歴史は繰り返す、司直は冤罪を繰り返す パートⅡ 名張毒ぶどう酒事件
社会•事件
2024/11/05
名張毒ぶどう酒事件
今から60年以上も間に起きた名張毒ぶどう酒事件の犯人は、奥西勝という電鉄会社社員ということになっている。奥西は死刑が確定したから疑いの余地はないとされているのも無理からぬところではある。
奥西を犯人とする決め手は、『三角関係の清算』だった。奥西は、その時結婚していたが、愛人をつくり泥沼にはまっていた。警察はその点に目を付け、奥西が妻と愛人との三角関係を一気に清算してしまうために、村の集会で毒を入れたぶどう酒を振る舞ったと事件を見立てた。実際、妻も愛人もぶどう酒を飲んで死んでいる。奥西は当初こそ警察の峻烈な取り調べに嘘の自白をしたものの死刑が確定しても無実を訴え、再審請求を何度も試みている。
毒をぶどう酒に混入したのは、奥西ではなかった。実は奥西にきわめて近しい人物だった。この事実はこの村の人間ならば皆知っている。村の有力者が死んだ奥西の愛人と深い関係だったという人聞きの悪い事実もあった。こういうことについて村人は堅く堅く口を拭っているのだ。飜って奥西に犯人でいてもらえば村は波風が立たずすこぶる安泰なのである。村ぐるみで警察の見立てを裏付けた。これが事件の真相である。
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