社会•事件 北九州市・小倉のマックで中学生殺傷事件 官民一体で飲食店も防犯強化を
北九州市・小倉のマックで中学生殺傷事件 官民一体で飲食店も防犯強化を
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2024/12/16

 家族連れや子どもからお年寄りまで訪れる飲食店で、まさか殺人事件が起きるとは誰も想定していなかったかもしれない。北九州市小倉南区のマクドナルドで12月14日夜、何者かに中学3年生の男女2人が刺され、女子生徒が死亡した。塾帰りで最後尾に並んでいたところを襲われた2人。公開されている犯人像の情報は「身長1メートル70センチくらいの40歳代くらいの男」で、生徒2人との接点は見つかっておらず、無差別殺傷事件の可能性が高い。亡くなった女子生徒や遺族、学校関係者の無念や衝撃は計り知れない。福岡県警による早期の犯人検挙はもちろんだが、「まさか」の事態に備え、ファストフード店やファミレスなど飲食店での防犯対策の強化が迫られている。

▼無差別狙いか
 多くの客が訪れる平穏なはずの飲食店チェーンでの凶行に世の中に衝撃が走った。福岡県警の発表などによると、男はわずか30秒程度の間に2人を刺して逃亡。県警は小倉南警察署に91人態勢の捜査本部を設置し、男の行方を追っているが、16日17時現在では、男も犯行に使われた刃物も見つかっていない。
犯人が生徒2人のみに狙いを絞っていた可能性は否定できないが、命に別条はないとみられる男子生徒は救急搬送時、刺した男について「知らない人」と説明したといい、県警は店に侵入した男が最後尾にいた2人を無差別に刺した疑いが強いとみている。
無差別殺傷事件というと、2008年6月に秋葉原の歩行者天国で17人が殺傷された通り魔殺人事件など、多くの人が行き交う繁華街や駅などでの「通り魔」という印象が強いだろう。歩行者天国での事件も想定外の惨劇だったが、食事や軽い飲食目的で誰もが出入りしやすいファストフード店での殺傷事件は、まさに「死角」だったともいえる。
大型ショッピングモールなどの場合、フードコートも含めて警備員が巡回にあたるのが一般的だ。ただ、普通の飲食店チェーンでの強行犯への対策となると、防犯カメラやレジ付近の緊急ボタンなど最低点の防犯設備はあるものの、アルバイトの従業員らの意識も含めて十分とは言い難いのが実情だ。もっとも、飲食店チェーンは客の出入りが激しく、全ての客を疑ってかかるのは不可能だろうし、出入り口に常に警備員を置くといった対策は人件費などとの兼ね合いからも現実的ではない。

▼警官による定期巡回
 今回の事件では、被害者も店員も含めて誰にも落ち度はなく、店側が防犯対策について責任を追及されるような話でもない。SNS上には事件に関する臆測も飛び交っているが、無根拠の情報を発信することは許されないし、飲食店チェーンにおける現状の防犯対策の不十分さをことさら批判するのはもちろん筋違いだろう。
ただ、生徒2人は客として並んでいたところを襲撃されており、被害者も店員らも完全に「無防備」の状態だったのも事実だ。ファストフード店やファミレスももちろん、人気飲食店など、大勢の客が集まる店は、「まさか」への警戒をどうすればいいのか。警官による定期的な巡回なども含め、官民一体となった対策強化が求められる。

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