連載•小説
松平定信「寛政の改革」が始まった当初、江戸市中ではこんな狂歌が流行った。 世の中に蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶといひて夜もねられず 定信が奨励した「文武両道」がよほどしつこかったと見えるが、武士階級も町人も「文武、文武とうるせえよ定信」が本音だったのだろう。 この狂歌と同様、爆発的に売れた蔦重・耕書堂の黄表紙は、同じ軽い読みものであっても、内容はそれまでのものとは異なり、幕政をおちょくったり、暗に批判する内容だった。 例えば朋誠堂喜三二の『文武二道万石通』は、鎌倉時代の設定で幕府の御家人・畠山重忠が若き源頼朝の命を受け、諸国の武士たちを「文」と「武」と「のらくら」の3つに振り分ける、というストーリー。頼朝は11代将軍・家斉、重忠は定信のパロディである。 結局、文も武もダメな「のらくら」武士が一番多かったというオチなのだが、挿絵に描かれた裃の家紋から、「のらくら」武士たちとは定信らに粛清された田沼派の面々を暗示していた。正月に売り出された同書は、7日目には売り切れたという。 『鸚鵡返文武二道』は平安時代の京の都が舞台。定信をモデルにした人物が武芸を奨励するのだが、人々は武勇を競って洛中で大騒ぎするようになった。それならば、と有名な儒学者が人々に孔子孟子の道を説くのだが、人々はその内容を誤解してやはり洛中で大騒ぎを引き起こすのだった。(つづく)
2025.07.31
区民プールは25mあり、完泳、フリー、初心者などのコースに分かれているのだが、フ リーには家族連れがぎっしりで、浮き輪まで浮いている。その人口密度は昔見た、としま えんの流れるプールを思い出した。 俺は不安だったので、まずはフリーに入ることにしたが、すぐに人の多さで揉みくちゃに なって、気付けばその波で完泳コース前まで流れてしまった。 こうなったら覚悟を決めて行くしかないのだが、25m泳ぎ切る自信がない。これまでの人 生で25m完泳したのは、中学の水泳の授業が最後の記憶だ。いや、いつの話なんだ!不安 でいっぱいの中、ふと見ると、高齢の人も完泳している。俺は47歳だからいけるはずだ !勇気が湧いてきた俺は、唯一できる平泳ぎで前に進んだ。 ブクブク・・・ああ遅い!周りに迷惑だ。俺は完泳できるのだろうか? 区民プールで、おじいさんとおばあさんが泳いでいると、どんくさい落語家がドンブラコ と流れて来ました。ブクブクブク (つづく)
2025.07.30
さて、話を蔦屋重三郎と江戸の市中に戻そう。田沼意次・意知と直に接していた大河『べらぼ う』の劇中とは違って、ここまで触れてきた幕府内の政争と直接関わることは恐らくなかった 蔦重だが、立て続けに起こった天災と1787年(天明7)年の意次失脚と松平定信の老中抜擢、そ して1788(天明8)年に老中首座(老中の筆頭)の座に就いたことが、その出版ビジネスにダイ レクトに響くことになる。 定信が名君であったことは確かである。天明の大飢饉に襲われた際、全国で数十万人規模、東 北の他藩でも万単位の餓死者を出したのに、定信が辣腕を振るった白河藩では何と1人の餓死者 も出さなかったという。幕府内部に待望論が生まれてもおかしくはなかった。 国内では財政難に凶作・飢饉に大災害、国外ではロシアの南下…という内憂外患が田沼時代か ら継続する中、定信が行ったのは、簡単に言えば財政緊縮策と農村の復興策、倹約令、飢饉へ の備えである囲い米、窮乏した武士の救済策である棄捐令、さらに朱子学以外の儒学の講義を 禁じるなどの思想統制、乱れた風俗の矯正だった。 そして蔦重ら版元に大きく影響したのは、広い意味での文化への弾圧、統制の強化だった。特 に出版統制として将軍・幕府や幕政への批判、風俗を乱すとみなされた書物がターゲットとな ったのだ。(つづく)
2025.07.28
天井の節を見上げる一日をいつまで長いと思えていたか 少しずつ息が苦しくなっただろう あした、あさって、しあさって、そして 運び込まれし簡易ベッドに母を寝せ酸素マスクの父と対峙す 体温は三十九度、血圧は上六十と医師の宣告 苦しげに眉の寄せらる それのみが迫る定めへの抵抗のごと 口・喉・胸 口・喉・胸と蠕動す やがて間遠になって終わった 母と子供三人が見送った。Xデーはわかっていたが、さすがには母取り乱し、父の耳に口を寄せて何か言っていたが、意味をなしてない日本語だった。一時間ほどたって、短歌のお弟子さんたちがそろって訪ねてきた。彼ら。彼女らの方が目をはらしていた。 今日の題材、うまく歌にできなかった。
2025.07.28
中日のドラ1ルーキー金丸だが、前半戦はプロ初勝利をあげることができなかった(前 半戦終了で4敗、防御率2・41)。 ただ、佐野氏は「いや、ものすごく良いピッチャーですよ! 僕はすごく好きです。早 く勝ってほしいですね」と絶賛する。 投手として優れている点について佐野氏は「ゲーム支配率がものすごく高いです。もち ろん試合なので打たれることはありますが、自分のペースでピッチングできている。これ は新人には難しいことですよ」と分析。 また「いろいろいい球がある中で、僕が好きなのはまっすぐの軌道がいいところ。リリ ースからミットまでの軌道が理想的。打者は数字以上に球の速さを感じていると思います 。なかなかできないですよ」と元投手の佐野氏から見ても、金丸投手の才能は優れている そうだ。 最後には「チームが一丸となって勝たせて欲しいですね! 1つ勝ちだしたらポンポン と勝つ可能性はありますよ」とした。
2025.07.27
プール入場料200円!今時、銭湯でも550円する時代なのに!興奮状態のままロッカ ールームへ移動すると、夏休みのせいか家族連れで混雑していた。まだ午前10時前だが 、男子ロッカーだけでこれだけ混雑しているということは、プール内は泳ぐ隙間もない位 だろう。俺は水着に着替え、シャワーを浴びることにしたのだが、急にあることを思い出 した。そう、プールのシャワーは恐ろしく冷たい!学校の授業で地獄のシャワーと呼んで いた。おまけに、このあとには下半身だけ消毒する極寒の池に浸かる。夏なのに寒さで身 震いした体験がフラッシュバックして来た。 所が子供たちは何の迷いもなく浴びている。中には楽しそうにクルクル回っている子もい る。えっ、なぜ? 俺は勇気を出してシャワーのボタンを押すと、ゲリラ豪雨より激しい水が襲いかかって来 た。でも、あれっ?暖かい!これは天国のシャワーだ。俺はもう、ここだけで200円分 の元は取ったぞと思った。 (つづく)
2025.07.27
パ・リーグペナント争いは日本ハム、ソフトバンクの上位2球団にオリックスが必死で 食らいつく構図だ。 首位を走る新庄監督の日本ハムだが、勝負事は〝追う立場の方が強い〟とも言われるこ ともある。 ソフトバンクの逆転はあるのか? 佐野氏は「確かに〝強い野球〟をしているのはソフ トバンクなんですが、僕は日本ハムの爆発力が上回っていると思います」と話す。 キーマンは目下、本塁打王争いトップを走るレイエスだ。 「やっぱりレイエスの存在感って、でかいんですよ。一発ある打者がいることで、ほかの 選手も思い切っていけますから。相乗効果となって爆発力を生みます」(佐野氏) また、上位2球団と楽天との対戦成績も興味深いという。 「ハムは楽天に勝ちまくってる(前半戦終了時13勝3敗)。一方、ソフトは楽天を苦手 にしている(5勝9敗)。この差がどうなるのか」と〝星の取りこぼし〟が優勝争いに影 響するのではないかと佐野氏は指摘する。 最後まで目の離せないペナント争いとなりそうだ。
2025.07.25
ところが、松平定信が老中の座に就いた翌月の1787(天明7)年8月、つまり田沼意次が蟄居を 命じられる直前に、一橋治済が御三家の尾張宗睦・水戸治保宛てに書いた手紙には、仰天する ような記述がある。 「意次の処分について意見を述べましたが、その後、意次の諸悪が露見することもなく、このまま済んでしまってはあまりに安直すぎ、まったくもってよくないと思います」……要は、意次 がわいろを受け取ったという証拠そのものが出てこないというのだ。 治済は手下の目付を使って意次の収賄スキャンダルを探らせていたが、上がってきたのは「何 も悪しきことなき」というリポートのみだったという。これではスッキリした形で意次を切り捨 てることができない。 贈収賄に領収書を書く者はいないから、「証拠なし」と言っても全くの潔白ではなさそうだが、 手紙は以下のように続く。「意次の領土である遠州相良を取り上げて転封すれば、意次にダメー ジを与えられるし、民衆も納得して新しい政策を受け容れるでしょう」……こんな思い付きで人 を追い落とすやり方がまかり通っていたのが怖い。 同年10月、意次は蟄居を命じられる。相良城は打ち壊され、城内に備蓄されていた8万両のうち の1万3千両と塩・味噌が没収された。孫の意明が陸奥下村1万石に転封され、御家断絶だけはか ろうじて回避された。 1788(天明8)年、失意の意次は江戸で死去した。享年70。(つづく) 主な参考資料:秦新二『田沼意次 百年早い開国計画』文藝春秋
2025.07.24
とんでもないオアシス発見した。それは『中村南スポーツ交流センター』 施設には、プール、トレーニング室、体育館などがあり、芸人の俺には無縁だと思ってい たのだが、先日、行って来た。 というのも、ここ数年、俺は、膝、腰、背中の慢性的な痛みがあって指圧や銭湯などに通 っている。また、軽い筋トレで腕立て、腹筋、背筋もしている。 だが、根本的な改善にはならないゆえ、何か定期的な運動が必要であるとジム通いを考え ていた。当然、毎月の出費が厳しい為、ああ、どこかに世界一安いジムはないものか。 そう思って調べていたら、なんと徒歩15分の所に、プールとトレーニング室がそれぞれ 1時間200円の破格のスポットがあった。いや、なんで今まで知らなかったんだ! 早速、俺は水着を準備すると、15分歩いた。今から運動をしに行く為、この徒歩でも筋 力がアップしているような嬉しさだ。あっという間に到着すると、券売機でプール券を買 った。ワクワク (つづく)
2025.07.23
阪神が大きなリードを持って前半戦を折り返した。 佐野氏は「投手力、打線ともにほぼ隙がない。他球団は後半戦、よほどの爆発力を見せないと逆転Vは厳しい」と言う。 ただ、ほんのわずかな〝小さな穴〟は「なぜか阪神は中日に相性が良くない(前半戦終了時5勝7敗)」(佐野氏)と井上監督率いるドラゴンズの不気味さだ。 中日が阪神に強い理由について佐野氏は「元々、昔から、阪神は中日との相性が良くない部分がある」と前置きし、「中日は投手力が安定している。その中でつながりのある打線ができつつありますね。ボスラーが日本野球に対応してきていますし、正直、シーズン序盤はやりたい野球が見えなかったが、点が取れれば勝てるチームだとは思ってます」と分析した。 セ・リーグを盛り上げるためにも中日の奮起は欠かせない。佐野氏は「秋口にかけて暴れまくってほしいなと期待しています」と締めくくった。
2025.07.23






