政治•経済 日本人が認識すべき中国の台湾認識
日本人が認識すべき中国の台湾認識
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2025/09/30

近年、日中台の関係は地政学的な緊張を帯び、台湾をめぐる議論が活発である。日本人として、台湾に親近感を抱く一方で、中国の視点を理解する機会は少ない。ここでは中国にとって台湾が「国内問題」であるという認識を中心に、その背景と国際法的な側面を解説する。

中国の公式立場:台湾は「不可分の領土」である

中国政府は、台湾を自国領土の不可分の一部と位置づける。これは「一つの中国」原則に基づき、1949年の内戦以降、台湾を統治する中華民国政府を「反乱勢力」とみなす立場である。統一は国家の核心的利益とされ、台湾は香港やマカオと同様の「特別行政区」として再統合すべき存在である。独立志向の動きは国内の分裂行為とみなされ、台湾海峡での軍事演習は「内政防衛のための訓練」と位置づけられる。外部からの批判は「内政干渉」と一蹴される。

台湾有事の国際法的位置づけ:中国視点では「違反なし」である

台湾有事(中国による台湾への軍事行動)の国際法的な解釈も重要である。中国の立場では、台湾は自国領土内にあるため、軍事行動は「内乱鎮圧」や「領土回復」にあたり、侵略や戦争には該当しない。国際法の武力不行使原則は他国への侵略を禁じるが、台湾を「他国」とみなさない中国にとって、この規定は適用されない。中国は「台湾統一は平和優先だが、武力排除せず」との立場を維持する。一方、国際社会の多くは台湾を実質的な独立国家とみなし、軍事侵攻を国際法違反とみなす。しかし、中国の「内政論」を無視すると、地政学的リスクの評価が偏る恐れがある。

日本人の認識ギャップ:台湾を「別の国」として見る傾向である

日本人の多くは、無意識に台湾と中国を別の国と認識する。台湾の民主主義や文化的な親和性が背景にあり、観光や食文化を通じた交流も盛んである。例えば、台湾の夜市や日本語世代との交流は、日本人に「身近な隣国」という印象を与える。さらに、台湾の半導体産業(TSMCなど)への依存も、経済的結びつきを強化している。しかし、この認識は中国の公式立場と大きく異なり、日中関係の摩擦を助長する要因である。日本政府は台湾を「重要なパートナー」としつつ、中国の「一つの中国」原則を尊重する二重のスタンスを取る。このギャップを埋めない限り、日本は米中間の板挟みに陥りやすく、台湾有事では「中国の内政干渉」と非難されるリスクがある。特に、若年層を中心に台湾への好感度が高い日本では、世論と中国の立場との乖離が顕著であり、外交戦略の複雑さを増している。認識のずれを理解し、バランスの取れた視点を持つことが、台湾問題での日本の立ち位置を明確にする鍵となる。

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