政治•経済 社会•事件 高齢者の労災事故が急増 国が法改正で対策強化へ 企業対策必至
高齢者の労災事故が急増 国が法改正で対策強化へ 企業対策必至
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2024/12/12

 高齢者の労災では、転倒などの事故のほかに、過重労働で倒れる人も後を絶たない。令和5年度に脳や心臓の疾患で労災認定を受けた60歳以上は54人で全体の四分の一を占めた。厚労省も手をこまねいているわけではない。令和2年には、高齢者の労災を防ぐため、企業に必要項目などを記した指針を策定。働き手の健康状態の把握やスロープ設置、職場の段差解消、熱中症対策用の休憩場の設置などの対策を呼びかけている。さらに、こうした具体的な対策を講じた企業に補助金を出す「エイジフレンドリー補助金制度」も始めた。

▼企業の対策は低迷

 ただ、企業による取り組みは広がっておらず、厚労省の令和5年の調査では、約7800ある企業のうち具体的な対策に乗り出していたのは2割にとどまった。
 労働者不足で高齢者の働き手に対する需要が高まる中で、厚労省は高齢者の労災対策のさらなる強化が必要と判断。対策に二の足を踏む企業の尻を叩くべく、労働安全衛生法を改正し、現在は指針で示している具体策を努力義務とするよう法制化する方針を固めたのだ。来年の通常国会に同法改正案を提出し、早期の改正を目指す。
 罰則のない努力義務に過ぎないとはいえ、法制化される意義は小さくない。高齢者の労災対策を怠っている企業の従業員が労災に遭った場合、従業員側は不法行為を理由に損害賠償を求めやすくなるためだ。従業員と労災を巡って損害賠償に発展すれば、企業のイメージダウンは避けられず、企業側は必然的に対策強化に迫られる。

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