政治•経済 社会•事件 レアアースの脱中国依存 日本がやるべき対応策とは?
レアアースの脱中国依存 日本がやるべき対応策とは?
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2025/09/16

レアアースは、スマートフォンや電気自動車(EV)、風力発電機などのハイテク製品に欠かせない希少金属群だ。日本は世界最大級の消費国だが、生産の大部分を中国に依存しており、供給不安定さが課題となっている。中国の生産シェアは約60%を超え、過去に輸出規制が実施された際、日本企業は価格高騰や部品不足に苦しんだ。地政学的緊張が高まる中、脱中国依存は経済安全保障の観点から急務だ。日本政府と企業は、2010年の規制以降、さまざまな対策を講じてきたが、さらに強化が必要である。
まず、供給源の多角化が重要だ。中国一極集中を避けるため、オーストラリアや米国、ベトナム、カナダなどの鉱山開発に投資を拡大すべき。日本はすでにオーストラリアのライナス社と提携し、精製プラントを国内に建設しているが、こうした海外プロジェクトを増やし、安定した輸入ルートを確保する。政府は補助金や融資を活用して、民間企業の海外進出を後押しできる。また、アフリカや南米の新興産地を探り、資源外交を活発化させることで、リスク分散を図る。
次に、リサイクル技術の推進だ。日本は「都市鉱山」と呼ばれる使用済み電子機器からレアアースを回収するシステムで世界をリードしている。家電や自動車の廃棄物を効率的に処理し、再利用率を高めることが鍵となる。政府は法整備を進め、企業にリサイクル義務を課すとともに、研究開発予算を増額すべき。例えば、磁石や電池からの抽出技術を向上させ、国内循環経済を構築すれば、輸入依存を20-30%低減できる可能性がある。
さらに、代替素材や使用削減技術の開発を加速させる。レアアースを多く使うネオジム磁石の代替として、鉄やコバルトを基調とした新素材を追求する。日本メーカーでは、EVモーターのレアアース使用量を半減させる技術が実用化されつつある。政府は産学官連携のプロジェクトを拡大し、特許取得を支援。量子コンピュータやナノテクノロジーを活用した革新的素材の研究に投資すれば、長期的に中国依存から脱却できる。
国際協力の強化も欠かせない。日本は米国、EU、オーストラリアと連携し、サプライチェーンを共同構築すべき。Quad(日米豪印)やCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの枠組みで、資源共有や技術交流を進める。米国は国内生産を再興しており、日本は精製技術を提供する形でwin-winの関係を築ける。また、WTO(世界貿易機関)ルールを活用し、中国の不当規制に対抗する外交努力を継続する。
加えて、戦略的備蓄の拡充だ。日本はすでに数ヶ月分のレアアースを備蓄しているが、目標を1年以上に引き上げ、価格変動時のバッファーとする。民間企業も在庫管理を義務化し、供給中断に備える。
これらの対策を総合的に実施すれば、日本はレアアースの安定供給を実現し、産業競争力を維持できる。脱中国依存は一朝一夕にはいかないが、技術力と外交力を武器に、持続可能な資源戦略を築くことが、日本経済の未来を左右する。政府の主導のもと、企業と連携した実行が求められる。

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