社会•事件 若年層をお得感で“釣る”ゴールドカード発行元の狙い
若年層をお得感で“釣る”ゴールドカード発行元の狙い
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2025/04/17

これじゃあ本末転倒じゃないの?お金を使うと〝お得〟って一体?ゴールドカードの怪

(写真 カードのイメージ Wikipediaより)

 セレブ感を醸し出す「ゴールドカード」が低年齢化している。楽天の「ブラックカード」も一定の条件を満たせば持てるようになっており、20歳前半で持つのが普通になってきたという。もはや「ゴールド」や「ブラック」の保有はステータスではないということだ。背景に何があるのか。実は4月からクレジットカードによる自筆サインによる決済が原則できなくなった。コロナ禍以来、サインではなく端末に差し込んで暗証番号を入力する方式が定着したとはいえ、少し前の世代にとっては、セレブ感を演出できる場所がなくなるという残念な出来事が起きたのだ。ゴールドカードは、かつてはカード会社から優良顧客として選ばれ、特別なインビテーションを受け取って初めて持つことができた。ところがカード会社は、初めての顧客にも「申し込むなら一般カードではなく、ゴールドカードにしましょう。おトクですから」とのセールストークを展開している。

 NTTドコモが18~29歳の男女を対象に実施した「ゴールドカードに関する若者の意識調査」によると、クレジットカードを契約している男女のうちゴールドカード保有者は16.2%。取得した年齢は平均22歳。全体の8割が24歳以下で持ち始めたというのだから、コツコツ積み上げてゴールドカードを手にした親世代は特急電車に抜かれた心境になる。持つきっかけも「ポイントやマイルがたまりやすいと思ったから」が27.6%、「一般カードにはない特典が魅力的だったから」が20.6%、「申し込むだけで大きな金額のポイントがもらえたから」が16.8%とステータスよりも直接的メリットが評価されている。むろん一般カードと違い年会費が要ることも織り込み済みで、そのコストを考慮しても「おトク」と判断しているようだ。

 携帯系のドコモは2月27日から18~29歳の若者向けに「dカード GOLD U」の提供を始めた(高校生は不可)。携帯を持つ上での様々な特典付きだ。「au PAY ゴールドカード」も発行済みだ。メルカリユーザーにとってメリットが大きい「メルカード」も3月17日からゴールドカードの提供を開始した。このカードは、メルカリの利用実績等をベースに利用限度額や還元率が決まるのが特徴で、メルカリの売上金で返済することもできる。ショッピング保険も付いている。

いわゆるポイント経済圏のカードもゴールドカードをアピールしている。「PayPayカード ゴールド」は、ソフトバンクおよびワイモバイルのスマホ通信料等のポイント還元率が破格の10%になる。また、Yahoo!ショッピングやLOHACOの買い物がいつでも+2%になる「LYPプレミアム」などの特典がある。「楽天ゴールドカード」は、楽天市場でのポイントアップに加え、楽天証券でのクレカ積立の還元率や楽天銀行での預金金利が上がる。ゴールドカードを持てば、他の一般カードより優先的に使いたくなるという心理が働くから自然と自身のメインカードに躍り出る。これが各カード会社の狙いだ。

 本来の“お得”とは「カネを使わないこと」であったはずだが…。

 

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