社会•事件 「労働者」の判断基準見直しへ 労基法改正へ研究会発足
「労働者」の判断基準見直しへ 労基法改正へ研究会発足
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2025/05/13

 40年にわたり続いてきた「労働者」の判断基準が改正される見通しとなった。厚生労働省はこのほど、労働基準法が定める「労働者」の判断基準を見直すため、大学教授ら9人で構成される有識者研究会を発足させた。労働者は労働時間の上限規制や最低賃金の保障の適用対象となり、労働関係法令に基づく様々な法的保護を受けられる。ウーバーの配達員といった、スマホのアプリを介して仕事を請け負うギグワーカーらの広がりなど、働き方の多様化を受け、労働者として保護すべき対象を広げるの狙いとなる。

◆40年前の判断基準がベース

労基法は労働者について、条文で「使用されるもので、賃金を支払われる者」と定めているが、実際に労働者に当たるかどうかは、1985年に厚労省の研究会がまとめた報告書で示された判断基準がベースになってきた。

このため、労使の間で労働者性が争われた時などは、この基準で具体的に示されている▽仕事の発注依頼に対し、本人に拒む自由があるかどうか業務の内容や遂行の方法について細かい命令を受けているかどうか③勤務場所や勤務時間拘束されているかどうか――といった要素を踏まえて判断されてきた。

一般的には、会社に雇用される会社員は当然だが、それ以外でも、労働の実態から「労働者」とみなされ、保護対象として最低賃金などの保障を受けられている働き手は少なくない。

だが、近年は個人で仕事を請け負うフリーランスや、自宅や会社以外のスポットなど場所にこだわらずに働くテレワークなど、働き方の多様化が急速に進み、現行の基準で判断するのが難しいケースが出てきている。訴訟沙汰に発展し、働き手に負担が強いられるケースもあり、厚生労働省は基準の見直しに向けた検討を開始。5月2日に有識者研究会を設立した。

◆ギグワーカーら保護へ

研究会では、判断基準の見直しに加え、ギグワーカーらを具体的にどういった枠組みで保護するのが適切かなども議論し、見解を示す方針だ。研究会の見解を踏まえ、厚労省が新たな判断基準を明文化することなどを検討するとみられる。

研究会による検討においては、判断基準見直すこと自体はすでに既定路線として決まっていることから、どれだけ実効性のある見解が提示されるかが注目される。現行下で保護対象から漏れている働き手を守るため、スピード感を持った議論に期待がかかる

 

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