連載•小説
新幹線に乗る時、俺はよく崎陽軒のシュウマイ弁当を買う。食べる度に、一度でいい からあのシュウマイを無限に食いたい!と願っていた。そんなある日、崎陽軒の食べ 放題へ行き、俺は無限にシュウマイを食べた。会場にはセイロで蒸された出来たての シュウマイや色とりどりの中華が並んでいた。夢のようだった。いや、待てよ、あれ は絶対に夢に違いない。 というのも、普通は弁当にシュウマイが5個入っている。それ以上食べるには別パッ クを買うことになる。無限に食べるには無限に買わなければいけない。食べ放題など 、そんな場所がある筈がない。俺は長らくそう思っていた。 だが、先日ネット検索した所、横浜駅にアリババという崎陽軒の店が出てきた。 俺の記憶は一気に蘇った。コロナ前のことだ。シュウマイの中を泳げる位あった。 最近、コロナ前の記憶が作り物のようになってきている。 この夏、海パンを履く気分で、久しぶりにシュウマイの中を泳ぎに行きたい。
2025.07.22
歌詠みの父の最後の下の句は「心ならずも居留守を使う」 「病名は『擦声』と書いてあるんだよ」肺病みの父つぶやくように 日一日、力を失う身にありて一度たりとも病名を問わず 天井の節を見上げる一日をいつまで長いと思えていたか ブーンと蚊 思わずパチン・・なす術もなく父は刺されていしか 庭先の白梅今年も花つくを父の座りし位置から見ている いわゆる短歌っぽい題材をあまりよくすることはない私だが、鉄道兵としての父を2週にわたって書いたので、昔の作品だが父の死を詠んだ歌を記す気になった。これらの他に、瀕死の病床を歌ったものもあるので、次週に書くことにする。 ちなみに冒頭の歌で取り上げている父の最後(ではないが死の間際の歌であることは間違いない)の歌は、次のようなものだった。 玄関にてフォーンを二つ押してゆきぬ心ならずも居留守を使う ベッドに付したきりで、来客にも出ていけない父は、この歌を残した。(この項、続く)
2025.07.21
1787(天保7)年4月、11代将軍・徳川家斉が誕生した。その父・一橋治済は松平定信の老中就任 に向けて、田沼派を粛清していく。 就任の障害となっていたのは、それに頑強に反対していた田沼派の大物側衆・横田準松(のり とし)だった。それを、同年5月に始まった「天明の打ちこわし事件」を上に報告しなかったと いうカドで罷免している。 天明の大飢饉とそれによる米価の高騰が引き起こした江戸期最大の打ちこわしとして知られる この騒動は、5月20日に江戸・赤坂の米屋が襲撃されたのを皮切りに江戸・大阪で次々と拡大し ていったが、怒った民衆の勢いが波及していったというより、きちっと計画的で統率が取れて いたとも言われている。 しかも、11代将軍候補・家基の殺害にも暗躍した御庭番たちが、詳細なリポートまでまとめて いるのだ。恐らく治済の指図であろう。 準松はこの打ちこわしについて家斉に問われ、「平穏無事」と回答したとされている。準松は即 座に罷免され、翌6月の19日、松平定信が老中の座に就いた。(つづく)
2025.07.21
元阪神の藤波晋太郎投手(31)がDeNA入りし、3年ぶりに日本球界に復帰することが判明した。 藤波は今季、マリナーズとマイナー契約を結んでいたが、メジャー昇格はなかった。 ハマの地で藤波の復活はあるのか? DeNAサイドはAIやデータ活用のメカニクス改善にも自信を見せているが、佐野氏は「メカニクス改善からのアプローチは逆効果だと思います」と指摘。むしろ、気持ちの変化の方が大事だという。 「藤波投手の場合はまずは自分の強い球を投げること。四球を出さなければ、投手っていうのは5球勝負できるんですよ。その内3球いい球がいけばいいんですよ。『打たれたって、知るかあ!』ぐらい気持ちでいい。バックに助けてもらえばいい。極端な話、死球当てたって『すまん!』ぐらいの気持ちです」(佐野氏) データを詰め込むよりもシンプルなことが大事で「まずは1球、納得できる球を投げる。今度はそれを2球にする、4球にする。そうやって再現性を高めていく方法の方が合っていると思いますね。データはもちろん大事ですが、あまり詰め込まないほうがいい。シンプルでいいし、調子に乗るぐらいほうがいい」(佐野氏)とのこと。 藤波の復活に注目したい。
2025.07.20
阪神は14日に元メッツの右腕、グラント・ハートウィグ投手(27)の獲得を公式ホームページ上で発表した。右のリリーバー、という補強ポイントにマッチしたものと見られる。 ペナント争い独走状態となっている中で、さらなる戦力アップ策に佐野氏は「一軍で投げるとなれば8月中旬ぐらいになるでしょうね」と話す。 「シーズン山場はリリーバー、クローザー含めて疲れが出てくる時期。ハートウィグ投手が日本の野球に合うかどうかは未知数ですが、いいタイミングでカンフル剤になればいいということでしょうね」(佐野氏) ハートウィグ獲得はチームの戦力アップという効果とは別に「他チームへの脅威という点もある」とは佐野氏。追いかけてくるチームに対して、さらなる戦力アップを見せつけることで戦意を削ぐ、といった意図も見えるという。 佐野氏は「右の中継ぎは石井が柱ですが、この獲得によって、湯浅やほかの右投手に刺激を与える意味もある。今年の阪神は盤石の戦いぶりですね」と締めくくった。
2025.07.18
田沼意知の死以降、エリート級の幕閣が次々と死ぬか失脚していく。なぜか意知と連座する形で謹慎処分となった若年寄、長崎・出島のオランダ商館長が「田沼が失脚したら、彼は切腹することに決めているが、もしそうしなかったら一連の要人たちと同様、毒殺される可能性がある」と手紙に記していた長崎奉行。さらに将軍と諸大名の間を取り持つ21歳のエリート奏者番が突然死亡したが、彼の義母は田沼意次の養女だった。 そして1786(天明6)年夏、10代将軍・家治が病床につく。老中たちは20名を超える医療・医薬品担当の典薬たちを招いた。その場の皆で配合した薬に、1人の典薬が何か別の一味を加えた。他ならぬ将軍が服用する薬だけに、他の典薬は「何を加えた」と問い質した。しかし、当の典薬は「秘伝の薬です」と答えただけだったという。 抗議して退席する者も擁護する者もいたが、結局はそのまま家治に服用させた。しかしその日の深夜から家治は様態が急変、危篤状態に。「体が震えだし、吐血激しく、異常な死だった」ことが『天明巷説』に記されている。 そしてこの家治の死も、どういうわけか意次の仕業ではないかという噂が立つのである。自らの重要な後ろ盾だった家治を、意次が殺さねばならない理由はないはず。誰かがガセネタを流した可能性が高い。(つづく)
2025.07.17
昔は、寝ない方が優れていると思われていたが、最近では睡眠の大切さを教える先生など がメディアに出ており、世の中の意識が変わりはじめている。 元々、俺は他の人よりも寝る方なので、睡眠の大切さを身をもって体験している。実際、 睡眠不足で、窓のサッシ組み立てバイトの最中に寝てしまい、バイト初日でクビになった ことがある。窓のサッシに顔を突っ込み、俺自身が窓の一部になっていた所を上司に一喝 され目覚めたのだが、あの時ほど睡眠の大切さを感じたことはない。 そんな俺は、ショートスリーパーだったらクビにならなかったのではと思って『驚異の短 眠法』という本を買ったのだが、読んでる内にウトウトし、気付けば寝落ちしてしまった 。少なくともタイトルに間違いがないことは分かった。 そういえば、先日、睡眠研究の方が海外で大きな賞を受賞したようだ。それによって露出 も更に増えている為、この人が一番寝てないのではないかと少し心配になった。
2025.07.16
野球評論家の佐野慈紀氏が元気のない広島カープに檄を飛ばした。 広島が前半戦の正念場を迎えている。首位の阪神を追うどころか、5位・中日の足音が 聞こえてきた。 佐野氏は「完全に受け身になってますね。積極的な走塁でチームの勢いをつける戦いが できていない。つなぐ野球のチームだけに、受け身になっているとヒットは出るが、最後 の得点ができない。長打力のあるチームではないので、勢いのつくホームランも期待でき ないですからね」と指摘する。 得点力不足は投手の負担にもなる。 「投手も1点もやれないという大きな重圧がかかる。抑えることに必死で、流れを作るよ うなプレーまでたどり着かない」(佐野氏) この流れを変えるのは「新井監督しかない」と佐野氏は言う。 「こうなると選手が流れを変えるのは非常に難しい。いい意味で監督がケツを叩くような 言葉が必要。『お前らこんなもんじゃないだろ!』と。ベンチの一番前に立って『いかん かい!』と。監督が自らハチマキを巻いて流れを変えるぐらいじゃないと。選手も監督の そんな姿勢を見て、気持ちが変わると思いますよ」とエールを送った。 セ・リーグを盛り上げるためにも広島の奮起に期待したい。
2025.07.16
田沼意知の死以降、エリート級の幕閣が次々と死ぬか失脚していく。なぜか意知と連座する形で 謹慎処分となった若年寄、長崎・出島のオランダ商館長が「田沼が失脚したら、彼は切腹するこ とに決めているが、もしそうしなかったら一連の要人たちと同様、毒殺される可能性がある」と 手紙に記していた長崎奉行。さらに将軍と諸大名の間を取り持つ21歳のエリート奏者番が突然死 亡したが、彼の義母は田沼意次の養女だった。 そして1786(天明6)年夏、10代将軍・家治が病床につく。老中たちは20名を超える医療・医薬品 担当の典薬たちを招いた。その場の皆で配合した薬に、1人の典薬が何か別の一味を加えた。他 ならぬ将軍が服用する薬だけに、他の典薬は「何を加えた」と問い質した。しかし、当の典薬は 「秘伝の薬です」と答えただけだったという。 抗議して退席する者も擁護する者もいたが、結局はそのまま家治に服用させた。しかしその日の 深夜から家治は様態が急変、危篤状態に。「体が震えだし、吐血激しく、異常な死だった」ことが 『天明巷説』に記されている。 そしてこの家治の死も、どういうわけか意次の仕業ではないかという噂が立つのである。自らの 重要な後ろ盾だった家治を、意次が殺さねばならない理由はないはず。誰かがガセネタを流した 可能性が高い。(つづく)
2025.07.14
一人ずつ真闇の鉄路に降ろされて「朝まで守れ」満州鉄道 「朝になるとみんな真ん中に集まってる。怖いからなぁ」父、淡々と “ミスターチーノ!” 捕虜の英兵がすぐに呼ぶ 大学出ている二等兵を 歩けない英兵とても運べない「道端に置いてそのまま来たんだ」 父と戦争の話をしたことは、先週と今週のエピソードに書いたことぐらいしかない。 もう一つだけ、「どんなふうに勝ち負けが決まるの?」なんて質問もしたことがある。 「なんとなく決まっていくんだ」 というのが答えだった。敵に直接遭遇したことはないような印象だった。この答えも、そういうことだろう。 こちらが高校生の時の質問だから、父もあまり深い話はしても仕方がないと思ったのだろうか。 これは自省を込めて言うが、学生運動をやっていた時にまともな会話を、たぶんお互いに避けてしまった。一部上場会社の労組も委員長を経て、会社で階梯を上がっていって、役員になった父。 そういえば、こういう短歌も作ったことがある。 40年総務畑を務めあげし父の書棚の大杉栄 川上肇の『貧乏物語』もあったし、コリン・ウィルソンの『アウト・サイダー』もあった・・・。 実は私が短歌を読むようになったのは、父がある結社の支部長を務めていたからだ。父の歌には直接戦争を歌ったものはなかったように思うが、本稿を書いていて、もう一度、読み直してみようと思った。
2025.07.14







