政治•経済

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中国に深入りするとイギリスや「欧州の病人」とまで言われるドイツのようになる
中国に深入りするとイギリスや「欧州の病人」とまで言われるドイツのようになる

ああ、おそろしや、ナバロ曰く「もし中国の吸血鬼がアメリカの血を吸えないなら、イギリスとEU(欧州連合)の血を吸うことになる」だと (写真 ピーター・ナバロ ホワイトハウス国家通商会議委員長 Wikipediaより)  「高関税」をトランプ米大統領に吹き込んだ黒幕の首席通商顧問ピーター・ナバロが吠えた。ナバロは英国「テレグラフ」紙のインタビューで「英国政府は中国が米国に販売できなくなった製品の“投棄所”になる。中国からの“条件付きの贈り物”には抵抗すべきだ」と語った。この発言は、中国製品が145%の関税を課せられたため、事実上米国へ中国製品の輸出が激減、中国は自国製品の処理場となる市場を探しているという事情から英国をターゲットにせざるを得ないという警告でもある。 ナバロはこうも付け加えている。 「もし中国の吸血鬼がアメリカの血を吸えないなら、イギリスとEU(欧州連合)の血を吸うことになる。経済にとって今は非常に危険な時期だ」  一方、EU最大の経済大国ドイツは、景気後退に苦しんでいる最中、トランプ関税と中国ビジネスの低迷というダブルパンチに見舞われ、実質国内総生産(GDP)成長率は23年、24年に続いて25年もマイナスになる可能性が指摘されている。そんなことから「欧州の病人」とまで言われている。「ドイツドイツと草木もなびく」と太平洋戦争に突入しようとした際、日本人のヒトラー賛歌が、政府と軍の親独路線を支えたように、ドイツは日本が参考にしてきた国の1つだ。が、今は見習ってはいけない点の方が多い。ナチスによりもたらされた「国家社会主義」は、戦後、反動的な中道主義や財政的マゾヒズム、中身のない道徳主義、リスク回避の文化に置き換わっただけだという指摘もある。その集大成が親中のアンゲラ・メルケル首相の「停滞」の16年だった。メルケル政権下のドイツ人は日本人より労働時間が短くなった。経済協力開発機構の23年統計によると、ドイツの年間労働時間は1342時間で、33カ国中で断トツの最下位。ちなみに日本も平均より短く1611時間の22位だ。特に問題視されるのが病気による欠勤で、ドイツでは少なくとも年20日の有給休暇申請が認められる一方、病欠は有休扱いされず、最大6週間にわたって給与全額が支給される。連邦統計局によると23年の病欠日数は平均15.1日と21年より4日増加した。ずる休みが横行しているわけだ。勤勉を捨てたドイツは、国際通貨基金(IМF)からドイツ経済の成長見通しを従来の0.3%からゼロに下方修正された。  中国の深入りを許すと英国やドイツのようになる。日本も「他山の石」としなければならないが、もう遅いか。  

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2025.05.12

短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その3 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)
短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その3 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)

アンゴラ政府が中ソ一辺倒から欧米との協調へ転換 (写真 建設ラッシュのアンゴラ)  内戦の爪痕、経済、治安など未だ課題の多いアンゴラであるが、1月27日付WP紙は、‘U.S. deepens ties with Angola, a model for Washington’s ties to Africa’によると国内鉄道の敷設にあたりこれまでの中国を頼ってきたが新たな調達案件でアメリカのコンソーシアムへの依頼を選択した。アンゴラは社会主義国家であったことから内戦時代から中ソとの関係が深かった。よって米国の支援や救済の対象となることはないものと考えられてきた。中国がアンゴラ国内で行ってきたインフラ整備の質の悪さや対応の悪さにもアンゴラ政府は不満を募らせていただろう。ロシアのウクライナへの侵攻に対してもアンゴラ政府は国連で苦言を呈している。アンゴラ政府が中ソ一辺倒ではなく欧米との協調も視野に入れるようになったと言える。アメリカのブリンケン国務長官のアンゴラ訪問は両国の関係改善を顕著に示している。アメリカにとってアンゴラとの関係は経済協力に留まらない。隣国コンゴの紛争解決にも繋げたい意図がある。アメリカがアフリカの将来的な有効性を認め友好関係を築くことはこれまでになかった姿勢である。アメリカは制裁に加える役割に一区切りをつけようとしている。世界の警察としての役割を担ってきたアメリカが友好国を増やしていくことで大局に対峙するためのリーダーシップを得ることは新時代的な平和の世界的枠組みの構築に繋がる。日本はアメリカの動きに注視しつつ友好国の枠組みの拡大と深化の流れに関与し連携を図っていくことが期待されている。(おわり)

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2025.05.09

短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その2 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)
短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その2 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)

大手日系企業も多く進出している (写真 赤部分がアンゴラ)  話をアンゴラとの協定に戻す。アンゴラは経済の多角化・安定化を目指し汚職対策、財政・金融改革、為替制度改革をはじめ投資環境改善・法整備を推進し、外国からの投資誘致に積極的に取り組んでいる。サハラ以南アフリカ地域有数の経済規模を有するとともにアフリカ屈指の産油量を誇り豊富な鉱物資源を有する経済的潜在成長力の高い国であるため日本企業の関心も高い。豊田通商、キャノン、NEC、パナソニック、横河電機、三菱ふそう、三菱重工、小松製作所、寺岡精工、山梨日立、IHI、JFE、国際石油開発帝石、日本海洋掘削、三井海洋開発、NTT、住友商事、双日、丸紅、日本郵船、千代田化工建設、日揮など錚々たる日系企業が進出している。  アンゴラは127万平米と面積が広く日本の3倍以上、人口は約3550万人、首都はルアンダでキリスト教徒が多い。1975年独立以来の長期にわたる内戦により経済は極度に疲弊したが石油、ダイヤモンド等の鉱物資源に恵まれている他、農業、漁業等の潜在能力も高く、過去10年間、概ね高い経済成長率を維持している。特に石油についてはナイジェリアに並ぶサブサハラアフリカ最大の産油国。2007年には石油輸出国機構(OPEC)に加盟したが自国の利益にならないと2023年に脱退した。一方、アンゴラ政府は石油依存型経済からの脱却を図るため国家開発計画の下、農業、製造業の振興等による産業多角化を喫緊の課題として掲げている。かつてはコーヒーの栽培が盛んであった。  日本はアメリカ、フランスに次ぐアンゴラへの支援国である。有償無償を含め累計740億円及び輸送用機器類等で約220億円相当の輸出をし、石油や天然ガスを約80億円相当輸入している。アンゴラは、元々はポルトガルの植民地であったが第二次世界大戦後に独立運動が巻き 起こり1975年にはポルトガルからの独立が認められた。だが、それ以降も2002年まで内戦が続いた。キューバとソ連の支援を受けた社会主義政権が南アフリカとアメリカ、中国の支援を受けた反政府勢力との衝突が激化し多くの人命が失われ経済は疲弊した。内戦で使用された地雷の撤去が進んでおらず現在でも経済成長の足かせになっている。国連の推定によるとアンゴラ全土に残されている地雷は数百万発に達すると言われている。冷戦終結後、外国軍は撤退しポルトガル政府の仲介によって内戦は終結する。しかし、政府のザイール出兵後に反政府勢力が再び蜂起し内戦が勃発する。2002年2月、反政府勢力のサヴィンビ議長が民間軍事会社の攻撃で戦死して長い内戦の歴史にピリオドを打った。  アンゴラの内戦後、中国は多くのインフラ整備を行っている。2014年には内戦で破壊されたベンゲラ鉄道を中国の援助で再建した。アンゴラは原油の4分の1を中国に輸出しており最大の輸出先なっている。しかし、アンゴラに利益を還流しない中国の方法にはアンゴラ人からの批判もあり大規模な反中デモも起きている。沿岸部の埋蔵量80億バレルとされる原油と内陸部で産出するダイヤモンドなど鉱産資源には比較的恵まれていることから中国は20億ドルの融資を行いインフラの再建を手助けしIMFの影響力を低下させることに成功した。アンゴラの石油の輸出先で一番多いのが中国であり、中国にとってもアンゴラが石油輸入の最多先となっている。  内戦の影響は物価を直撃している。アンゴラの首都ルアンダの物価は世界一といわれている。ほとんどの物資を輸入に頼っていることからキャベツ1個が約20ドルになってしまっている。住宅の供給数が絶対的に不足していることから家賃が高騰、日本人駐在員の家賃相場は月100万円に跳ね上がり、外国人は強盗のターゲットにされているという。(つづく)

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2025.05.08

短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その1 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)
短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その1 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)

内戦の爪痕が色濃く残り取り組むべき課題も多い (写真 アンゴラ国旗)  投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定が発効した。協定自体は2023年8月に既に締結されている。国会で承認されることにより発行される。  この協定では投資の自由化を促進し投資を行う企業や投資した財産を保護するための国際協定で投資財産の待遇の透明化について定める。また、投資家が投資先の国で何らかの問題に直面した場合の解決手段の1つとなる。日・アンゴラ投資協定は投資参入段階における内国民待遇、最恵国待遇を規律するネガティブリスト方式の留保表を含む自由化型協定である。特定措置履行要求の禁止はWTOの貿易に関連する投資措置に関する協定の規律に加え、ロイヤルティー規制禁止、技術移転要求禁止、自国民雇用要求禁止などを規定している。紛争解決規定として投資家と国の間の紛争解決も盛り込まれている。最恵国待遇のネガティブリストには「日本国における土地の取得又は賃貸借を禁止し又は制限することができる。」が盛り込まれて留保を可能としている。中国を含め多くの国と条約や協定にこの一文がなかったことから日本の土地が次々と買収される事態に現在もある。土地つまり領土は国家そのものと言える。その土地の上に歴史を刻み込み国家が存在する。土地をほぼ自由に買えるということは国家の基盤の一部が諸外国に売りに出されている状態にあるとも言える。アメリカはGeneral Agreement on Trade in Services(貿易に関する一般協定)の締結時に土地取得を制限する留保条項を付けたため厳格な規制が可能である。よって、アメリカは外国籍および外国籍と思しき者、法人、土地取得を許可制にしており当局の判断で外資の取得を却下できる。外国籍、とりわけ中国資本によって凄まじい勢いで日本の土地が出臆され続けていることに焦った当時の安倍政権は外国資本による土地取得を制限しようとしたがガッツ協定に阻まれた。取得制限の対象は自衛隊の基地や原子力発電所など重要施設周辺の土地に限定することが限界であった。中国は自国民でも外国資本でも共に土地の所有権は取得できない。しかし中国人は日本の不動産の所有権をほぼ自由に売買できる。あまりにもアンフェアである。超限戦でいう侵略とも受け取れる状況だ。外務省は近年の条約や協定においてはネガティブリストに土地の取得を制限できることを盛り込むようになった。日本の領土、資源、安全、歴史等を守れるのは日本だけである。WTOやGATSでの失態をどう取り返すか真剣に検討しなければならない。(つづく)

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2025.05.07

ローマ・カトリック教会の次期教皇は保守派か改革派か
ローマ・カトリック教会の次期教皇は保守派か改革派か

いよいよ本日(7日)より始まるコンクラーベ 世界一有名な男にはだれがなるのか (写真 フランシスコ教皇 Wikipediaより)  世界約14億人の信者を誇るローマ・カトリック教会の最高指導者であるローマ教皇に誰が選出されるかは、信者でなくても関心が高い。その理由は教皇は、単に宗教指導者というだけではなく、世界の政情にも大きな影響力を持つ政治的指導者という側面もあるからだ。コンクラーベ(教皇選出会議)という言葉はラテン語で「鍵をかけて」という意味だ。まさにその通りで、有力候補者と囁かれた枢機卿が次期教皇に選出されるケースは少ない。前回のコンクラーベ(2013年)では南米出身のブエノスアイレス大司教のホルへ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(フランシスコ教皇)が第266代教皇に選ばれたが、当時、その名を知っていた聖職者はわずかだった。  冷戦時代、ポーランドから選ばれたヨハネ・パウロ2世はまったくの無印だった。コンクラーベには「神が働く」と言われているゆえんだ。7日から始まるコンクラーベには80歳未満の枢機卿が参加する。252人の枢機卿のうち80歳未満の枢機卿は135人だが、2人の枢機卿が健康問題を理由に欠席を届けているため、現時点では133人から選ばれることになる。カトリック教会では保守派と改革派が主導権争いを展開させている。フランシスコ教皇は改革派だとの位置づけだったから、次は保守派の枢機卿、例えばハンガリーのペテル・エルデ枢機卿が有力といった見方が浮上する。ただし、選挙権を有する80歳未満の枢機卿の大多数が過去12年間、フランシスコ教皇によって任命されているという事情を考慮すると、次期教皇も改革派枢機卿からという流れになりそうだが…。  現在有力視されている候補に関するフェイクニュースが流れている。有力候補に健康不安説が流れるのは過去にもあったが、最有力候補とみられているイタリア人枢機卿のピエトロ・パロリン国務長官(70)が、4月末、「バチカンでの会議後に高血圧で倒れ、医師の治療を受けた」などとする情報が出回り、5月2日、教皇庁報道官は否定した。また、フィリピン出身の有力候補、ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿(67)にも、ジョン・レノンの「イマジン」を熱唱する過去の動画などがSNS上で拡散し、イタリア紙などは「無神論文化への屈服だとみなされている」とタグレ氏選出への影響が出る可能性を指摘した。次期教皇候補として注目度を上げているのが、フランスのマルセイユ大司教を務めるジャンマルク・アベリヌ氏(66)だ。マルタ出身のマリオ・グレック氏(68)は、世界代表司教会議の事務局長を務め、改革路線の継承者として評価を高めている。  トランプ米大統領は、ホワイトハウスで記者団にニューヨーク大司教ティモシー・ドラン枢機卿の次期教皇を示唆した。保守派のドラン枢機卿は、2013年に当時の教皇ベネディクト16世の後継候補と考えられていた。75歳のドラン枢機卿は、1月に行われたトランプ氏の就任式で開会の祈りをした聖職者だ。信者数が増えているアジアとアフリカ教会から次期教皇が誕生するとも言われる。先のタグレ枢機卿やアフリカからは、コンゴのキンシャサ教区のフリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿(65)の名前が出ている。次期教皇には年齢も関係する。ヨハネ・パウロ2世が27年間と長期在位だったこともあって、バチカンでは長期政権が考えられる若い枢機卿には抵抗が強い。コンクラーベで選出される枢機卿は70歳台がいいという暗黙の了承がある。その流れで行くと、人望のあるエルサレム・ラテン典礼総大司教のピッツァバッラ枢機卿は60歳と若すぎる。  さて14億人の信者が待ち望む次期教皇の座に就くのは誰なのか。  

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2025.05.07

中国の硬軟2つの画期的発明
中国の硬軟2つの画期的発明

中国軍、自信満々AI兵器の開発 新たなる脅威に (写真 中国人民解放軍(PLA)  中央軍事委員会のマーク Wikipediaより)  今年4月、中国の北京で人工知能(AI)搭載の人型ロボットのハーフマラソン大会が行われた。中国メーカーなどから約20体が参加し数体が完走した。要するに人型ロボット見本市だ。沿道の市民から声援を受ける様子は、まるで人間が走るハーフマラソンのようだった。車輪を使わず二足歩行ができ、遠隔操作か自律走行ができるロボットであることが出場の条件だが、レース中に何度か電池交換を行ったり、何人かが伴走し進む方向を修正したりと人が走ることと同じレベルになるには、まだほど遠い段階であることをうかがわせた。ミスを放映するという、これまでの中国の情報公開になかったことをするということは、ロボット技術の先進性にかなり自信があるのではないか。中国は将来的に兵士ロボットを軍に投入する計画だという。  日本はこれまでロボット先進国と言われ、工場内での極限作業などを行う産業ロボットは世界各国に輸出されてきた。しかし現在AI技術とロボット技術を融合させた高度な汎用ロボットの開発では中国に後れを取っている。技術だけでなく軍人ロボットの開発など日本ではありえない。一方、中国の軍事力がアメリカをも上回る動きを見せていることは今や衆知だ。米空軍のシンクタンクの報告によると、中国人民解放軍(中国軍=PLA)がステルス機探知レーダーの開発に向けて動き出したという。ステルス機とはレーダーに探知できないシステムのはずだが、これが無力化できるということだ。≪中国の大規模な防空レーダー産業基盤は、あらゆる高度と範囲における包括的な探知能力を生み出しており、その最新システムはレーダー技術の国際的最先端にあるようだ≫とシンクタンクの報告書は指摘している。さらにPLAの新しい防空レーダーは、攻撃用ドローンや低空を飛行するミサイルがもたらす脅威にも対応できるように設計され、気球や無人航空機に配備されていることが、中国航空宇宙研究院(CASI)の報告書で明らかになっている。 中国の開発の多くは、F35やF22戦闘機/爆撃機、B-2爆撃機など、これからの紛争で主要な役割を果たす米国のステルス機を探知するために設計されている。最近配備されたシステムには、移動式レーダーや「ステルス・ペネトレイティング」レーダーがあり、国中に散らばる性能の低いレーダーとネットワーク化されている。  ≪PLAは、少なくとも旅団レベルで、複数の種類と能力を持つ防空レーダー・プラットフォームをネットワーク化することができるようで、おそらく全国の防空レーダーからの情報を一つの探知ネットワークに集中し、まとめることができる≫と報告書は指摘しながらも、PLAがこれらのデータを効果的に利用できているかどうかは明らかではないとしている。地域的な軍事衝突では、防空ネットワークは初期段階での主要な標的となる。例えば、イスラエルは最近のイランへの空爆で、全国の防空網の大部分を破壊、これによってイランは攻撃を受けやすくなった。いずれにしても先進レーダーや将来的に兵士となる人型ロボットは、インド太平洋地域での米軍の活動能力を脅かすものだ。そして日本の防空網も無力化させることを忘れてはならない。  

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2025.05.05

民生委員の不足が深刻化 合理的な制度設計を
民生委員の不足が深刻化 合理的な制度設計を

 地域に根付いて高齢者の見守りなどの福祉活動に携わる「民生委員」の不足が深刻化している。民生委員は、厚生労働相から委嘱される非常勤の地方公務員で、近年は単身高齢者の増加などを背景にその重要性が増しているはずだが、逆に充足率が低下しているのだ。 厚労省はこのほど、民生委員が元々活動していた自治体から転居した場合でも、条件を満たせば任期中は続けられるよう制度を変更したが、委員が担っている業務負担の軽減に向けた取り組みも必須だ。 ■無報酬で活動する非常勤の地方公務員 民生委員は現在、全国で約23万人おり、無報酬で高齢者の見守りや地域住民の相談に応じ、行政とのつなぎ役を担っている。これまでは、定年退職後に時間に余裕のある人や、子育てが一段落した人らが、自治体などの推薦によって選ばれていたが、近年は自治会の加入率が低下。働く高齢者や女性の増加も背景に、適任者が見つからないことが多いという。  さらに、行政の下請け的に行う業務負担も根深い問題となっている。 例えば、生活保護の申請を巡り、申請者の生活実態に関して民生委員の意見書は必須条件ではないのに、提出を求めている自治体があるという。業務負担を理由になり手が減っていけば、制度が立ちゆかなくなってしまう恐れもあるため、総務省は3月、民生委員の負担軽減を図るため、制度の運用を見直すよう厚労省などに要請した。 ■業務の効率化を  国や自治体が一体となり、現在の民生委員が各地で担っている業務の中で、廃止や効率化が可能なものはないかを洗い出し、改善につなげるべきだ。AI(人工知能)を使ったサポートなど時代に即した対策も検討しなければならない。  生活保護や介護など日常的に住民と接する機会の多い自治体職員と民生委員の役割分担についても、明確化を進められるかが検討課題となるだろう。 核家族化の進展なども背景に地域社会のつながりが薄れている中、地域の福祉を最前線で支える民生委員の存在意義は大きい。制度の円滑な運用やなり手確保に向け、その役割や重要性を国民に理解してもらうよう、周知・広報活動も重要だ。  時代の変化を踏まえた業務の見直しを早急に進め、制度の先細りを防ぐ必要がある。

公取委がフリーランス法で4業種45社に行政指導
公取委がフリーランス法で4業種45社に行政指導

 企業は弱い立場のフリーランスを守る取り組みを率先して進めるべきだろう。公正取引委員会(公取委)がこのほど、個人で仕事を請け負うフリーランスが不利な取り扱いを受けないよう、フリーランス取引適正化法に基づき4業種45社に発注方法の是正を求める行政指導を実施した。昨年11月に同法が施行されてから初の指導で、企業経営者には取引ルールの順守の徹底が求められる。  フリーランス取引適正化法は、フリーランスに業務を発注する事業者に対し、書面やメールで仕事内容や報酬額を明示し、60日以内に報酬を支払うことなどを義務付けている。企業から仕事をもらう立場の弱いフリーランスは、足元をみて報酬額を減額されたり、口約束で発注されたりすることも少なくない。一方、国の統計では、本業がフリーランスの人は、ITエンジニアや通訳、アニメーターなど200万人超にも上っている。このため、適正化法は増加するフリーランスを守り、発注者側の不当行為の是正を図る狙いがある。  公取委が今回の行政指導を行った4業種は、アニメ、ゲーム、フィットネスクラブ、整体などリラクゼーション。フリーランス側の不満が以前から多いため、公取委が集中的に実態調査を進めてきたところ、4業種77社のうち6割弱の45社で適正化法違反が見つかったという。  具体事例としては、ゲームのイラスト制作を依頼した発注者が報酬額や受取日を示さなかったりしたケースのほか、報酬の支払期日を設定していないケースも散見された。今回の行政指導の対象となったのは、適正化法が禁じている典型的な違反行為が多く、指導を受けた45社は重く受け止め、早急の改善を図るべきだ。  昨年にフリーランスという用語を使った法律が初めて成立し、11月に施行されたことで、フリーランスとの取引を巡る悪弊に一定の歯止めがかかるとみられていた。 ただ、今回の行政指導の対象は45社と多数に及び、不当な取引が改善されていない実態を浮かび上がらせた形だ。 新法を絵に描いた餅で終わらせてはならない。公取委はさらに監視を強めるとともに、企業側も社内体制の整備など、適正取引に向けた取り組みを推進していかなければならない。

ウクライナ本土に突入するロシア軍の新相棒「北朝鮮軍」
ウクライナ本土に突入するロシア軍の新相棒「北朝鮮軍」

ああ、ついにロシア軍は『朝鮮人民軍(北朝鮮軍)』を表ざたにしてきたか、狙いは核、そして、米ドル獲得 (写真 朝鮮人民軍軍旗)  ロシア軍は4月26日、ウクライナ軍の越境攻撃を受けた西部クルスク州を完全に奪還したと宣言した。ウクライナは完全奪還を認めていない。また、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)による支援についても初めて公の場で認めた。新相棒となった北朝鮮も、ロシア派兵を内外に公表し、金正恩総書記は「(有事のロ朝相互の軍事介入を定めた)包括的戦略パートナーシップ条約第4条の発動条件に当たると判断して参戦を決定した」と述べた。北朝鮮もロシア派兵を公式に認めるのは初めてのことだ。北朝鮮はクルスクの戦闘で4000人を超える死傷者を出した。国内の遺族や住民の動揺を抑える狙いから国内への公表に踏み切ったとみられるが、一方で自信の表れと受け取る向きもある。  というのも3月10日から20日にかけて行われた米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」中に、ロシア軍機が韓国の防空識別圏(ADIZ)に8回も侵入し、「条約」に定められた相互の軍事介入を履行してくれたからだ。ADIZへのロシア軍機の侵入回数としては過去最多だった。ロシアは22年9月、ウクライナ国内のドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4地域で住民投票を強行し、これらの地域を併合した。現在これらの地域では、奪還を狙うウクライナ軍とロシア軍の間で依然として激しい戦闘が繰り広げられているが、クルスク奪還作戦で戦果を挙げた北朝鮮軍のウクライナ本土への投入が現実味を帯びている。4月16日、ウクライナ国家安全保障国防委員会傘下組織のアンドリー・コバレンコ氏が、テレグラムで「ロシアは北朝鮮軍をウクライナ本土での戦闘に投入する計画だ」と発信。さらに同氏は、ロシアは「ロシア憲法に基づき(軍が駐留する地域は自国領土)として侵略した地域をロシア領だと主張する可能性がある」と予測した。  北朝鮮軍のウクライナ領内進軍について英紙タイムズは、≪北朝鮮が自国軍をウクライナ本土に進入させる場合、その目的はロシアによる核開発プログラムの支援を引き出すことにあるのではないか≫と分析している。ただ米韓の一部専門家は、「ロシアが北朝鮮の大量破壊兵器開発に深入りすることは、これらの兵器の標的である米国を激怒させ、逆にロシアの影響力を低下させる可能性があるのでどこまでやるかは不透明だ」とする見方もある。ロシアは北朝鮮兵1人あたりに3万ドル(約450万円)を支給しているが、その後3月には3500人が新規に派兵され、計1万5500人分、ざっと700億円が正恩氏の懐に入った計算になる。そしてクルスク奪還作戦の奮闘ぶりから給与はさらに高騰したとも伝えられる。気をよくした正恩氏は、りっぱな戦争犯罪に10万人規模の派兵をするのではないかとも言われる。しかも遺族の声などいくらでも封殺できる国だ。喉から手が出るほど欲しいドルを手にした正恩氏は笑いが止まらないことだろう。  

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2025.05.03

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