社会•事件 危険運転を厳罰化へ 飲酒や速度で数値基準導入に向け議論 法制審
危険運転を厳罰化へ 飲酒や速度で数値基準導入に向け議論 法制審
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2025/02/03

 車社会の日本において、飲酒運転や猛スピード事故を起こした運転者は断じて許されない。法務省は、2月10日に開かれる法務大臣の諮問機関・法制審議会に対し、危険運転致死傷罪の規定に速度や運転者のアルコールの濃度について数値基準を盛り込むよう、自動車運転死傷行為処罰法の改正について諮問する方針を固めたこれまで曖昧な一面もあった危険運転致死傷罪の構成要件を見直し、悪質ドライバーの適正な処罰につなげることが期待されている。

▼遺族らが改正望む

危険運転致死傷罪は現行法上、「制御が困難な高速度」「アルコールの影響で正常な運転が難しい状態」で運転し、死傷事故を起こした場合に適用される。ただ、要件が曖昧なため、法定速度を大幅に超過したり、大量に飲酒したりして事故を起こしても、罪の軽い「過失運転致死傷罪」にとどまるケースが後を絶たず、遺族らから批判改正を望む声が相次いでいた。

 法務省は大学教授らで作る有識者検討会を発足させ、昨年から数値基準の導入などに向けた議論を本格化させていた検討会の中ではこれまで、速度の数値基準について「最高速度の2倍や1・5倍」、飲酒運転のアルコール濃度については、呼気1リットル中のアルコールが酒気帯び運転の基準と同じ「0・15ミリグラム以上」などの意見が出ていた。昨年11月に検討会報告書をまとめたことから、法務省は改正に向けて法制審への諮問を決めた。

遺族に寄り添い、早期の法改正を

 法制審に諮問される内容は、①法定速度以上で運転②飲酒し、アルコール濃度が法令の基準を超えた状態で走行③タイヤを横滑りさせるなどの「ドリフト走行」――を危険運転致死傷の新たな適用対象にすること。今後、法制審の議論で、具体的な数値や要件の設定が決められる見通しだ。

 バーベキューで大量に飲酒した後に死傷事故を起こしながら、危険運転致死傷罪が認められないなど、遺族が同罪の適用を求めて署名運動に乗り出すケースも少なくない。   

守られるべきは、故意に危険運転をした悪質ドライバーではなく、被害者遺族であるはずだ。法制審では遺族らに寄り添った良識ある議論が進められ、早期の法改正が望まれる。

 

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