政治•経済
巨額献金で法人税引き下げ 巨額献金の見返りが第一に法人税の引き下げだが、自民党はその代わりに、財務省による消費税の引き上げを呑んで来た。その結果、国の歳入構造はきわめてイビツなものとなっている。 1989年に消費税3%が導入された時、法人税(国税)の基本税率は40%だった。その後、消費税増税が繰り返されて10%まで引き上げられた一方で、法人税は引き下げが繰り返され、現在は当時のほぼ半分の23・2%まで下がった。しかもこれは名目上の税率であり、実際は自民党税制調査会が毎年末に策定する租税特別措置により、大企業ほど優遇されている。 実際の法人税負担率を企業規模別に見れば、資本金1000万円以下の企業の負担率は14・6%、1億円~10億円の企業は19・8%だが、資本金100億円超の大企業の負担率は、わずか12・8%だ(財務省資料より)。今年度の当初予算では、歳入総額113兆円のうち、租税収入は約70兆円。このうち基幹3税の税収は、法人税17兆円、所得税18兆円、消費税24兆円と、消費税の税収が最も多いのである。 近年、企業が内部留保(利益剰余金)を積み上げて問題となっているが、その額は実に600兆円を超えた。一方で、庶民ほど重税感が高まる消費税は、増税のたびに景気が失速している。石破氏が掲げた「税の応能負担の原則」にしたがえば、法人税引き上げは必須だが、自民党は引き上げるつもりはさらさらない。「近年は世界で法人税引き下げ競争が起きて、日本でも、法人税を引き下げなければ国際競争に負けてしまうという理屈が通用してきました。しかし米英はじめ各国は、コロナ対策による財政悪化を埋めるために、すでに法人税引き上げに舵を切りました。しかし、岸田前首相は最後まで引き下げに否定的でした」(経済誌記者)。 最近は、法人税引き上げは「賃上げの足を引っ張る」という論調が出てきた。しかし法人税が低いため企業は利益を溜めこむのであり、法人税を引き上げれば、賃上げなり、設備投資なり、海外企業買収なりが加速する。少なくとも賃上げの足を引っ張ることはない。「要するに、自民党政権の目的は法人税引き下げそのものにあり、そのための理屈は常に都合よく作られ、時に経済学を捻じ曲げてきたのです」(同)。 大企業への法人税を引き下げ、消費税増税を許容して来た自民党の姿勢は、庶民軽視を雄弁に語る。それ以上に、「目的は大企業優遇」という政策は、経済成長に資するものだったかという疑問が改めて出ている。
2024.12.24
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題を受け、今月に開かれた衆参両院の政治倫理審査会で、萩生田光一元政調会長ら安倍派と二階派の国会議員が、「裏金化システム」の運用を「知らなかった」と相次いで釈明している。「裏金議員」の事務所では、派閥パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥からキックバック(還付)された際、政治団体の収支報告書に記載しない方法で裏金を捻出した形になっていたが、議員は会計処理を事務所の秘書らに一任していたと強調し、自身の責任を放棄しているのだ。 ▼政治資金規正法でも連座制導入を 政治とカネの問題を巡っては、これまでも問題が発覚する度に「秘書に任せていて知らなかった」と釈明し、何の責任も取らない議員が後を絶たない。ただ、政治家にとって秘書は極めて重要な存在であり、その秘書が刑事罰や道義的責任に問われているのにもかかわらず、政治家自身は責任を逃れて「無傷」のままその地位に居座っていることに多くの国民は憤っているだろう。政治資金規正法においても、公職選挙法と同様、秘書ら議員に近い者が罪に問われれば議員も失職する「連座制」の導入が迫られている。 自民党派閥の政治資金パーティーでは、2000年代から安倍派を中心に派閥からのノルマ超過分の還付金について裏金化していた実態が続いており、昨年12月に報道で明らかになった。東京地検特捜部が捜査に乗り出し、派閥の会計責任者や国会議員数人を政治資金規正法違反(虚偽記入、不記載)で起訴・在宅起訴した。すでに一部の会計責任者の有罪判決も出ている。 ただ、立件された政治家は、還付金の不記載額が5000万円前後と高額に及んだケースのみだ。不記載額が数百万円~3000万円近くの国会議員は数十人に上ったものの、いずれも立件を免れたため、市民団体などによる刑事告発が次々となされている。さらに、裏金所得の無申告による「脱税」との指摘も根強く、批判がやむ気配はないのが現状だ。自民党安倍派のベテラン議員秘書も「刑事告発については、不起訴になっても検察審査会に申し立てなされるので、事態が沈静化するのはまだまだ先だ。重鎮議員が引責辞職するなどしない限り、事態は決着しないし、国民は納得しないだろう」と嘆いている。 ▼知らぬ存ぜぬ こうした中、自民党への批判に拍車をかけているのが、今月の政治倫理審査会に出席した国会議員らの説明内容だ。 安倍派では、2728万円もの還付金を不記載としていた萩生田氏は、「パーティーの運営や会計に関与する立場にも、知る立場にも、伝える立場にもなかった」と完全に開き直った様子。鈴木英敬衆院議員は「報道を受けて秘書に確認し、記載していないことを知った」、松川るい参院議員は「報道されるまで本当に全く知らなかった」と発言するなど、もはや「知らぬ存ぜぬ」の姿勢が顕著と言わざるをえない議員が続出している。 二階派の平沢勝栄元復興大臣も「経理については担当秘書に全て任せていた」と説明しており、自民党国会議員は派閥に関係なく、「秘書のせいにする」という悪しき慣習がいまだ払拭されていない実態を浮き彫りにした。今回の政治倫理審査会は、なんだか議員の単なる言い訳の場にしか映らなかったのではないか。 もちろん、法治国家において、人の罪が問われる刑事罰は極めて重いもので、いい加減な証拠や証言で政治家を立件するのは適切ではない。ただ、東京地検特捜部は数十人の国会議員から聴取しながらも、立件にこぎつけた議員はたったの3人。立件人数が少ないのは、収支報告書に不記載となった裏金額が「3000万円」を超えているかどうかが「基準」とされたためだが、この3000万円という金額の壁は、法務・検察内でも幹部によって意見が割れており、国会議員に甘い結論になったとの批判は当然だろう。 自民党派閥全体でみれば、10億円規模の不記載が発覚した今回の裏金問題。実態解明が期待されたはずの政治倫理審査会は、改めて国民の不信感を高めたともいえ、今後は政治家に厳しい抜本的な政治改革が必須となる。政治家が自身の責任を厳格に問われうるよう、国会は連座制の早期導入に向け、本格的な改正議論を進めるべきだ。
2024.12.23
金融所得課税や法人税の引き上げ発言はあっさり撤回? 自民党総裁選の告示前、石破茂新首相が「金融所得課税の強化を実行したい」とテレビ番組で発言すると、岸田前政権が進めた「貯蓄から投資へ」の流れに逆行すると他の候補者に批判された。総裁就任が決まると株価が急落する「石破ショック」が起こり、石破首相は就任後の衆院本会議で、金融所得課税の強化は「具体的に検討することは現時点で考えていない」と一転した。 もう一つ重要なことは、石破首相は「税の応能負担の原則」を掲げて法人税引き上げを示唆していたが、これもまたトーンダウンしたことだ。自民党は長年にわたり、大企業から巨額の献金を受けているが、その見返りの一つが法人税の引き下げだ。 調査報道オンラインメディアのTansaは、大企業による自民党への献金を1976年まで遡って調べ、企業ごとの献金総額を割り出した。1位は三菱UFJフィナンシャルグループの約73億2000万円。2位はみずほフィナンシャルグループの約54億円、3位はトヨタ自動車の約41億円……と続いて、1億円を超える献金を行った企業は249社に上ったという(シリーズ「自民支えた企業の半世紀」)。大企業の巨額献金が自民党を支えている構図は現在も変わりない。22年の献金額は、住友化学とトヨタ自動車が5000万円、キヤノン4000万円、日産自動車3700万円、日立製作所と野村ホールディングスが3500万円……と続く。業界団体による献金も並行して行われ、日本自動車工業会7800万円、日本電機工業会7700万円、日本鉄鋼連盟6000万円、石油連盟5000万円……と続いた。(以下、続く)
2024.12.23
令和6年12月17日に調査研究滞在費に関する改正法案が全会一致で衆議院において可決した。この法案は2019年から国民民主党が繰り返し提出してきた法案である。日本維新の会も旧文通費を公開する法案に成立させることを条件に本年6月の政治資金規正法改正案に賛成したが岸田首相に開き直られ反故にされていた。それらの法案を引き継ぎ議院運営委員会が提出したものである。 議員は毎年一回、その年において支給を受けた調査研究広報滞在費の金額及びこれを充てた支出に関する事項を記載した報告書を当該支出に係る領収書等の写しを添付して、その属する議院の議長に提出しなければならないこと、そして、その年において支給を受けた調査研究広報滞在費の総額から、その年において調査研究広報滞在費を充てた支出の総額を控除して残余があるときは当該残余の額に相当する額を返還しなければならないことを定めている。 調査研究広報滞在費とは国会議員に歳費とは別に毎月100万円支給される公費。非課税で使途の公開義務がなく目的外使用への罰則もない。令和4年に名称が文書通信交通滞在費から変更され、使途は「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動」とされたが、実際には飲食代や秘書給与にも充てることができている。 今回の改正案では、領収書の写しの提出が義務付けられることから使途が明らかになる。これまでは原資が国民の税金であるにも関わらず確認することできず政治不信を招く要因となってきた。使途の透明性と公正性を担保することは政治改革を進めるにあたり必要不可欠であろう。これまで日本維新の会や国民民主党の自主的な取り組みとして所属議員の旧文通費の使途を公開してきた。不透明な旧文通費の問題が持ち上がってから既に3年が経とうとしている。今回の法案では使途公開と残余の返還を規定している。その程度のことはほとんどの自治体で既に実施されていることだ。自民党の政治資金パーティー裏金問題が世論の猛批判にさらされたが、旧滞在費の目的外使用と残余の着服の方がよっぽど悪質なのではないか。本改正案が成立した場合、施行は令和7年8月からとされている。座長案では7月からであったというが参議院議員選挙と重なることから8月にスライドしたという。今後、使途報告の開示時期と選挙が重なる可能性があるときはいちいち開示時期をずらすのだろうか。 いずれにせよ、急いで法改正に動いたことだけは評価する。だが、問題意識を持ちながら放置しきてきた自公政権には強く反省を促したい。令和2年12月に当月在職1日で1か月分の満額の旧滞在費を受け取ったことが問題となり世論の批判が盛り上がったのだが、政府は令和3年の臨時国会から与野党の協議を開始してやっと今回、改正案の採決が行われるに至った。自公政権の金属疲労も溜まっているのだろう。あまりに無為な時間を費やし過ぎである。
2024.12.20
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案なんていう長いタイトルの法律案が衆法として立憲民主党が今臨時会に提出している。12月2日の健康保険証の廃止を延期するとして昨年10月に法案として提出し廃案となった本法案を再度提出した。立憲民主党は本法案提出の背景としてマイナ保険証に対する国民の不安や疑問の声は強いこと、利用率はいまだ13.87%(9月時点)と低迷したままであること、高齢者がマイナンバーカードの使用に馴染めていない現状にあることなどを理由に挙げている。国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは現在の健康保険証を存続させ、マイナ保険証の利用は本人の選択制とする法案となっている。法案の中では一定期間の延期は1年6か月としている。 この法案は意味不明だ。既に12月2日を過ぎてから提出しています。もう、紙の保険証の新規発行は今日現在行っていない。しかも、このような法案を提出しなくても移行期間として現行の保険証も有効期間内で使用可能となっている。またマイナカードを持っていない人の為に資格確認証の発行を受けて保険医療を利用することも可能だ。だが、それらの経過措置も永久にではない。最長1年となっている。立憲民主党の案はこれを半年長くするだけの案とも言える。経過措置など1年もあれば十分だ。役所に手続きに行けない人は代理人でも大丈夫である。健康保険証をマイナカードに一本化するだけ、単純は話である。マイナカードを取得することを何らかの理由で拒否している人は資格確認証を受け取れば良い。資格確認証の有効期限は5年。 旧保険証の延期を諮り不正利用を後押し? そもそも既存の保険証は顔写真が掲載されていない為に貸し借りなど使いまわしが行われていたことが問題視されてきた。特に不法滞在者にはそのような疑いが顕著となっていた。これは健康保険制度のフリーライドにほかならず日本国民の富の搾取にあたる。自公政権による移民政策が進み、同時に不法滞在者も増えている。既に看過できないほどの数の保険証の不正利用が行われるようになっている。このザル制度を是正しようとすると立憲民主党や共産党やれいわ新選組はしつこく反対する。これらの政党は不正を後押ししようとしているといわれてもしようがない。既に民主的に法制化され進められてきたマイナ医療制度なのだから少数野党に覆す方法はないし、従わざるを得ないはず。12月2日以降、マイナ保険証での医療機関受診に大きな問題は起きていない。立憲民主党が主張していた顔認証によるトラブルなどほとんどない。どこかの不届き者が変顔でもしていたら別だが。(紅 良作)
2024.12.19
「野党各党は壁をとっぱらえとかいうが、根本おかしいと思う。なぜ学生が103万円まで働かないといけないのか」と宣った政治家がいる。自民党の政調会長である小野寺五典衆議院議員である。「授業料の減免を受け、大学構内の寮に住み、奨学金とバイトで生活費を捻出した。 だからこそ、学生には学業に専念できる国の支援が必要と思っている。学生には安心してさまざまな活動に励み、視野を広げて社会人基礎力を磨いてほしい」と主張した。札幌の講演会での発言であるが、この発言が大いにバズっている。小野寺五典議員のXは瞬く間に50万回以上が閲覧され、2千人以上の反論が投稿される事態となっている学費無償化も実現せず、給付型奨学金も不十分である現状を知りながら放置し、衆院選での国民民主党の基礎控除額の見直しを図る政策が国民の大きな支持を受けるとみるやこのようなことを平気で言いだす。小野寺五典議員はそのようなことを言うのだったらもっと早く実現していればよかったのではないか。衆院選の大敗北以前にはいつでも実現できるだけの勢力を誇っていたのだから。 そうは言うものの、筆者は大学授業料の無償化や給付型奨学金には否定的である。未だに社会は学歴重視。学歴が必要だと考える者の多くが「社会的信用やステータスアップ」。 「学歴で判断する企業の多さ」などを理由に挙げる。大卒の生涯賃金と高卒の生涯賃金では大いに違う。男性は3千万円、女性は6千万円も差が開く。(労働政策研究・研修機構)大学の授業料が4年で500万円だとして凄まじい高収益を生んでいることになる。なにも大学授業料無償化をしなくても十分に元は取れる。 生まれた家庭の経済的な格差を埋める為としての給付型奨学金も必要ない。人的資本形成と大学での高等教育は関係ない。貸与型奨学金の充実を図ることで十分である。貸与型奨学金を利用した者は多額の借金を背負わされた状態で社会に出ることとなるから、その負担を解消する、または軽減するべきだという理屈もしっくりこない。社会に出て学費として背負った借金ですら返済が困難になるような所得しか得られない大学なんて行く必要があるのか。もしくは、そのような状況に陥るような収入しか得られない会社にしか就職できない大学に行く必要があるのか。 大学の授業料なんてものは投資のようなものであり、投資はその投資によって得られる効果を見極めて行うもののはずである。定員割れの大学もあるが、そのような大学には公的資金を支給するべきではない。あと、推薦入試やAO入試に給付型奨学金も貸与型奨学金も馴染まない。 いずれにせよ、小野寺五典議員は大学教育が私的な自己投資であることを理解していない。大学教育が労働生産性に寄与することがないということはIMFの調査でも明らかになっている。国民の所得向上に関する見直しと自身の苦学生自慢を同一視するのはもってのほか、小野寺五典議員のみならず、これまで多くの自民党政調会長の認識がプアだから我が国の富が失われ弱体化したのだ。(紅 良作)
2024.12.18
高齢者の労災では、転倒などの事故のほかに、過重労働で倒れる人も後を絶たない。令和5年度に脳や心臓の疾患で労災認定を受けた60歳以上は54人で全体の四分の一を占めた。厚労省も手をこまねいているわけではない。令和2年には、高齢者の労災を防ぐため、企業に必要項目などを記した指針を策定。働き手の健康状態の把握やスロープ設置、職場の段差解消、熱中症対策用の休憩場の設置などの対策を呼びかけている。さらに、こうした具体的な対策を講じた企業に補助金を出す「エイジフレンドリー補助金制度」も始めた。 ▼企業の対策は低迷 ただ、企業による取り組みは広がっておらず、厚労省の令和5年の調査では、約7800ある企業のうち具体的な対策に乗り出していたのは2割にとどまった。 労働者不足で高齢者の働き手に対する需要が高まる中で、厚労省は高齢者の労災対策のさらなる強化が必要と判断。対策に二の足を踏む企業の尻を叩くべく、労働安全衛生法を改正し、現在は指針で示している具体策を努力義務とするよう法制化する方針を固めたのだ。来年の通常国会に同法改正案を提出し、早期の改正を目指す。 罰則のない努力義務に過ぎないとはいえ、法制化される意義は小さくない。高齢者の労災対策を怠っている企業の従業員が労災に遭った場合、従業員側は不法行為を理由に損害賠償を求めやすくなるためだ。従業員と労災を巡って損害賠償に発展すれば、企業のイメージダウンは避けられず、企業側は必然的に対策強化に迫られる。
予見できる事業費までなぜ補正予算に計上するのか GX経済移行費や新たな防災減災など国土強靭化に係る予算は補正予算ではなく本予算で 計上するべきである。補正予算での計上が常態化すると本予算の予算計上と執行が曖昧に なる可能性もある。 能登半島沖地震の復興予算であるが、高橋洋一氏らは今更、遅すぎるというが政府は既 に7回の予備予算、合計7150億円を支出している。確かに災害は予見しがたい出費にあた るだろうから国会は事後承認となる予備費の使用でも許される。だが、既に災害発生後 、11か月以上が経過した後に補正予算で改めて約2600億円を計上するのなら最初から補正 予算を組めばよかったのではないか、国会軽視だと言われてもしようがない。 コロナ禍以降、国の基金は一気に膨張、財源は潤沢にある さて、政府や財務省は財源不足を声高に言うがそんなはずはない。財務省の資料から、 本年度の税収の上振れは3.83兆円、税外収入の上振れは1.87兆円、国債規定経費削減1.63 兆円となっており合計7.33兆円が財源として確保できる。これだけあれば「103万円の壁 」の撤廃に係る減収はカバーできる。残り13兆円は国債を発行しても良いし、国の基金の 残高が2022年末で16.6兆円になっていることからそれを活用しても良い。(紅 良作)
2024.12.12
検察が不適切な取り調べを理由に逆境に立たされている。和歌山市で昨年4月に岸田前 首相の選挙演説会場に爆発物を投げたとして、殺人未遂罪などで起訴された木村隆二被告 (25)を取り調べた男性検事が、「検事は大リーガーで木村さんは小学校低学年レベル 」などと被告の人格を否定するような発言を重ねていたことが判明したのだ。この検事は 和歌山地検の「エース」とも称される中堅検事のようだが、被告側に加えて警察関係者か らも「検事がメジャーで、警察は草野球とでもバカにしている印象が強く、不愉快だ」な どと反発が出ており、今後も検察の取り調べに厳しい目が向けられるのは必至だ。 ▼「検事は大リーガー」 各新聞やテレビの報道によると、木村被告は昨年4月の逮捕以降、一貫して黙秘を貫い ていたが、担当検事が取り調べで「憲法や法律の知識に関して我々検事が大リーガーだと すると、木村さんは小学校低学年レベル」「(事件を起こすまでは)引きこもっていて、 出てきたら迷惑をかけるんだから、愚かな木村さん」などと発言したとされる。 一連の取り調べは、被告の人格を否定する発言で、黙秘する被告に次々と質問を投げか けること自体が黙秘権の侵害にあたるとして、木村被告の弁護団は最高検に苦情を申し立 てた。苦情を受けた最高検が調査に乗り出し、検事の一部の発言については「不適正だっ た」と認定したのだ。 ▼特捜事件でも不適正な取り調べ 検察の取り調べを巡っては、2019年参院選の元法相夫婦による大規模買収事件で、 東京地検特捜部の検事が元広島市議の供述を誘導したとされる問題が昨年8月に発覚。最 高検は同年12月、検事の発言が「不起訴となることを期待するのだったことは否定しが たい」として取り調べが不適正だったとする内部調査結果を公表した。 特捜部が手がける事件は政治家の汚職事件など知能犯が多く、直接証拠も少ないことか ら、検事と被疑者らの間で際どい攻防が繰り広げられるのが常だ。検察の取り調べが厳し くなるのは当然で、被疑者・被告人側が「取り調べが不適切だ」と主張し、特別公務員暴 行陵虐容疑などで刑事告発したり最高検に苦情を述べたりするケースはこれまでにも度々 あった。だが、多くが被疑者らによる「大げさな言いがかり」として淡々と処理され、問 題になるケースはほとんどなかった。 このため、昨年12月に最高検が特捜検事の取り調べを「不適正」と認めた当時、検察 内外に衝撃が走ったのは言うまでもない。今回の木村被告のケースでは、特捜事件以外の 一般の刑事事件でも、検事による不適正な取り調べが蔓延している実態を浮き彫りにした ともいえ、検察としては由々しき事態だ。来年2月に和歌山地裁で始まる木村被告の公判 に影響を与えるのはもちろんだが、検察全体として大幅な意識改革が求められるは当然だ ろう。 ただ、被告人らによる告発を懸念して取り調べが甘くなれば、巨悪は見逃され、本来罪 に問われるべき者が野放しになる恐れもあり、本末転倒だ。「適正な取り調べ」を推進し 、起訴すべき者をしっかり起訴できるよう、検察の組織全体のあり方が問われている。
政府は会計検査院の指摘を無視、トリガー条項凍結解除を拒否 補正予算の中身についてだが、燃料油価格激変緩和対策事業に約1兆円、電気ガスへの 補助が約3200億円。ガソリン価格の高騰に関して政府はいつまで補助金で抑制するという スキームを維持するつもりなのか。補助金支給に係る委託事務経費が巨額となっているこ とを会計検査院が指摘している。トリガー条項の凍結を解除するか当分の間税を廃止する ことで物事は解決する。1兆円の予算があればトリガー条項の廃止は可能である。そんな に難しいことではない。当分の間税に関しても、当分の間(2年)と言いながら既に50年 も経過している。道路整備に使われる特別税であったのに今では何にでも使える一般会計 に移行している。規律のないなし崩しを続けることは国家規律に反する。早々に当分の間 税率を廃止することを願う。電気料金に関する補助は必要だがもっと必要なのは原子力発 電所の再稼働やリプレイスである。短期間で火力燃料の価格が低下するとは思えない。東 日本大震災前の原子力発電のシェアへの回帰を目指して取り組むべきである。 半導体生産事業者への投資であるがこれまでの3年間で3.9兆円に上っている。政府の関 与を減らし民間の投資に任せるべきだと声も聞かれるが、アメリカは米国CHIPSプラス法 によりインテルやサムソンに年間約4.5兆円の補助金を出している。中国も国家集積回路産 業投資基金(国策ファンド)を設立し7.4兆円以上の補助金を支給している。日本はコロ ナ禍で半導体の調達が困難に陥り自動車、電化製品など多岐に渡る製品の生産活動が滞り 経済成長を妨げた経緯がある。半導体製造では一旦はイニシアティブを海外に奪われたが 苦い経験を活かして半導体産業を再生することが日本の主要産業の競争力強化には必須と なる。グローバルな競争状態や各国政府が内国半導体事業者を後押ししている状況を鑑み ても政府の半導体への関与は必要であり重要である。(紅 良作)
2024.12.11









