2025/09/03
牛丼の「すき家」が8月28日に牛丼の値下げを発表したショックは大きかった。牛丼の「並盛」を、480円から30円値下して450円に。すると「牛丼御三家」である当のゼンショーHD、吉野家HD、松屋フーズHDの株価がいずれも下がったからだ。
「同社の牛丼の値下は、実に2014年以来の11年ぶり。牛丼業界では価格競争が2000年に激化し、当時400円だった値段が280~90円まで下がり、米国産牛肉のBSE問題(牛海綿状脳症)で安い牛肉が入らなくなった04年まで続きました。まさにデフレ経済を象徴する出来事で、いたずらな低価格競争は企業財務を悪化させて互いに疲弊するだけだからで、財務の悪化に投資家が懸念を示したからです」(経済部記者)
もちろん何でも物価高の中、消費者にとって値下は嬉しい。だが今回の値下げは、すき家では今年の
1月と3月に、それぞれネズミとゴキブリの異物混入が発覚した後だけに、窮余の策。少し前の8月8日に公表されたゼンショーHDの四半期決算(4~6月)では、グループ全体では前期比8.9%の売上増だったが、営業利益は8.7%減。すき家1人が全体の足を引っ張ったかっこうだった。
価格で浮いた吉野家
ところがその後の株価を見ると、今度は1人吉野家HDだけが割を食っている。値下発表まで約9600円だった株価は、さすがに値下報道を受けて9000円近くまで下がったが、翌週9月1日には9300円台まで戻している。また松屋フーズHDは1230円台だった株価が一時1200円まで下がったが、その後はむしろ〝他人事〟のように元に戻した一方、吉野家HDだけが約3400円が約3200円まで下がって戻していない。
「すき家が値下したことで松屋の460円と価格ではほぼ横並びになり、吉野家だけ498円で割高に浮き上がったことになります。吉野家が7月8日に発表した四半期決算(3~5月)では、牛丼(吉野家)の営業利益の前期比9%減を、グループ内のラーメンが補ったかっこうだったので、またも苦戦が予想されようです」(同前)
悩ましい局面に立たされた吉野家の今後の経営判断はいかに。
TIMES
社会•事件


