2025/07/29
マーケティング企業の刀(かたな)はいま、最も注目される企業のひとつだ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復を果たした森岡毅氏が創業した刀は、7月25日、沖縄の新テーマパーク「JUNGLIA=ジャングリア」を華々しく開園させた。
一方、手掛けた案件に失敗やトラブルも目立つ。たとえば、西武ホールディングスが約100億円を投じてリニューアルした西武園ゆうえんちでは、刀がコンサルを担当し、集客は回復したというものの入園者数はリニューアル前とほぼ変わっていない。
同園は、2023年3月期と24年3月期の2期間合計で、73億円の減損処理を実施。遊園地学の専門家の中には、「刀が手掛けたテーマパーク案件で、成功と呼べる事例は正直ない」と厳しい見方をする向きもある。
ジャングリアの運営会社ジャパンエンターテイメントの株主には、オリオンビールやリウボウホールディングスなど、地元の有力企業が名を連ねている。
オリオンビールは、損益がトントンだった嵐山ゴルフ場の跡地をジャングリアに貸し出すことで年1.2億円の賃料収入を得るほか、酒類の独占販売など実業面でのメリットを見込んでいる。またゴルフ場を居抜きで利用したため環境を破壊をすることなく転換が進んだ。
巨額資金の調達では地元の地銀が力になった。22年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が起きると、当初は融資を検討していた3メガバンクが一斉に離脱。ここで意地を見せたのが、琉球銀行だった。協調融資(シンジケートローン)組成に向けて、政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)と共に大役となるアレンジャー(主幹事)を買って出た。
沖縄から遠く離れた千葉銀行や福井銀行、山陰合同銀行までもが地方創生の意義に強く賛同した結果、全国13の金融機関から集めた融資額は366億円に上った。通例、メガバンクが担う主幹事役を琉球銀が務めあげた。
こうした光の裏には影もある。ジャングリアは国(クールジャパン機構)から80億円の出資を受けているが、森岡氏のファミリー企業「森岡マーケティング研究所」と刀との間に毎年1億円規模の資金が流れており、問題視された。
「森岡マーケティングメソッド」というIP(知的財産)のようなものへの使用料名目だが、クールジャパン機構の投資委員会がこれに疑問を持ち、最終的に刀は契約を解除したが、解約金としてファミリー企業に対し7億円規模の資金が追加で支払われている。
ジャングリアが沖縄経済、特に北部地域経済の起爆剤になるのか、お手並み拝見である。
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