政治•経済 中朝関係
中朝関係
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2025/09/02

2025年9月3日、中国は抗日戦争勝利80周年を記念して北京で大規模な軍事パレードを開催した。北朝鮮の金正恩総書記が6年半ぶりに訪中し、この式典に出席した。習近平国家主席やロシアのプーチン大統領ら26人の首脳も参加予定で、金正恩氏の動向が注目された。しかし、中朝関係はかつての「血盟」と称された蜜月関係から大きく変化し、緊張と距離感が目立つ。

 第一に、歴史的な背景が関係を複雑にしている。中国と北朝鮮は朝鮮戦争で共闘し、1961年に中朝友好協力相互援助条約を締結した。しかし、冷戦終結後、中国の改革開放が進む一方、北朝鮮は孤立主義と核開発を推し進め、両国の国益が乖離。中国は国際社会での地位向上を目指し、北朝鮮の核実験やミサイル発射に批判的な姿勢を示してきた。特に2013年の北朝鮮の3回目の核実験後、中国共産党機関紙が「北朝鮮切り捨て論」を掲載し、関係悪化が顕著になった。金正恩氏が親中派の張成沢を2013年に処刑したことも、中国指導部の不信を招いた。

 第二に、北朝鮮のロシア接近が中朝関係に影を落としている。近年、北朝鮮はウクライナ侵攻を続けるロシアに兵士や武器を供給し、軍事協力を強化。2025年の中国の軍事パレードにプーチン大統領も出席するが、北朝鮮のロシアとの関係深化は、中国にとって地政学的な懸念材料だ。中国は北東アジアでの影響力を維持したいが、北朝鮮のロシア傾斜は中国の戦略を複雑にする。

 第三に、中国国内の対北朝鮮感情の変化も影響している。2010年代以降、中国のネット上では金正恩氏を揶揄する声が増え、かつての同志意識は薄れている。2023年4月の趙楽際氏の訪朝以降、高官交流が途絶えていたことも、関係の冷却を示す。金正恩氏の今回の訪中は、中国側が式典の威信を高めるために招待した側面が強く、両国の思惑が一致した結果だ。中国は北朝鮮との関係改善を図るが、核問題やロシアとの関係が解消されない限り、蜜月関係の復活は難しい。
金正恩氏の訪中は、中朝関係の修復と北朝鮮の外交戦略の再調整を象徴する。しかし、核開発やロシアとの連携、歴史的な不信感から、両国の関係は依然として不安定だ。パレードは一時的な友好の演出にすぎず、根本的な課題解決には程遠い。

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