政治•経済
2025.07.22
2025年7月13日、共同通信などが報じたところによると、米国防総省高官が英紙のインタビュ ーで、台湾有事における日本の積極的な関与を求めた。この発言は、米国のアジア太平洋戦略に おける日本の役割の重要性を浮き彫りにし、同時にその背後にある米国の本音と複雑な意図を推 察させる。 台湾海峡を巡る緊張は近年高まっており、中国の軍事的圧力が増す中で、米国は同盟国との連 携強化を急いでいる。米国は、中国の台湾への潜在的な侵攻を抑止するため、日本を含む地域の 同盟国との協力を不可欠とみなしている。特に日本は、地理的に台湾に近く、米軍の主要な基地 を擁する戦略的要衝である。米国防総省高官の発言は、こうした地政学的現実を反映したものだ 。 米国は、台湾関係法に基づき、台湾の防衛を間接的に支援する立場を維持しているが、直接的 な軍事介入には慎重な姿勢を示してきた。いわゆる「戦略的曖昧さ」政策は、米国の介入の不確 実性を保つことで中国を牽制する一方、具体的な軍事行動のコミットメントを避けるものだ。し かし、近年では中国の軍事力増強や台湾周辺での挑発行為が顕著になり、米国は同盟国との共同 対応の枠組みを強化する必要に迫られている。 米国の高官が日本に求める「関与」とは、具体的にどのようなものか。まず考えられるのは、 軍事的な協力だ。日本は自衛隊の能力を近年強化しており、米軍との共同訓練や情報共有も進ん でいる。台湾有事では、日本の基地が米軍の後方支援拠点として機能する可能性が高い。さらに 、自衛隊がミサイル防衛や海上警備で役割を果たすことも想定される。また、経済的・外交的な 関与も重要だ。日本は、中国に対する経済制裁や国際的な非難の枠組みに参加する可能性がある 。さらに、台湾への人道支援や避難民対応など、非軍事的な面でも日本の協力が期待されている 。これらは、米国が単独で負担するには重すぎる責任を同盟国と分担したいという意図の表れだ 。 米国の本音を考える上で鍵となるのは、負担の分担だ。米国はグローバルな軍事プレゼンスを 維持する一方で、国内では財政的・政治的な制約に直面している。台湾有事のような大規模な紛 争は、米国の資源を大きく消耗する可能性があり、その負担を同盟国に分散させたいというのが 本音の一端である。特に日本は、経済力、技術力、地理的優位性を備えた同盟国として、米国に とって不可欠なパートナーであることは言うまでもない。 さらに、米国は日本を「インド太平洋戦略」の要として位置づけている。中国の台頭に対抗す るため、米国は日本、豪州、インドなどとの「クアッド」枠組みを強化し、地域の安全保障ネッ トワークを構築している。台湾有事での日本の関与は、この戦略を具現化する試金石ともいえる 。米国は、日本が単なる米軍の支援基地ではなく、積極的なプレイヤーとして地域の安定に貢献 することを期待している。 しかし、米国の要求には曖昧さが伴う。米国自身が台湾有事への対応方針を明確にしていない にもかかわらず、日本に具体的な役割を求めるのは矛盾をはらむ。米国の「戦略的曖昧さ」は、 同盟国に明確なガイドラインを提供しないまま、協力の必要性を強調する。この点は、日本にと って対応の難しさを生む。 日本は憲法9条の制約や、国民の反戦感情を背景に、軍事的な関与に慎重な姿勢を崩していない 。米国が求める「最前線に立つ」役割は、憲法違反との批判を招く可能性もあり、国内の政治的 議論を複雑化させる。また、中国との経済的結びつきが強い日本にとって、米国の要求に応じる ことは経済的リスクも伴う。米国はこうした日本の国内事情を理解しつつも、戦略的パートナー としての日本の積極性を求めている。 米国の本音には、中国への牽制という意図も強く働いている。日本が台湾有事で積極的に関与 すれば、中国に対する抑止力が高まる。逆に、日本が消極的な姿勢を示せば、同盟の結束が揺ら ぎ、中国に付け入る隙を与える。今回の米政府高官の発言は、日本に「同盟の責任」を意識させ 、行動を促すための圧力とも解釈できる。そして、同時に米国は日本を試している可能性もある 。日本の安全保障政策の進化、特に「反撃能力」の保有や防衛費増額は、米国にとって歓迎すべ き動きだが、実際の有事での日本の対応は未知数だ。米国の高官による発言は、日本政府に具体 的な準備を迫り、その本気度を測る意図も含まれているだろう。
2025.07.19
2025.07.18
世間一般はともかくとして、「TACOトレード」は間違いなく今年のマーケットでの流行語大賞の有力候補だろう。そしてその気分屋ぶりは相変わらずだが、数多あるTACO発言でもしかしたら最速を記録するかもしれない発言で、またマーケットを混乱に陥れた。 「かねてからトランプ大統領は政策金利の引下げに慎重なパウエルFRB議長を批判、その度に『解任』を示唆してきましたが、アメリカメディアがホワイト筋からきちんと確認を取った上で16日に『早期解任の可能性が高い』と報道したわずか30数分後に、当のトランプ大統領が解任を否定。そのわずかな時間にドル円の為替相場が1円も上下したのです」(経済部記者) この急変ぶりに、SNSのマーケット観察者からは、「アメリカ政府は相場操縦やり放題」と呆れた声が上がるが、一方でトランプ発言を巡るマーケットの数字の上下動きは「月単位くらいのスケールで見る必要があるのだと過去半年で思うようになった」との声もあって、したり名言だ。 実際、トランプ大統領が日本の25%を含め、12カ国に関税引き上げの書簡を7月7日に送って以後も、「どうせTACOだろ」と言わんばかりに、マーケットは驚くほどおだやかに推移している。 ディールがない場では、臆面の無さをフルに発揮 「その後さらにカナダに35%の関税を、また医薬品に最大200%の関税を課すと打ち出しましたが、マーケットは狼狽えるどころか、ナスダックとS&P総合500は最高値を更新。トランプ大統領のチキンぶりはもうマーケットでは織り込み済みというのが常態化しつつあります」(同) 一方、傲岸不遜ぶりを示したのが、もともと縁がなさそうなサッカーの舞台で発揮された。この頃アメリカではサッカー・クラブ世界一を決める「FIFAクラブワールドカップ」が開催されていたのだが、日本時間の14日に行われた決勝戦後、開催国大統領として優勝チームへのトロフィー授与の場に立ち会ったトランプ大統領はそのまま居座り、選手らがトロフィーを形容する場のほぼ真ん中に映り込んだのだ。 その場の場違いぶりをCNNは、26年ワールドカップはアメリカ・カナダ・メキシコが共催するが、「次はもっと大がかりで、もっと異様な展開になる可能性がある」と伝えた。しごくもっともだ。
男女雇用機会均等法、育児休業法、パートタイム労働法、育児・介護休業法、男女共同参 画社会基本法、ストーカー規制法、配偶者暴力防止法、次世代育成支援対策推進法、少子化 社会対策基本法、改正次世代育成支援対策推進法、女性活躍推進法、民法の一部を改正する 法律(再婚100日)、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律、働き方改革関連 法など性差や女性に関する法律は1986年以降に矢継ぎ早に次々と施行されてきた。これら の法整備を受けて、教育の機会均等や男女共学、男女同一賃金の原則や女性労働者の保護 、結婚の自由、財産の均等相続、国籍法の父母両系血統主義、雇用分野における男女の均 等な機会や待遇の確保、子を養育や家族の介護を行う労働者の雇用の継続、ストーカー行 為の処罰、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護、女性の職業生活における活躍の推 進、婚姻開始年齢を統一など多くの性差を解消し女性の社会参画を後押ししてきた。 本当に世の女性のマジョリティはまだ支援が足りない、まだジェンダー差別が多い、ま だ女性であることで不利益を強いられている、と思っているのだろうか。省庁や諮問委員 会、役所や議員、民間企業の管理職や役員などあらゆる場面で男女差を問われ偏りを指摘 される。民間企業の管理職や役員は男であろうと女であろうと経営陣とステークホルダー の自由である。公務員も民間も男女差があるのは男女差別や不公平があるとは限らない。 人事は適材適所でおこなっているだろうし、本人の希望も加味されているだろう。単なる 統計で指摘できることではないはずだ。男女比率で人事を評価することこそ男女差別であ る。人物評価と本人希望が重要なのであって男女差の比率を整えるために行う人事は表面 的であり画一的になる。かつて筆者が選挙に立候補するために公認を得た政党支部は公認 料として男性は30万円、女性は50万円と資材費全額補助であった。公認の判断基準も39歳 以下の女性を優先すること公言していた。明らかなジェンダー差別であるがこの政党はジ ェンダー問題をイコール女性差別、女性参画の障壁だと決めつけている。これまでの行き 過ぎたウーマンリブの弊害なのではないか。差別されたり障壁があるのは女性だと勝手な 思い込みをするように長年刷り込みを行われてきた帰着がこの状態。女性を差別する法律 の撤廃、議員定数の半分を女性に割り振るクオーター制の導入、国政選挙の立候補者の 35%以上を女性にする党方針など女性に対して下駄を履かせすぎてことでジェンダー平等 は崩壊している。これは政党に限ったことではなく社会全体がそのような状態に陥ってい るにも関わらずそれが正義であると思い込んでしまっている。男女共同参画事業はゴール を見失っているのではないか。ゴールだけでなく正義をも見失い利権の影すら感じてしま う。腐敗が進む前に立ち止まるべきなのでは。行き過ぎたジェンダー問題への取り組みが 新たな差別を生む可能性もある。何事もほどほどが一番、一張一弛を心すべき。(参議院 議員政策担当秘書 紅 良作)
今年度の最低賃金(時給)の改定額の目安を決める中央最低賃金審議会(通称・中賃=厚生労働相の諮問機関)の議論が今月11日、始まった。現在、最低賃金が1000円を超える都道府県は16に上っており、全国平均は1055円。政府は「2020年代に全国平均1500円」との目標を掲げており、過去最大の引き上げが実現するかや、全国一律で1000円超となるかに注目が集まる。 ▼毎年夏に決定 最低賃金は、都道府県ごとに決められている時給の下限額だ。毎年7月に開かれる中賃の議論で、労使の代表と大学教授ら公益委員が、物価や賃金の上昇率、企業の業況などを考慮し、引き上げ額の目安を示す。その後、各都道府県の審議会がこの目安を参考に実際の引き上げ額を8月中をめどに決め、新たな最低賃金が10月以降に適用されることになっている。 物価高を背景に、賃上げを求める声は全国各地に広がっており、参院選でも各党が重要な公約に掲げている。ただ、石破政権の「2020年代に全国平均1500円」との目標は高く、達成するのは容易ではない。2025~29年度の改定で毎年、全国平均で7%程度の高い引き上げが不可欠となるためだ。過去最大級の引き上げとなった昨年度が5・1%のため、7%がいかに高い数字化は明白であり、毎年のようにそれを実現するハードルは低くないはずだ。 それでも政府が「物価高を上回る賃上げ」と銘打って大幅賃上げを目指すのは、最低賃金の水準が海外と比べて低いことも影響している。経済協力開発機構(OECD)のデータでは、フルタイムで働く正社員ら一般労働者の賃金中央値に対する最低賃金の比率で、2023年は日本が46%に対し、ドイツは51・7%、英国は59・6%などで、海外との開きは大きい。 ▼中小企業支援を 現在の経済事情などを踏まえれば、今年度の中賃で過去最大級の引き上げが実現する公算は高いだろう。ただ、7%を超える急速な引き上げが進んでいけば、特に中小企業への影響が大きくなるのは必須で、配慮が必要となる。最低賃金を確保するために従業員の値上げに迫られ、廃業に追い込まれる中小企業も出てきかねない。 労働者側からも懸念の声は根強い。ある連合関係者は「大幅の賃上げは絶対に必要」としながらも、急速な引き上げによって中小企業が追い込まれて廃業してしまえば、従業員が食を失うことになるとの危機感を示す。この関係者は「大幅賃上げの影響で会社が倒産したら従業員も守られず、本末転倒だ」と強調しており、慎重かつ丁寧な議論を求めている。 政府は賃上げに加え、中小企業の支援も含めた総合的な経済対策に取り組むべきだろう。
1970年代初頭にウーマンリブ活動が世間を圧巻した。ウーマンリブ活動とはアメリカや ヨーロッパで女性活動家たちが「男女は社会的には対等・平等であって、生まれつきの肌 の色や性別による差別や区別の壁を取り払うべきだ」とジェンダー平等を訴える活動のこ と。日本でも朝日新聞が積極的に取り上げたことからベトナム反戦運動に参加した女性活 動家たちが全共闘運動に女性差別があったとしてウーマンリブ活動に傾倒していった経緯 がある。女性活動家たちが革命家きどりの男性活動家が女性に電話番や炊事役を押し付け る姿を見て古い男たちと何ら変わりないと幻滅したことがきっかけだという。そんな左翼 、新左翼の女性活動家の行きついたのがウーマンリブ活動。マルクスの旧来型思想では社 会は代えられなかったがウーマンリブ活動で女性差別や賃金格差、労働条件や環境などを 改革していった。確かにそれは大きな功績であるかもしれない。だからといっていつまで ウーマンリブ活動を続けるのか。女性を取り巻く社会の改革と国民の意識改革を凡そ成し 得た後のウーマンリブはもはや既得権益でしかない。女性特権社会でも作ろうと言うのか 。共産主義者は革命によって国家体制を転覆させ権力を得ることを否定しない。権力を得 た革命家は例にもれず腐敗する。革命を成し遂げた後は権力も地位も既得権益となる。権 益はほぼ例外なく体制の腐敗を生む。 全共闘時代の活動家も現在ではその多くが後期高齢者となっている。現役の生産世代と して社会をリードしているのは団塊ジュニア世代である。つまり、ウーマンリブが流行っ た団塊の世代を超えて次世代に到達している。時代遅れのウーマンリブにいつまでしがみ つくのか。フェミニストのカリスマ上野千鶴子氏は「私は、嘘はつかないけど、本当のこ とを言わないこともある」と発言している。本当のことを言わない私が悪いのではなく、 私に騙される情弱が悪いのだと言わんばかり。現在のウーマンリブの実情こそが上野千鶴 子氏の正体になぞらえることができよう。(参議院議員政策担当秘書 紅 良作)
7月9日、石破総理は日米関税交渉について、「国益を懸けた戦いだ。なめられてたまるか」と威勢よく吠えた。 ところで防衛省は、東シナ海の公海上空で警戒監視中だった航空自衛隊の情報収集機に対し、中国軍の戦闘爆撃機が約30㍍の距離まで異常接近したと7月12日に発表している。こうした中国機による異常接近は6月にも太平洋上空で行われた。 中国によほど舐められていると思うが、同国には腰が引けているから“遺憾砲”を発射するなど自粛に留まっている。 日米関税交渉について経済オンチの石破総理は勘違いしている。その理由は、米国が最も懸念する違法薬物フェンタニル問題について、日本は無関心だからだ。 「6月26日の日本経済新聞は、『中国から米国に流入している違法薬物フェンタニルの中継拠点が日本にある』と報じています。同日、駐日米国大使はSNS上で、『密輸には中国共産党が関与しており、日本経由の不正取引を防ぐべき』と投稿しました。ところが、これに対する日本政府の反応は皆無です。今月1日に、パンダハガー(親中派)の岩屋外相はワシントンで、ルビオ国務長官と会談しましたが、そこでも現在米国が頭を抱えているフェンタニル言及していません。しかも米国からの防衛費増額要求を事実上拒否しました」(国際ジャーナリスト) この会談直後に、トランプ大統領は、日本に「30%か35%、もしくは我々が決めた数字の関税を払ってもらう」と断言している。つまり米国の態度を硬化させたのは、関税交渉ではなく、日本の対中姿勢なのだ。 中国(パンダ)に抱かれて(ハガー)喜んでいる石破政権に対して発した最後通牒が、7日の日米関税交渉に関する書簡だったのだ。それを逆切れで応じたのはとんだ筋違いである。 日本は日米交渉で国益を守り抜かなければならない。同時に、関税を巡る日米の対立が激化し、同盟が揺らぐようなことがあれば、中国に足元を見られかねず、日本だけでなく米国の国益も損なわれる恐れがあることを米側に伝える必要がある。 日米同盟は、故安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」を実現するための中核でもあることを反安倍だった石破首相は分かっていないようだ。
2025.07.15
中国政府が日本産牛肉の輸入を24年ぶりに再開する方針を固め、近く日中間の協定が発効する 見通しとなった。この決定は、2001年のBSE(牛海綿状脳症)問題を理由に中国が日本産牛肉の 輸入を禁止して以来、初めての動きとなる。表面上は両国間の経済協力の進展と見えるが、その 背後には、トランプ大統領の強硬な関税政策と日米貿易交渉の行き詰まりを背景に、中国が戦略 的に日米関係に楔を打ち込む狙いがある。 2025年1月に発足したトランプ米政権は、「アメリカ・ファースト」を掲げ、貿易赤字削減を目 指して高関税政策を次々に打ち出している。日本に対しては、7月7日にトランプ大統領が石破茂 首相宛てに書簡を送り、8月1日から日本からの輸入品に25%の関税を課すと通告した。これは、4 月に公表された24%から上乗せされた税率であり、自動車(25%)や鉄鋼・アルミニウム (50%)への品目別関税とは別枠で課されるものだ。 日米貿易交渉は、トランプ政権の強硬姿勢により難航している。トランプ氏は「アメリカは世 界中の国から金を奪い取られ利用されてきた」と主張し、日本に対して貿易障壁の撤廃を強く要 求。日本の自動車産業や部品メーカーは、既に4月から課されている10%の一律関税に加え、新た な関税の影響に直面しており、コスト増が懸念されている。 日本の経済界では、関税交渉が長期 化し、日本企業がさらなる打撃を受ける可能性が懸念されている。 このような中、中国がこのタイミングで日本産牛肉の輸入再開を決めた背景には、単なる経済 的思惑だけでなく、地政学的な意図がある。中国は、トランプ政権による高関税政策に直面して おり、4月には中国からの輸入品に最大145%(現行では30%に引き下げ)の関税が課されるなど 、米中間の貿易戦争が激化している。 中国も報復として米国製品に125%の関税を課す方針を表 明したが、5月にそれぞれ115%税率を引き下げることで合意し、今日に至っている。 この米中貿易摩擦のさなか、中国が日本との関係強化に動くのは、戦略的な意図が透けて見え る。中国は、米国との対立が深まる中、日本を自陣営に引き込むことで、日米同盟に揺さぶりを かけ、トランプ政権への圧力を間接的に強めようとしている。Xの投稿でも、「中国のしたたかさ 」「日米関係を悪化させる策略」といった声が上がっており、タイミングの意図を疑問視する意 見が目立つ。 日本産牛肉の輸入再開は、中国にとって経済的メリットも大きい。中国国内では高級食材への 需要が高まっており、日本の高品質な和牛は富裕層を中心に人気がある。日本の牛肉輸出額は 2024年に前年比10%あまり増の648億円を記録し、米国向け輸出が中心だったが、トランプ関税 による米国市場の不確実性が高まる中、中国市場は新たな輸出先として魅力的な選択肢となる。 中国側は、日本との協定を通じて経済的な結びつきを強化し、日本企業に米国市場以外の選択肢 を提供することで、日米関係の間に楔を打ち込みたい狙いがある。 中国の動きは、日本にとって経済的な機会であると同時に、外交上の難しい判断を迫るものだ 。米国との同盟関係を維持しつつ、中国との経済協力を進めることは、綱渡りのような外交手腕 が求められる。仮に、中国との経済関係を再び強化していったとしても、台湾や尖閣の問題で中 国との政治的緊張が高まれば、そういった経済・貿易分野はすぐに経済的威圧の対象となる。日 本としては、中国が常に何を考えて日本に接近しているか、戦略的に考える必要がある。
2025.07.15
2025.07.12









