政治•経済
政治と金の問題で選挙に大敗したにも関わらず、2025年9月の自由民主党総裁選挙に際し、高市早苗総理は「決着済み」の認識を示してきた。 新総理の抱えるもう一つの不安材料が安倍晋三元総理の射殺事件のきっかけとなった自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係。総裁選挙の前に、お笑いタレント・中田敦彦の『YouTube大学』に出演した際の総理の言動が物議を呼んでいる。旧統一教会の教義について「初めて聞いた」と答え、教祖の文鮮明をご存知ですか? と聞かれると、「すみません」としか言わなかった。 愛国保守は統一教会を許せるか?裏金、消費税、国民の怒りとの向き合い方とは 高市総理が主張してきたスパイ防止法の制定を、「国民が国家への忠誠を誓う法律」として統一教会は強力に推進。旧統一教会系の政治団体『国際勝共連合』は、1984年に中曽根政権がスパイ防止法を議員提案する前から、『スパイ防止法制定促進国民会議』の発起人に名を連ねている。 反日教義を持ちながら、政治家を支援してきたカルト教団の教義や教祖について聞かれ、答えることができない総理に不安を感じる国民もいる。 2022年8月に第2次岸田改造内閣で経済安全保障担当大臣に就任した際の記者会見で高市総理は、旧統一教会の世界日報社が発行する月刊誌『ビューポイント』2001年4月号で対談した事実を認め、「親しい評論家の細川隆一郎氏の誘いだったため参加した。『ビューポイント』と旧統一教会との関係は知らなかった」と釈明したが、『しんぶん赤旗 日曜版』2023年3月19日号は、高市総理が、『世界日報』1994年4月24日付、1995年1月1日付、1996年1月1日付、1997年3月17日付、2001年1月5日、6日付の計6回、登場していると報じた。 『しんぶん赤旗 日曜版』2023年3月19日号 新たに旧統一教会との関係が出てくれば、高市総理にとって致命的スキャンダルになる。もし仮に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、そうした証拠を握っていれば、高市総理は、教団に弱みを握られているも同然なのだ。 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の取材を続けてきたジャーナリストは、高市政権が3月に解散命令を下した裁判所に圧力をかけるのではないか、と不安がっていた。 日本は建前上三権分立だから、行政権が司法権に介入することは許されていない。憲法第76条第3項は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定しており、裁判官の独立性を保障している。 だが、実際は10月23日投稿『高市新政権の発足でカルト教団が復権?』で指摘したように、裁判所にも裏金が存在し、裏金を使える身分に出世するのを生涯の目標とする判事がおり、そのことが裁判所の公平・公正性を損なっていると指摘する元判事もいる。 https://timessha.com/society-incident/takaichi251023/ 検察の裏金隠しが、検察と政権の癒着を産み、森友・加計問題をはじめ、数々の不祥事や疑惑が報道されながら、安倍長期政権を担保してきた。旧統一教会の教祖や反日教義について聞かれ、「すみません。はじめて聞きました」とカマトトぶっていた高市総理も、この政治的教訓だけは、しっかり記憶しているかも知れない。 検察の裏金隠しと政権との黒い癒着(三井環著) アメリカのトランプ政権は、三権分立なんか”クソ食らえ”とばかりに、「単一行政理論(UET)」を掲げ、司法権に介入している。トランプ大統領も安倍元総理とともに、ビデオメッセージを旧統一教会に送っていた。 今崎幸彦・第21代最高裁判所長官や会計検査院は、政治家から裁判所の裏金疑惑を追及する圧力を受けても、筋を通せるのか。
2025.10.28
2025.10.28
高市早苗首相が10月25日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席するためマレーシアに向けて出発した。総理就任後初となる外国訪問だ。 マレーシアはASEANの議長国。我が国はこれまでマレーシアに対して、政府安全保障能力強化支援(OSA)の枠組みを通じて、警戒監視活動用機材として救難艇(レスキューボートJE-470)7隻や無人航空機(UAV:ドローン)14機を提供している。マレーシアは中国との間で領有権問題を抱えている。マラッカ海峡という地政学上のチョークポイント(要衝)を抱えるマレーシアとの関係深化は、日本にとって重要な課題だ。 そのマレーシアで高市首相と会談を持つのがアンワル・イブラヒム首相。生き馬の目を抜く過酷さで知られるマレーシア政界にあって人一倍辛酸を舐め、権力闘争の過程でソドミー(同性愛)行為嫌疑で逮捕・収監されるも、復権を果たし、2022年11月に遂に首相の座をつかんだ。 マレーシアのアンワル・イブラヒム首相 出典:マレーシア首相府公式サイト 穏健なイスラム中道保守として、多様な市民を包摂する社会「シビル・マレーシア」構築を標榜するが、マレーシア社会の統合に苦労している。2023年8月にはスウォッチ販売店がいきなり家宅捜査を受け、「LGBTQを暗示しており有害だ」としてレインボーカラーの時計が押収された。 スウォッチのレインボカラー時計コレクション 出典:swatch公式サイト スウォッチ側の異議申し立てで、押収を無効とする司法判断が下りたが、マレーシア政府はその後、スウォッチ製レインボカラー時計は、印刷機・出版物法(PPPA:Printing Presses and Publications Act)違反として、販売・所持が禁止される見解を公表した。マレーシアでは今、この時計を着用しているだけで、最高で懲役3年・罰金2万リンギット(約72.5万円)が科せられる。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
2025.10.27
2025.10.24
憲政史上初の女性総理大臣である高市早苗新政権の誕生で、政界通の間で密かに懸念されているのが、3月に東京地裁で解散命令が下された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の復権という。 東京高裁は11月下旬に審理を終局させ、年明けに解散命令の適否を判断する。 教団トップのマザームーンこと韓鶴子総裁は、9月23日に韓国の特別検察官チームに逮捕されており、解散命令が覆ることは、まずないとされる。 逮捕された韓鶴子総裁 だが、この教団の粘り腰を甘く見てはいけない。とんでもないウルトラCを目論んでる可能性があるのだ。 過去にも教団創設者の文鮮明牧師が、1982年にアメリカで脱税で逮捕され、18ヶ月の実刑判決を受けて服役するも、国外追放にならず、アメリカで活動を続けられた。 文鮮明を逮捕したアメリカは、統一教会のアメリカ布教を、1976年に発覚した大韓民国政府による米政界工作『コリアゲート事件』の一環として見ていた。そして、韓国の背後に日本の右派勢力がいると睨んでいた。満洲国陸軍軍官学校出身の朴正煕大統領と日本政界との関係から、アメリカがそう思い込んだのは無理もなかった。もちろん現実は違ったが、統一教会は、日本の右派政治家との親密な関係を、アメリカの為に役立てる取引で、教祖が国外追放されることを免れたとされる。 今の世界平和統一家庭連合に取引材料があるとすれば、裁判所の裏金問題だろう。「裏金議員」が批判され、政治とカネの問題で自民党は選挙に大敗した。だが、裏金は政治家だけの問題ではない。過去には検察の裏金を告発しようとして逮捕された「三井環事件」や、北海道新聞の調査報道による「北海道警裏金事件」が発覚している。そして、裁判所にも裏金があるという告発本が、昨年6月に死去した生田暉雄弁護士によって出版されている。 (出版社: 三五館 発売日:2016/4/23) 同書で元判事の生田弁護士は、裁判官の3号年棒と4号年棒には大きな開きがあるが、3号年俸に昇級する裁判官は3分の1なのに、全員分の予算が組まれており、これが裏金の原資となっている、と告発。101名の市民とともに行政文書の情報開示請求を行ったが拒否されたとある。 国会で、国政調査権のある国会議員によって、裁判所の裏金が追及されることになったら、最高裁はどうするのか。 福祉を食い物にし、地方自治に浸食 世界平和統一家庭連合の福本信也弁護士 世界平和統一家庭連合の顧問弁護士・福本信也弁護士は、元検事で教団信者。2世信者の記者会見で、「娘は精神異常だから、すぐに会見を中止せよ」と、両親の署名入りFAXを送付。教団の記者会見では、記者の質問を遮ったりするなど、強面で知られる。 記者会見中に福本弁護士からのFAXが届き、涙ぐむ2世信者 福本弁護士は、平成10年に法務省民事局参事官室局付検事として、成年後見制度の民法改正にも携わっている。 成年後見制度にまつわる数多の不祥事や悲劇については,聞いたことのある人も多いだろう。家庭裁判所に選任された法定後見人に財産を横領されても、選任した裁判官は責任を取らない。一度施設に入れられると親族も会わせて貰えない。一人暮らしの資産家が、自治体の首長に後見人をつけられてから行方が判らなくなった、といったケースが、全国各地で報告されており、日本の成年後見制度は、国連でも障害者権利条約に抵触する可能性があると指摘されている。 そして、カルト教団は、地方自治体の政治家への工作活動を活発化させている。 写真は9月1日投稿「5選を目指す鎌倉市長の足下で相次ぐ疑惑」から 今後問題になりそうなのは、外国人と日本国籍を持つ信者との偽装結婚や養子縁組だろう。 世界平和統一家庭連合では、養子縁組制度の利用について、積極的に信者を教育してきた。布教活動で新たな信者の獲得が難しくなった昨今、日本国籍の欲しい外国人に教団加入を条件に日本人信者との縁組みを斡旋。韓国ではかなり前から日本人女性と結婚ができる、と宣伝して勧誘してきた。数千人の日本人が韓国に渡り、韓国人と結婚したが、彼らの間に生まれた子供にも日本国籍の取得を勧めているとされ、日本人と韓国人の間に生まれた“祝福2世”達が、日本に入国している。 (青山みつお)
10 月 21 日、高市早苗自⺠党総裁が総理大臣に任命された。我が国初となる女性首相の誕生だ。同日に発足した高市内閣は、自⺠党と日本維新の会の「連立政権」として報じられている。 厳密に言うと、「閣外協力」と「連立政権」はイコールとは言い難いが、20 日に高市総裁と維新の会の吉村洋文代表、藤田文武共同代表が署名した文書は「連立政権合意書」というタイトル。今後は、閣僚を内閣に送り込まない閣外協力であっても連立政権であるという理解が浸透していくだろう。 高市内閣では、女性閣僚の登用が注目されていた。蓋を開けてみると、片山さつき財務相と小野田紀美経済安保相の二人にとどまったが、松島みどり元法相が総理補佐官に起用された。 外国人政策担当の松島みどり総理補佐官 出典:首相官邸公式サイト 松島総理補佐官の担当は外国人政策。小野田経済安保相も「外国人との秩序ある共生社会推進担当」を兼ねている。高市首相の肝入り案件である「外国人対策」の司令塔を首相側近で固めてきたところに、高市首相の本気度が伺える。 自維の「連立政権合意書」も、外国人政策として、外国人に関する違法行為への対応と制度基盤を強化して「ルールや法律を守れない外国人に対しては厳しく対応する」ことを明記している。 その他にも、対日外国投資委員会(日本版 CFIUS)の創設や、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案も、来年の通常国会での審議入りが目指されている。高市政権は、我が国における「外国人政策」の転換点となるだろう。 (北島純・社会構想大学院大学教授)
2025.10.23
2025.10.23






