政治•経済

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年金を減額せず増額する方が日本経済の復活に能う 音喜多氏年金問題 その②
年金を減額せず増額する方が日本経済の復活に能う 音喜多氏年金問題 その②

 現行の年金制度は大盤振る舞いをしているという音喜多氏の批判だがこちらも疑問符である。2004年以降、年金改革と称しマクロ経済スライドを導入したのだが、年0.9%程度の減額が20年間で3回実施されただけに留まっている。20年間で2.7%の年金支給額が削減されているが当初の予定通り毎年削減されていたら18%が削減されることになっていた。一方、現役世代から徴収する保険料率は一定であっても賃金が2%以上のペースで上昇していれば20年間で4割以上の増加が見込まれた。ところが政府の経済対策の失政と財務省主導の緊縮財政措置の継続によって賃金の上昇もままならない状況が続いた。焦った政府は社会保険料率を2014年の14%から現在の28%まで引き上げた。経済成長をすることなく消費税や社会保障費負担を引き上げ続けた結果、日本国の貧困化が進んだ。  消費税は社会保障の為の財源とは言い切れない。消費税は一般会計であるからその特定はできないししない。社会保障の財源は正確には保険料徴収と国債発行による調達によってである。政府与党は消費税減税が社会保障制度の毀損に繋がると国民を脅すが実は違う。消費税減税が紹介保障削減と引き換えだとする政治家の貨幣観には聊か不安を感じる。社会保障費の財源は消費税ではない。ちなみに高齢者の負担を大きくしたら若年層の負担が減るかというとそのようなことは絶対にない。政府は取りやすい方、取れる方から取れるだけ取ってきただけであり、高齢者と若年層のどちらの負担も軽減する意向は微塵も窺えない。  年金制度を危惧するのであれば年金を減らしたり保険料を引き上げることを考えるのではなく国債発行によって年金支給額を逆に増やせばよい。政府の支出は誰かの所得になる。需要はGDPそのものであるし生産に繋がる、生産というGDPが所得というGDPを押し上げる。年金を増額しても高齢者が使わない場合には課税すればよい。景気の調整は税の役割でもある。一方、高齢者が必要とするものを購入するように税の優遇などで消費を誘導するのも税の役割。昨年の衆院選では現役世代の手取りを増やす政策を掲げた国民民主党が大躍進した。その陰で年金受給者を中心とした高齢者の支持を国民民主党は得られていない。現役世代に偏ると国民を分断しかねない。毎年増え続ける年金受給者の所得を厚くすることは日本経済を再び高成長に繋げる可能性を秘めている。少子高齢化社会を牽引するのは高齢者によるGDPの底上げにあるのではないか。(紅 良作)

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2025.07.27

日本維新の会の音喜多俊氏の誤認による政府批判が炎上 音喜多氏年金問題 その①
日本維新の会の音喜多俊氏の誤認による政府批判が炎上 音喜多氏年金問題 その①

 選挙運動で嘘をばら撒く政治家を批判する政治家の嘘が発覚し話題になっている。再議員議員選挙の選挙運動として赤羽駅前で日本維新の会の公認で東京選挙区に立候補している音喜多駿候補の演説が真っ赤な嘘だと批判されている。 音喜多氏が7月3日に行った演説の内容は 「年金制度は平均寿命はもう84歳、健康寿命も74歳まで伸びたこの国で65歳からほとんど全ての人が老後の生活支援金として受け取れる。こういう制度になってしまっています。万が一の長生きに備えるという保険の趣旨からはもう逸脱をしている。実際、先進国では65歳から年金をもらえる国はほとんどありません。イタリアはもう71歳です。でも日本だけが年金のこの改革をずっとサボってきた。選挙で負けるのが怖いから、100年安心だと、かつての政治家が大うそをついて約束をしてしまったから。皆さんに我慢をお願いできずにずっと大盤振る舞いを続けています」というもの。 調べるまでもなく嘘だとなんとなくわかる。年金が100年安心だと主張したのは2004年当時の公明党の坂口力厚生労働大臣である。社会保障制度に関して音喜多氏は与党に対して批判的な内容の演説をしようとして社会保障性の「100年安心」を大嘘だと断じた。しかし、大嘘を言っているのは音喜多氏であることが発覚。先進国で65歳から年金をもらえる国は日本だけではない。少なくともイタリアは71歳からではなく67歳からである。アメリカは66歳、イギリスは男性65歳女性64歳、ドイツは65歳7か月、カナダは65歳、フランスは62歳である。音喜多氏は自身が嘘をつくことで政府与党の嘘を批判するという高等技術を披露した。その結果、音喜多氏の嘘を批判するポストが拡散され100万回以上閲覧されている。(紅 良作)  

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2025.07.25

確実なM&Aで異次元の成長を遂げるSHIFT
確実なM&Aで異次元の成長を遂げるSHIFT

 上場時の2014年「わくわくするSHIFTになるため、売上高を1000億円にする」。ソフトウェアのテスト事業を展開するSHIFTの丹下大社長はこのような目標を定めた。当時の売上高は約20億円だった。 それから約10年で、品質保証のためのテストがメインだった事業領域は、ソフトウェア開発やコンサルまで広がり、25年8月期に1300億円を見込む売上高を30年頃には2倍強の3000億円まで伸ばす目標を掲げるまでに成長した。14年に30億円だった時価総額は、今140倍の4200億円まで膨らんだ。 同社の急成長を支える大きな柱がM&Aだ。今ではグループ全体の売上高のうち約4割を買収した企業が稼いでいる。 19年頃から事業継承に課題を持つSIerや大型プライムベンダー、プラットフォーム事業の会社を対象とするМ&Aに力を入れてきた同社は、「ソーシング(買収先探索)」や「エグゼキューション(契約手続き)」を担う要員約20人を抱えるM&Aの専任部署を立ち上げ、22年には、M&A専用の子会社「SHIFTグロース・キャピタル」を設立し、本体が大型案件を、グロース・キャピタルやグループ会社が中小規模の案件を担い、スピード感と柔軟性を持って投資判断を下している。 「上場から21年4月末時点までにSHIFTTが実施したМ&Aは15件ですが、うち4件は19年上半期(1月~6月)の実施で、これは同期間において東証上場の企業が実施したМ&Aの件数としては最多となっています」(ソフトウェア業界専門紙記者)  ソフトを扱う硬派な企業、それがSHIFTだ。  

業界トップの島村楽器に公正取引委員会が勧告
業界トップの島村楽器に公正取引委員会が勧告

フリーランスを悪用した島村楽器のビジネスモデルが明らかに   6月30日、島村楽器(東京都江戸川区)が公正取引委員会に摘発され勧告を受けた。フ リーランスの音楽講師に対して優越的地位を濫用し、顧客に対する訴求としての無償レッ スンを開催する際にフリーランスの講師にも無償でレッスンに当たらせていた。そもそも 島村楽器はフリーランスの講師に取引条件の明示義務を怠っており、報酬の額、報酬の内 容、支払い時期などは書面でもメールでも知らされていなかった。それでも約100名のフ リーランスが応じて労務に就いていたのだからいかにフリーランスの立場が弱いものかと 窺い知れよう。  公正取引委員会の公表により島村楽器のフリーランス法に違反する行為が明らかになっ たのだが、明らかになったのは違法行為だけではない。島村楽器のビジネスモデルの一端 も明らかになった。楽器の無料レッスンを広く告知して、その応募者に対するレッスンは フリーランスの音楽講師に無料で請け負わせる。この時点で島村楽器は告知費用以外のリ スクはない。応募者へのサービスはフリーランスの音楽講師に全て負わせている。フリー ランスの音楽講師も無料レッスンの応募者が正式にレッスンを申し込めば仕事と報酬を得 ることができるので一見合理的なように思えるが実は違う。島村楽器はフリーランスに無 料レッスンを提供させることでノーリスクの販売促進を行っている。そして、無償レッス ンの受講者が正式レッスンを申し込むとフリーランスの講師に支払うレッスン単価との差 額を得る。このスキーム上、島村楽器はノーリスクだがフリーランスの講師は正式レッス ンの申し込みがなかった場合は島村楽器へ労務を無償で提供しただけとなる。要するに発 注者である島村楽器は「仕事が欲しければ自分で努力して得ろ」という立ち位置にあり、 フリーランスの音楽講師を実務的にも精神的にも優越した関係を利用することで成立する ビジネスモデルを構築していたことになる。また、島村楽器は労働に対する報酬の支払時 期が60日を超える条件に設定していた。このことも違法行為として勧告されている。  昨年11月から新フリーランス法が施行されている。コロナ化を経て在宅ワークなどが普 及し働き方の多様が進んだ。無論、フリーランスの事業者も増加している。企業と比較し てフリーランスやフリーランスの事業者は弱い立場に立たされることが多いことから新フ リーランス法が整備された。取引条件を明示する義務、60日以内の支払期日、買いたたき ・返品の禁止、報酬減額の禁止、購入・利用の強要の禁止、不当な労務の提供の強要の禁 止、変更や受領後のやり直しの禁止、虚偽の募集の禁止、育児や介護等への配慮義務など が規定されている。違反して勧告を受け従わない場合は罰金が科される。企業にとって罰 金を支払うことよりも違法行為を公表されることによる悪評が広がることの方がダメージ が大きい。社会的に認知されている企業ならば新聞やテレビ、ネットで報道されることも 考えられる。世の中、仕事を得るために無償で行う仕事がいかに多いか、取引を継続する 為に如何に理不尽な要求を受け入れてきたか、発注者は身に覚えがあろう。「ついでにこ れやっといて」「やっぱりいらなくなった」などというセリフに怯える日々からフリーラ ンスが解放されると良いのだが。(世良 直)

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