政治•経済
コメ不足と流通の混乱、価格高騰、外国産米輸入の影響は、清酒や焼酎、米菓、味噌、穀粉、和菓子やせんべい類といった日本の伝統的なコメ加工食品業界でも起きている。 コメ生産者は、国内の主食用米があまりにも高くなり過ぎたことから25年産米で、加工原料米を主食用米へとシフト変換しており、米菓や味噌といったコメ加工食品業界は原料米の入手難への危機感を抱いている。 米菓は、もち米を原料とした「あられ」とうるち米を原料とした「せんべい」に分けられるが、両方とも深刻な原料米問題に直面している。 おやつの定番であるせんべいは、加工用米の減少に伴い原料価格が上昇し、製造者がコスト高に苦しんでいる。 多くの米菓を展開する某製菓では、人件費・資材費・エネルギー費などの高騰に加え、原料費も上がったことで、この4月に一部製品の価格改定を発表した。 帝国データバンクの調べでは、24年のせんべい(100㌘)小売価格は平均149円と過去10年で最高値を記録。この4年ほどで2割超上昇した。 米菓業界とともに味噌業界も原料米確保に苦しんでいる。近年「追いこうじ味噌」という従来の味噌に比べコメの使用割合を高めたものが人気になっており、原料米価格の安定は味噌業界の最重要課題になっている。 こうしたことから昨年から国産米の価格が上昇し始めたことにより、味噌業界は高値の国産米を敬遠し、外国産米の使用割合を増やしている。 味噌メーカーの中には「国産原料使用」を謳った製品を製造しているところや国産米で甘酒を製造しているところもあるだけに、異常とも言える国産米価格高騰は国産米使用減少に拍車をかける可能性も高い。 米麹を原材料とする大手のマルコメでは「現状の価格では供給に支障をきたす状況」となったとして、今年4月から値上げを行っている。 また、近年米国で大ブームを呼んでいる日本酒業界でも、厳しい状況が続いている。 かつて日本酒に使用する酒米は、品質管理に手間やコストがかかることから、主食用米より高値で取引されてきた。しかしこのコメ不足により主食用米の価格が上がったことで、農家が主食用米への作付け転換を図る動きが見られ、酒米の確保が難しくなってきている。一部の蔵元では生産量の見直しも迫られているという。和食の危機だ。
男女共同参画基本法というのを聞いたことがあるだろうか。47ある都道府県すべてに男女共同参画センターや女性プラザなど設置されている。20ある政令指定都市にも必ず設置されている。県庁や市役所の中ではなく国の機関として役場外に独自に設置されている。子供家庭支援センターが同居していることも多い。設置の目的はどこも一様であり、「男女が社会の対等なパートナーとしてあらゆる分野の活動に参画し、政治的、経済的、社会的及び文化的利益を共に享受でき、責任も担う「男女共同参画社会」の形成促進を図る」とされている。同じ法で縛られて開設したのだから一様で当然である。青森や山梨や茨城で男女共同センターの前を通りかかったことがあるのだが広い空間にポスターやパンフが並んでいるだけで職員以外はほとんど人を見かけなかった。いるとしたら仕事をさぼって涼むサラリーマンくらいであろうか。一見、余って使途のない空間をみっともないので展示で埋めている場所に見える。実はこれが男女共同参画基本法によって設置を定められているれっきとした行政機関なのである。法が施行された1999年から約24年間、決して国民の身近にあるとは思えないこの施設はひっそりと継続されてきたことになる。男女共同参画センターはあくまでも国の機関であって地方自治体の設置ではない。つまり、断れない。国は地方分権を進めるとは言うものの打出の小槌は決して手放すことはない。 地方自治体と国は主従関係にはないとはいえ、地方交付金や国庫支出金、国によるインフラ整備等で上下関係がないとは決して言えない。2000年に施行された地方分権一括法で権限移譲が明確化されてはいるものの地方自治体は国の許可なしに起債できないなどの制限に縛られており国と地方自治体が対等な関係とはいえない。自治事務が国から地方自治体に移譲されてもなお国政に対して地方行政が関与するケースは沖縄県の米軍の普天間移設の承認の取り消しなどの場合を除いて極めて限定的だと言える。(参議院議員政策担当秘書 紅 良作)
有事になるとアメリカ・ペンタゴン周辺のピザ店が繁盛する。世界3大通信社のAFP通信がこう報じたものだから、日本でもこの記事が紹介され、話題になっている。 イスラエルが6月13日(日本時間)に、イラン各地の核・軍事関連施設を大規模攻撃。14日未明にはイランが報復攻撃を行い、「よもや第5次中東戦争勃発か!」との事態に陥っているのだが、ペンタゴン周辺のピザ店の売れ行きを観測するⅩアカウントの「ペンタゴン・ピザ・レポート」は、テヘランで火の手が上がる1時間前に、ピザのデリバリーが増えていると報告していたというのだ。 理屈としては、有事が発生あるいは起こりそうな時は、ペンタゴンの職員の残業が増え、夜食としてピザの注文が増えるから、というものだが、ある意味、理に適っている。正式には「ピザ・メーター理論」と呼ばれているのだが、この約2週間前の1日に、ウクライナが極東を含むロシアにドローン攻撃を仕掛けた時も、ピザ・メーターは上がっていた。 「過去を振り返れば、90年8月のイラクによるクウェート侵攻前夜、11年5月のウサマ・ビンラディン急襲の数日前から、最近では24年4月にやはりイスラエルがイランにミサイル攻撃を仕掛けた時にもピザ・メーターは予兆を示していて、実績は十分です。その逆バリとして、『ペンタゴン周辺のゲイバーが閑散とする』というものもありますが、こちらは計測は難しいので都市伝説的なジンクスかもしれませんが、ペンタゴン職員がそれだけ忙しくなっているということで、やはり理屈としては適っています」(全国紙記者) 遠くの戦争は本当に買いか ピザ・メーター理論は有事の可能性を知らせる1つのバロメーターで、となれば株式市場の混乱の可能性を伝えるものでもある。特に日本においては、週末に世界的混乱が起きれば、最初にマーケットが開く日本はその影響をモロに受けるのは毎度の事。事実、13日は日経平均、TOPIX、グロース250の指数はいずれもマイナスで、13日の日経平均は前日比338円安で、一時は600円以上下げた。 「株式市場の格言に、『遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り』との有名なものがありますが、地政学リスク指数の動きで見ると、イベント発生直後は大きく上昇するが、しばらくすると落ち着く。となれば、今でもある程度は有効と言えるでしょう。それを示すかのように、16日の日経平均はすっかり元通り。もっとも一時的な円高進行の落ち着きや、原油高で恩恵を受ける企業が押し上げたからですが、異様な落ち着きと言えるかもしれません」(同前) またこのタイミングでのG7開催で、視線はそっちに向かっているからかもしれないが、イスラエルとイランの報復合戦は続いており、予断を許さない状況は続く。
沖ノ鳥島(東京都小笠原村)の東約270㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船が日本政府に無断で調査活動を行った。 沖ノ鳥島は日本最南端の島で、中国が周辺のEEZで調査を行うのであれば、日本の同意を得なければならない。 日本は中国に抗議したが、中国は沖ノ鳥島について、国連海洋法条約上、EEZや大陸棚を設定できない「岩」に当たるということで、今回の調査についても「日本が干渉する権利はない」「公海の自由の行使だ」(中国外務省の毛寧報道局長)などと強弁している。 2012年4月、国連の大陸棚限界委員会が沖ノ鳥島の北方など太平洋の4海域31万平方㌔を新たに日本の大陸棚として認める勧告を採択した。このことから「岩」ではないとの日本の立場を強めたと言えるものの、当時は南方海域については判断が先送りされた。国際社会の一層の理解を得る必要がある。 中国の「岩」との主張が認められれば、日本の国土面積を上回る約40万平方㌔のEEZが失われ、海洋資源などの経済的権利も消え失せる。沖ノ鳥島周辺のEEZにはレアメタル(希少金属)のコバルトやニッケルなどが豊富に存在している。 こうしたことから日本政府は2010年5月、離島保全を図る低潮線保全・拠点施設整備法を制定した。これに伴い、沖ノ鳥島は満潮時に高さと幅が数㍍の2つの島が海面上に残るだけで消滅の恐れがあることから、護岸工事などを行い、27年度には港湾施設が完成する予定だ。 中国が沖ノ鳥島を「岩」と主張する背景には、周辺海域の調査を自由に行い、台湾有事などの際の米軍展開に備えようとしていることが挙げられる。 中国海軍の領海侵犯はほぼ日常化している。中国海軍の空母「山東」が、6月7日午後には沖縄県の宮古島の南東およそ550キロの海域を、9日には小笠原諸島の沖ノ鳥島の北の日本のEEZ内を侵犯していたことが確認されている。 その際「山東」の艦上戦闘機が、「山東」の監視に当たっていた海自の哨戒機に近接されたり、前方を横切られたりしたとして、防衛省は中国側に深刻な懸念を表明し、再発防止を厳重に申し入れている。経済的利権の保護と抑止力強化に努めなければならない。
6月13日以降、イスラエルがイランの核関連施設や軍事拠点に対し大規模な空爆を実施したこと で、両国間の軍事的応酬が激化している。この衝突は、中東地域の緊張を一気に高め、国際社会 に深刻な懸念をもたらす。イスラエルはイランの核開発プログラムを阻止する目的で攻撃を正当 化するが、イランは報復を宣言し、ミサイルやドローンによる反撃を繰り返す。こうした状況下 、トランプ米政権はイスラエルへの全面支持を表明し、米国が紛争に巻き込まれるリスクが高ま る。一方、中国は中東の混乱を台湾への軍事侵攻の好機と捉える可能性があり、グローバルな安 全保障に新たな火種を生む恐れがある。 イスラエルとイランの軍事衝突の背景 イスラエルは6月13日、イランの核分裂性物質の生産能力を無力化するため、テヘランやナタン ズの核施設を含む100以上の標的を攻撃したと発表した。これに対し、イランは最高指導者ハメネ イ師が「イスラエルは報いを受ける」と報復を誓い、イスラエル領へのミサイル攻撃を実施。両 国の衝突は、軍事拠点だけでなく民間施設にも及び、中東全域に波及する危険性を孕む。 この応酬は、両国の長年にわたる軍事的緊張や顕在化した結果である。イランはレバノンのヒ ズボラやガザ地区のハマスといった代理勢力を通じ、イスラエルを軍事的に威嚇し、攻撃を行な ってきた。一方、イスラエルはイランの核開発を最大の脅威とみなし、過去にも秘密裏にサイバ ー攻撃や暗殺作戦を実行してきた。今回の空爆は、イスラエルがイランの核開発の進展をこれ以 上許容できないと判断したことを示す。しかし、双方が攻撃のエスカレーションを辞さない姿勢 を見せる中、紛争の収束は見通せない。 トランプ政権のイスラエル支持と米国のリスク トランプ米大統領は、イスラエルによるイラン攻撃について「起きる可能性が高い」と事前に 警告しつつ、イスラエルへの強固な支持を改めて表明した。米国は、イスラエルの後ろ盾として 軍事支援を強化し、事前にイラク・バグダッドの米大使館員に退避命令を出すなど、緊張の高ま りに対応している。しかし、イランが報復として湾岸諸国の米軍基地を攻撃した場合、米国は直 接戦闘に巻き込まれる可能性がある。これは、中東全域を巻き込む大規模戦争の引き金となりか ねない。 トランプ政権のイスラエル支持の背景には、国内の政治的要因も存在する。米国では、イスラ エルを支持するロビー団体やキリスト教福音派の影響力が強く、トランプ氏はこれらの支持層を 意識した政策を展開する。また、2024年の大統領選でイスラエル支援を訴えた実績は、共和党内 の結束を高める材料ともなっている。しかし、米国世論ではガザ紛争を巡りイスラエルへの不支 持が強まっており、トランプ政権の強硬姿勢は国内の分断を深めるリスクも伴う。 中東での大規模な戦争は台湾有事を現実化させる? そして、中東の混乱は、中国にとって地政学的なチャンスを生む可能性がある。中国は、米国 が中東での戦争に注力せざるを得ない状況を、台湾への軍事圧力を強める好機と捉える恐れがあ る。米国が中東で軍事資源を割く場合、 インド太平洋地域における対応能力が低下し、中国は台 湾海峡での挑発行動をエスカレートさせる可能性がある。中国がイランに軍事支援を行い、代理 戦争を通じて米国を牽制するシナリオも考えられよう。 中国はこれまで、台湾問題を巡り慎重な姿勢を維持してきたが、米国の注意が中東に分散する 状況は、軍事侵攻のリスクを高める。特に、トランプ政権が中国に対し強硬な経済制裁や技術規 制を続ける中、習近平政権は国内のナショナリズムを高揚させるため、台湾への軍事行動を本格 的に進める恐れがあるこれは、アジア太平洋地域の安定を揺るがし、日米同盟にも重大な影響を 及ぼす。我々としては、イスラエルとイランの軍事衝突の行方を台湾有事に照らし合わせて考え る必要があろう。
「令和の米騒動」で儲けたのは誰か。小泉進次郎が6月5日の衆院農水委員会で述べたところによれば、コメ卸売りの大手がその1人だろう。いわく「売上高は対前年比120%を超え、営業利益は500%ぐらいです」というのだから。 この「500%発言」が波紋を呼んだ。「社名は言いませんが」との前置きがあったものの、コメ卸大手の「木徳神糧」を名指ししたのも同然で、以前からマーケットでは株価が高騰して、1人「おいしい思い」をしているとして、あたかも「転売ヤー」かのごとくSNSではやっかみの声が飛び交っていたからだ。 そこで木徳も黙って看過はしておれず、11日に社長名で声明を発表。「取引価格の不当な操作は行っていない」と、自ら手を上げた。同社には進次郎発言の後、抗議が殺到していたからだ。 もっとも進次郎が〝名指し〟しないまでも、コメ卸大手の好業績は数字の上から明らかなので、NHKは6日に木徳と「ヤマタネ」の大手2社がそれぞれ、直近の決算で営業利益4.8倍と3。6倍と社名を明かしていたのだが。 いわば進次郎効果というものなのだろう。進次郎が〝コメ担当大臣〟に就任した5月22日以後、堂島のコメ先物相場は5月27日の3万1658円(60キロ、5日平均)を天井に、12日現在で2万6564円まで下落、現物もそれなりに下がるだろう。 名前が似ているだけでも株価上昇 また「風が吹けば桶屋が儲かる」といった株式市場では、何か良い材料があれば、名前の連想だけから無関係な株価が上がるものだが、進次郎のコメ担当大臣の起用が伝えられた21日には、横須賀の地元の百貨店の「さいか屋」の株価や勤怠管理システムの「勤次郎」の株価が瞬間的に急騰。 どれもこれもやはり「小泉劇場」で、「セクシー・ビーム」の効果は大きいのだった。
6月3日、韓国で実施された大統領選挙において、進歩派の李在明(イ・ジェミョン)氏が勝利 を収めた。この結果は、韓国の国内外の政治・経済情勢に大きな影響を与えると予想される。李 氏はこれまで一貫して進歩的な政策を掲げ、特に日本に対する批判的な姿勢を示してきたことで 知られている。しかし、現在の韓国を取り巻く安全保障環境や経済的課題、そして国内の政治的 バランスを考慮すると、李在明新大統領が過度な反日姿勢を貫くことは難しく、現実的かつ建設 的な対日外交が求められる状況にある。 李在明氏は、京畿道知事や城南市長としての実績を背景に、経済格差の是正や社会福祉の拡充 を訴え、幅広い支持を集めた。特に、若年層や中低所得層からの支持が厚く、進歩派の基盤を固 めた。しかし、選挙戦では保守派との熾烈な争いが繰り広げられ、李氏の過去の強硬な発言や政 策が議論の的となった。特に、歴史問題や対日関係をめぐる発言は、国内の保守層や中道派から 懸念の声が上がっていた。 李氏の勝利は、韓国社会の分断を反映している。進歩派は経済的平等や社会改革を求める声に 応える一方、保守派は安全保障や国際協力を重視する立場から、李氏の外交姿勢に注目している 。特に、若年層や中道派の有権者は、過度な対外批判やイデオロギー色の強い政策には冷ややか な反応を示しており、李氏がどのように現実的な政策を打ち出すかが注目される。 現在の東アジア情勢は、韓国にとっても厳しい安全保障環境を突きつけている。中国の海洋進 出は南シナ海だけでなく、東シナ海や黄海においても顕著であり、韓国の海洋権益にも影響を及 ぼしている。また、台湾海峡をめぐる緊張は、米中対立の激化とともに地域の不安定要素となっ ている。さらに、北朝鮮の核ミサイル開発は依然として解決の目途が立たず、最近では北朝鮮と ロシアの軍事的接近が新たな脅威として浮上している。このような状況下で、韓国は単独で安全 保障を確保することは難しく、近隣国との協力が不可欠である。 特に、日本との関係は安全保障面で極めて重要である。日韓両国は、米国を共通の同盟国とす る枠組みの中で、北朝鮮の脅威に対抗するための情報共有や軍事協力を行ってきた。2016年に締 結された日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はその象徴であり、両国の安全保障協力の基盤 となっている。しかし、李氏の過去の反日的な発言や、歴史問題をめぐる強硬な姿勢は、日韓関 係に緊張をもたらす可能性は排除できない。 経済面でも、日本は韓国にとって重要なパートナーである。両国は半導体や自動車、電化製品 などの産業で競合しつつも、相互依存関係にある。経産省によると、日本にとって韓国は世界第3 位の輸出先であり、韓国にとって日本は世界第4位の輸出先であり、両国は経済的にも相互依存 関係にある。近年、韓国の若年層を中心に日本文化への関心が高まっており、K-POPや韓国ドラ マが日本で人気を博する一方で、J-POPやアニメ、ファッションも韓国で広く受け入れられてい る。このような文化交流は、両国の民間レベルでの結びつきを強化し、対日関係の改善に寄与し ている。 李在明氏が大統領として直面する最大の課題は、理想主義的な進歩派の理念と、現実的な外交 政策のバランスを取ることである。過度な反日姿勢は、国内の支持基盤である進歩派の一部を満 足させるかもしれないが、若年層や中道派からの支持を失うリスクがある。また、国際社会での 韓国の立場を弱め、特に米国との同盟関係にも影響を与える可能性がある。米国は日韓の協力を 重視しており、両国の関係悪化は米国のアジア戦略にも悪影響を及ぼす。 李氏は、歴史問題や領土問題を完全に棚上げすることは難しいものの、過度な対立を避け、経 済や安全保障での協力を優先すると考えられる。例えば、北朝鮮のミサイル発射への対応では、 日韓の情報共有が不可欠であり、日韓GSOMIAの維持・強化が求められる。また、経済面では、 グローバルサプライチェーンの安定化や気候変動対策での協力も重要である。これらの分野で日 本との協力を深めることは、韓国の国益に直結する。 李在明新大統領の対日外交は、韓国の将来を左右する重要な要素である。過度な反日姿勢は国 内の分断を深め、国際的な孤立を招くリスクがある。一方で、現実的な対日協力は、韓国の安全 保障と経済的安定を強化し、若年層や中道派の支持を得るだろう。李氏が過去の発言をどのよう に調整し、どのような外交政策を打ち出すのか、国内外の注目が集まる。日韓関係は、歴史的な 課題を抱えつつも、相互依存と協力の重要性が増している。両国が過去の対立を乗り越え、未来 志向の関係を構築できるかどうかは、李在明政権の外交手腕にかかっている。現実を見据えた柔 軟な姿勢が、韓国と日本の新たなパートナーシップを築く鍵となるだろう。
中国が日本産水産物の輸入再開を進める方針を明らかにした。この動きは、2023年8月の東京電 力福島第一原発の処理水放出を理由とした輸入禁止措置の緩和を意味する。表面上は両国間の経 済的関係改善の一歩に見えるが、その背景には複雑な政治的・経済的意図が絡む。 まず、中国が輸入再開を決めた背景には、トランプ米政権の貿易保護主義の高まりがある 。2025年1月に第47代大統領として復帰したドナルド・トランプ氏は、選挙戦中から「アメリカ 第一」を掲げ、対中関税の大幅引き上げや輸出規制の強化を公約してきた。これに対し、中国は 米国との貿易摩擦を緩和しつつ、経済的孤立を回避する戦略を模索している。日本との貿易関係 の強化は、米国依存からの脱却を図る一環と見られる。特に、日本産水産物は中国市場で根強い 需要があり、輸入再開は中国国内の消費者需要に応えると同時に、対日関係の改善をアピールす る狙いがある。 さらに、中国のこの動きには、日米同盟に楔を打ち込む政治的意図も透けて見える。日米は安 全保障や経済面で緊密な連携を深めてきたが、トランプ政権の保護主義が日本経済に圧力をかけ る可能性は否定できない。米国は日本に対し、自動車や農産品の市場開放を強く求めており、対 米貿易黒字を問題視する姿勢を強めている。中国はこうした日米間の摩擦を利用し、日本との経 済協力を深めることで、対米圧力を間接的に牽制しようとしている。輸入再開は、こうした戦略 の一環として、日本に対する柔軟な姿勢を示す象徴的な動きといえよう。 しかし、日本側から見れば、中国の姿勢軟化は歓迎しつつも、慎重な対応が求められる。日中 間には、尖閣諸島を巡る領有権問題や台湾海峡の緊張など、地政学的リスクが根強く存在する。 尖閣諸島周辺では、中国公船の領海侵入が常態化しており、2024年だけでも30回以上の侵入が確 認されている。また、台湾を巡る中国の軍事的圧力は増しており、2025年に入ってからも人民解 放軍の演習が頻発している。これらの動向は、日本にとって安全保障上の脅威であると同時に、 経済面での中国依存リスクを改めて浮き彫りにする。 日本経済は、こうした地政学的リスクを背景に、「脱中国依存」を加速する必要がある。サプ ライチェーンの多元化や、東南アジア・インドなど新興国への投資拡大が求められる。既に日本 企業は、中国市場の不確実性を軽減するため、ベトナムやインドネシアでの生産拠点拡充を進め ている。この傾向は、トランプ政権の保護主義と中国の地政学的リスクが重なる中で、ますます 顕著になるだろう。 結論として、中国の日本産水産物輸入再開は、トランプ政権の保護主義への対抗策と、日米結 束への牽制という中国の戦略的意図を反映している。日本はこれを経済的機会として活用しつつ 、尖閣や台湾を巡る地政学的リスクを軽視せず、脱中国依存の取り組みを継続する必要がある。 国際環境の不確実性が高まる中、日本経済は柔軟かつ戦略的な対応が求められる。
組織の不正や違法行為を正義感から内部告発した人は、当然に守られるべきだ。不正を告発した内部通報者を解雇や懲戒処分とした場合、組織と個人双方に刑事罰を科すことなどが盛り込まれた改正公益通報者保護法が6月4日、参院本会議で可決・:成立した。企業や地方自治体は、新たに罰則が設けられたことを重く受け止め、内部通報に適切に対応できる体制整備を進めていく必要がある。 ■法人は3000万円以下の罰金、個人は6か月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金 公益通報者保護法は、事業者や自治体などが、組織内の違法行為や不正を組織の相談窓口や報道機関などに通報した人について、不利益な取り扱いをすることを禁止している。ただ、これまでは罰則が設けられていなかったため、特に中小企業などでは通報窓口の整備が進まず、内部通報者を適切に保護する観点ではかねて課題が指摘されていた。 このため、今回の改正により、内部告発を理由に通報者を懲戒処分または解雇とした法人に対し、3000万円以下の罰金が科される。個人についても罰則が設けられ、通報者の処分を決めた人には6か月以下の拘禁刑が30万円以下の罰金が科されることになる。 忸怩たる思いで組織の不正や違法行為を止めようと声を上げた人が、不利益を被ることは決してあってはならない。告発者が不当な圧力を受けないようにする上でも、今回の罰則規定が設けられた意義は大きいだろう。 ■来年中には改正法が施行 改正法はさらに、事業者が正当な理由なく内部通報者を特定しようとしたり、通報を妨げたりしたりすることも禁じた。また、従業員が300人を超える事業者の場合、内部通報者の窓口担当者を配置しなければ、国が立ち入り検査を行えるとし、命令などに従わなければ30万円以下の罰金が科される。 改正法は2026年中にも施行されるため、事業者や自治体は早期の体制整備を図り、通報者を守る仕組みを強化していくべきだ。内部告発者が不当な扱いを受けることは許されない。
記事にするまでに少し時間がってしまったが、靖国神社の例大祭が4月22日に執り行われた。参拝した国会議員は、昨年は100名であったが今年は72名にまで一気に減少した。閣僚では冨樫博之総務副大臣や吉田真次厚生労働政務官が参加した。その他、安倍昭恵元首相夫人や高市早苗経済安全保障担当相岸田首相が参加した。石破総理は参拝せずに真榊を奉納するに留めたことは腑甲斐ないことである。かつて小泉首相や安倍首相が公式参拝した際には中国や韓国が強く抗議し、アメリカも大使館を通じて失望を表明していた。自国の死者を慰霊することを他国に避難される筋合いは一切ない。首相をはじめ閣僚は自身の思うままに参拝に参加して当然である。もっと言えば、天皇陛下にも参拝いただきたいと願う。靖国に眠る英霊は御国の為に戦地に赴きその貴い命を落とした。今上天皇が靖国を参拝されて先の戦争で亡くなられた英霊を供養されることで本当の意味での戦争が終結するのかもしれない。英霊を供養し鎮魂に導くことが出来るのは天皇陛下において他に居ないのではないだろうか。 靖国神社には約250万柱の英霊が祀られている。明治維新以来の日本人兵士全員が祀られているわけではない。そこに祀られているのは官軍の兵士のみである。靖国神社の前身である東京招魂社は1896年6月の第一回合祀で幕末以来の内戦の「官軍」、つまり新政府軍の戦死者3855人を祀った。以来、靖国神社となってからも今日まで内戦の死者としては官軍の戦死者のみを祀り、「賊軍」つまり旧幕府軍および反政府軍の死者は祀っていない。国内の戦死者ですら祀らないのであるから、日本が戦争で戦った相手国の戦死者は当然のように祀られていない。 靖国神社に祀られているのが、軍人および軍属のみというのも疑問が残る。ひめゆりの乙女たちは従軍看護婦つまり軍属であったため、祀られている。知覧の地より飛び立っていった神風特攻隊の若き桜たちも祀られている。日本軍の末端におられた方々が東條英機元首相らA級戦犯とされた重要人物たちと分け隔てなく平等に祀られているのは評価できるのだが、そこには民間人が一切入っていない。東京大空襲や沖縄戦の犠牲者も、広島や長崎の犠牲者も、いわばみな国のために死んでいったのに、民間人である限りは靖国神社にその魂を入れないのは納得できない。 官軍とか賊軍とか、軍人とか民間人とか、日本人とか外国人とか、戦争による死者にそのような区別や差別があってはならない。みんな同じ場所に祀ればよいと真剣に思う。靖国問題がこれほど複雑化するのも、中国や韓国の干渉があるにせよ、遺族の方々が、戦争で亡くなった自分の愛する者が眠る場所が欲しいからであり、愛する者に会いに行く場所が必要だからである。その場所をどうするのか、慰霊と鎮魂の問題について真剣に懸命に取り組み最善の策を講じる使命を政治家は全うしなければならないはずだ。(紅 良作)












