はそのままレフトスタンドに突き刺さ りヤマハが3得点。ホンダ熊本も8回に1番中島が本塁打を放つが反撃もそこまで。4-1 でヤマハが終始試合を優勢に進めて勝利した。 この試合の見せ場は両チームの1番バッターのホームランではあるのだが、実はもうひ とつ、5回の攻撃に入る前の応援が熱かった。ホンダ熊本の応援に登場したのは毎度おな じみのくまモンで安定の人気を誇る。ヤマハの応援に登場したのは家康くん。なにそれ? と思ったは皆さんだけでなく私も同様。浜松城を居城にした出世大名の徳川家康にちなん だキャラクターだというのは誰にもお察しではあるが、なにそのちょんまげ。よくよく見 るとちょんまげが浜松の名産“うなぎ”。欲張りだな、浜松市は、家康とうなぎをドッキン グしちゃうなんて。この家康くんの肩書は浜松市福市長兼出世旅推進室本部長。ヤマハ野 球部も家康くんにあやかってうなぎ上りに勝ち上がり優勝して家康の如く天下をとること を願いたい。(坂本 雅彦)

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2025.09.12

幼い頃から高い観察力、とんぼやコオロギに夢中だった喜多川歌麿
幼い頃から高い観察力、とんぼやコオロギに夢中だった喜多川歌麿

蔦屋重三郎は、何も寛政の改革が始まってから浮世絵とその絵師たちに手を付けたわけではな い。浮世絵界の重鎮・北尾重政とは依然、つながりを持ち続けていた。その重政の門弟、政演や 政美ら若い浮世絵師たちが、これまで蔦重・耕書堂が手掛けた黄表紙の挿絵を数多く担ってい た。 政演についてはすでに触れたが、戯作者・山東京伝の別名である。1786(天明6)年に蔦重が手 掛けた最初の多色刷りによる絵入りの狂歌本『天明新鎬(しんしのぎ)五十人一首/吾妻曲狂歌 文庫』では、政演を起用した。その後しばらくは、耕書堂で出す狂歌本の挿絵はほぼ政演が手 掛けている。 しかし、政演が浮世絵から、山東京伝として黄表紙に活躍の場をシフトしていくのと歩調を合 わせるように、一人の若い絵師がのし上がってくる。それが喜多川歌麿だった。 ここで歌麿の生い立ちを追ってみる。生年は不明だが、蔦重のブレーン・北尾重政と親交のあ った絵師・鳥山石燕の弟子だった。大河『べらぼう』劇中で、石燕一門に入門歴があって後から 入門し直した、というのはドラマ上の創作と思われる。石燕は、後に歌麿についてこう振り返 る。 「幼いころから物事を細かく観察していて、トンボに糸をつないで飛ばしたり、コオロギを手 のひらに載せて夢中になっていた。私(石燕)はその才能を余り幼いうちから欲張って追究す るのはためにならないと思って何度も戒めたのだが、今の歌麿の筆の技は本当に芸術の徳を輝 かせている」(つづく)

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2025.09.11

好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.43『未来の猛暑』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.43『未来の猛暑』

毎年毎年、今年の夏は暑いというが、そんな気がするだけではなく、このままだと 2100年頃には、全国各地で40度以上になるという話まで出ている。 逆に、冬は過ごしやすくなるそうだが、一体、未来のエアコンはどうなっているのだろう か?きっと、その頃には『携帯エアコン』が発明され、人々はそれを身につけて生活して いるかもしれない。いや、その程度なら今の技術でも作れそうだから『町エアコン』が発 明され、各町内の道端に設置されたり、更に先には『地球エアコン』も出来ているかもし れない。だが、そこまで未来だとエアコンという存在は消えて、人間一人一人の身体に『 なんかよくわからないつめた~い液』を入れて生活しているかもしれない。タイムマシン が発明されているなら、未来人は夏は『氷河期ツアー』に行って涼をとっていたりして。 ああ、あまりにも暑くて頭が溶けそうで、なんだか今日は、俺、『ドラえもん』みたいな 話を書いてしまった。

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2025.09.10

佐野慈紀のシゲキ的球論    ドジャース・カーショーを佐野氏が大絶賛!「歴史的大逆転負けの次の試合であのピッチングは見事」
佐野慈紀のシゲキ的球論  ドジャース・カーショーを佐野氏が大絶賛!「歴史的大逆転負けの次の試合であのピッチングは見事」

最悪の流れをレジェンドが断ち切った。    全米が騒然とした山本由伸の9回裏2死までのノーヒッター投球から、継投大失敗の逆転負け。チームに大ダメージとなった中で、翌試合でマウンドに上がったのはカーショーだった。   「カーショーの投球が見事としか言いようがない。チームを救ったのはもちろんのこと、若手のキャッチャーを救った。その流れの中、継投した若手投手もすばらしいピッチングをした。この試合でドジャースはだいぶ救われたと思いますよ」(佐野氏)    この試合では大谷が今季先頭12本目となる47号先頭打者アーチを放ち、2打席連続となる48号を放ち、カーショーと一緒にチームを鼓舞。    その活躍でドジャースが一夜にして王者の輝きを取り戻した。

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2025.09.10

浮世絵→錦絵大ブームのルーツは、鈴木春信「絵のカレンダー」
浮世絵→錦絵大ブームのルーツは、鈴木春信「絵のカレンダー」

浮世絵と聞いて我々現代人がイメージする色彩豊かな図柄は、実は浮世絵一般というわけでは ない。浮世絵とは江戸時代に描かれたポップな絵すべてを指し、使う色彩も当初は白黒の単色、 もしくは赤と黒と緑の3色程度しかなかった。 ところが1765(明和2)年――蔦重の幼少期だが――、ある版元が出した絵暦、つまりカレンダー が大変な評判を取った。「夕立」「雪中相合傘」など町娘の日常の一コマを切り取った、それまで にない多色刷りの美人画だったからだ。その絵の中に、季節や月がぱっと見では分からぬよう織 り込んであるという趣向である。 この多色刷りの浮世絵は「錦絵」と名付けられた。大久保甚四郎、阿部八之進という2人の旗本が 、薬種商の小松屋三右衛門らと協力し、豊富な資金をもとに多色摺りの技術を開発、定期的に開 催する絵暦交換会への出品で人気に火が着いたという。 絵師は鈴木春信。今も世界的な人気を誇る美人画の名手である。これを機に、天明年間に至るま で錦絵は爆発的なブームとなった。役者絵の勝川春章、鳥居清満、美人画の歌川豊春、そして鳥 居清長など今も名を残す絵師が次々と世に出て腕を競った。 もちろん、蔦屋重三郎もここに手を付けた。というより、彼の後半生は浮世絵とともにあったと 言っていい。いったいどうやって関わっていったのか。(つづく)

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2025.09.08

椎野礼仁のTANKA  de  爺さん  第23回 大江 
椎野礼仁のTANKA de 爺さん  第23回 大江 

「大江はなぁ」呼び捨てにして語るのが誇らしかった大学一年 性的人間と言葉を発した級友に「俺も読んだ」と視線で共感 「連帯」に希望を託した若書きの作家に問いたい二十一世紀 密に鷹、星に桃と呼んでもみよ 『万延元年のフットボール』 少年の漂流と自立その挫折 貪り読んだ『芽むしり仔撃ち』 少年の成長譚の苦さとは 『芽むしり仔撃ち』これぞ文学 弟よ少女よセクスよ李よ谷よ 芽をむしられて撃たれし哀れ                                                                                   NHK文化センター南青山で、わが師福島泰樹が実作短歌入門という講座を持っている。この講座の特色は毎回(二週間に一回程度)「七首連作」が課せられることだ。 行き当たりばったりに歌を詠んでいた私には、七首もの連作はしんどいものだった。師はそれを見極めて、それまでの中野教室を取っていた私にこちらへの転籍を奨めた。 乗ってよかった。一つのテーマで七つの別の歌を作ることは、対象への考察を深めることでもあり、違った視点からの見方が要請され、表現の多様性が求められた。本当に勉強になっている。 上掲七首はその最新作で、「好きな本を詠む」が課題だった。東京の田舎高校からいきなり文学部の学生になった私にとって、周囲の一浪や二浪のおっさんたちの語る文学論が、そもそも言語からしてわからず、まばゆく見えた。 そこで知った大江は、僕の永遠の作家となった。

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2025.09.08

佐野慈紀のシゲキ的球論    勝つべくして勝ってきた藤川阪神大総括! 3大ポイント「投手陣&佐藤輝覚醒&守備力」
佐野慈紀のシゲキ的球論  勝つべくして勝ってきた藤川阪神大総括! 3大ポイント「投手陣&佐藤輝覚醒&守備力」

 今年は「トラに翼」の年だった。    セ5球団を差し置いての大独走に佐野氏は「やっぱりまずは投手陣の安定でしょうね」と振り返る。才木、村上の両エース筆頭に盤石の先発陣を擁し、及川、石井大、岩崎とバックアップも完璧だった。    次に「なんといっても佐藤輝選手の覚醒でしょう」と佐野氏は話す。昨季までは「当たれば一発あるが…三振も多い」というタイプだったか、今年は率を残せる本塁打者へと成長した。    最後は「やっぱり守備力の向上でしょうね」と佐野氏。守備率は中日と並んでトップ(9月1日現在)。失策数も中日と並んで49(同)と1番少なく、鉄壁の守備を誇った。    打線は1番近本、2番中野、3番森下、4番佐藤輝、5番大山と休養などを除けば、ほぼ固定メンバーで破壊力抜群。投手陣も盤石とくれば、負けようもない。    果たしてCSではこの阪神をまくれるチームが出てくるのか。

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2025.09.07

好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.42『偽アーティスト?』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.42『偽アーティスト?』

先日、あるイベントの途中に、ある有名なアーティストが登場した。といっても、最近で は知名度が薄く高齢の現在の姿を見てもピンと来る人はほとんどいないだろう。有名なヒ ット曲は、あれと、あれと、あれも。と、聞けば誰もが知っていて、曲だけでいうとビー トルズクラスに有名かもしれない。ところが、である。登場するやいなや、アーティスト はフニャフニャしながら唄いはじめた。フラフラだと高齢のせいだが、フニャフニャ。そ の時、客の殆どがこう思ったに違いない「この人、自分の歌に飽きてる!?」まるで他人 の歌をカラオケで唄っているようだ。一気に不穏な空気に客席が包まれた中、更にこんな 疑念が抱いた「こいつ、そっくりさん!?」もう、この時点でこいつ呼ばわりされてしま うほど偽物感が凄い。途中、売れたエピソードなども喋っていたが、ずっとフニャフニャ しているため話も嘘に聞こえる。客はとうとう思ったはずだ「お前、本人に失礼だろ!」

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2025.09.07

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