政治•経済 鳩山由紀夫元首相の対中認識と抗日戦争勝利80年式典参加を巡る背景
鳩山由紀夫元首相の対中認識と抗日戦争勝利80年式典参加を巡る背景
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2025/09/13

2025年9月3日、鳩山由紀夫元首相が中国・北京で開催された「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」に出席し、その対中認識が注目を集めた。この式典は、日中戦争および第二次世界大戦の勝利を記念し、天安門広場で軍事パレードを伴う大規模な行事として行われた。鳩山氏は習近平国家主席から直接出迎えを受け、26カ国の首脳級とともに参加したが、日本政府は代表を派遣せず、欧米主要国の首脳も欠席する中での行動は国内外で議論を呼んだ。
鳩山氏は式典出席の理由について、「日本がかつて侵略したことは事実だ。中国が勝利したという歴史を認め、日中関係をどう良くするかを考える必要がある」と述べた。歴史を直視し、相互の信頼関係を築くことがアジアの平和に寄与すると強調した。また、習近平主席が演説で「日本の軍国主義者と一般の日本人を区別する」と述べた点に共感を示し、歴史から学ぶ重要性を改めて感じたと語っている。この発言は、鳩山氏が一貫して主張する「東アジア共同体」構想や、対話を通じた日中友好の推進に基づくものと考えられる。
鳩山氏は首相在任中(2009-2010年)からアジア外交を重視し、特に中国との関係強化を志向していた。2013年以降は政治家を引退し、東アジア共同体研究所理事長やアジアインフラ投資銀行の国際諮問委員として活動。対中接近の姿勢は、過去の日本の侵略を認め、謝罪と対話を通じて未来志向の関係構築を目指す考えに根ざしている。しかし、この姿勢は「中国のプロパガンダに利用される」との批判も招いた。国民民主党の玉木雄一郎代表は、「日本国の元首相が参加することは遺憾」と述べ、鳩山氏の長男で同党の鳩山紀一郎議員も「日本の元首相の出席は必要ない」と反対を表明した。
式典は中国が「戦勝国」としての立場を誇示する場であり、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩総書記も出席。鳩山氏の参加は、中国側が元首脳を招くことで国際的な正当性をアピールする意図に沿ったと見る向きもある。一方で、鳩山氏は自身のSNSで、「信頼関係がアジアの平和につながる」と主張し、歴史認識を共有することで日中間の緊張緩和を目指す姿勢を崩さなかった。
鳩山氏の対中認識は、歴史の直視と対話による平和構築を重視する一方、国益や日本の国際的立場を巡る議論を巻き起こしている。この行動は、日中関係の複雑さと、歴史問題が現代の外交に与える影響を浮き彫りにした

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