2025/04/06
平和ボケが長すぎた?統合司令本部の実力や如何に?
(写真 北朝鮮・労働新聞より「新型極超音速中長距離弾道ミサイル」)
3月24日、陸海空の各自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」が発足し、司令部トップの南雲憲一郎統合作戦司令官が「国民の命と平和な暮らしを守るため、平素から有事に至るまで的確に対応する」との決意を述べた。ちなみに南雲司令官の祖父南雲親一郎陸軍少将は、真珠湾攻撃などを指揮した旧海軍の南雲忠一大将とは従兄弟と軍関係資料に記載されている。司令部は240人体制で臨むが、制服組トップの統合幕僚長は平時から首相や防衛相の補佐を行い、統合作戦司令官は、現場の統合作戦指揮に当たるという具合に、それぞれ専念するようになり、役割分担が明確になった。
統合作戦司令部は、サイバー攻撃や領空・領海周辺の侵犯行動の抑止に加え、武力攻撃に至らないグレーゾーンの事態が多様化したことへの対処も行う。さらに大規模災害等での対応も行う。ロイド・オースティン米国防長官(当時)も24年6月3日、シンガポールで記者団に対し、日本が自衛隊を一元的に管理する「統合作戦司令部」を設置するのに合わせて、在日米軍トップの司令官の階級を大将に格上げする案について検討していることを明らかにした。在日米空軍司令官は、第5空軍司令官とともに在日米軍全体の司令官をも兼務しているが、在日米空軍司令官には戦時の作戦指揮権はなく、在日米軍は、インド太平洋軍司令官(ハワイ在)から直接作戦指揮を受けることとなっている。従って、自衛隊の統合作戦司令部のカウンターパートはインド太平洋軍司令部だ。ただ日本とハワイでは時差や距離があり、円滑な意思決定が難しいことが指摘されている。そのため、米国は、在日米軍の機能強化で自衛隊との連携を高め、有事の際の対処力や抑止力を強化する方針だとされる。その1つが航空総隊司令部を横田に移転させ、米第5空軍司令部と併置されることにしたことだ。航空総隊司令部が米第5空軍司令部に併置されたことにより、対処可能時間が短い防空作戦及び弾道ミサイル防衛に関し、必要な情報を日米間においてより迅速に共有することが可能になる。
ところでここ数年、ロシアと中国、そして北朝鮮までもが迎撃が不可能といわれる極超音速滑空弾(HGV)の開発・導入を急いでいる。ロシアは、極超音速滑空弾「アバンガルド」を2019年12月に実戦配備し、中国は同年、極超音速滑空弾「DF-ZF」を搭載した「DF-17」(中距離弾道ミサイル)を実戦配備した。北朝鮮は24年4月2日、 極超音速滑空弾を搭載した「火星16型」中距離弾道ミサイルの初めての発射実験に成功したと発表した。この実験では、分離された弾頭が予定通りの変則軌道で飛行し、1000㌔先の日本海に正確に着弾したとしている。翌25年1月6日には、新型の極超音速弾道ミサイル発射実験を行い、成功したと発表。この発射実験では、弾頭が音速の12倍に達する速度で、予定された軌道に沿って1500㌔飛行し、公海上の目標水域に着弾したとしている。このように我が国に友好的でない近隣の国々が、現有のミサイル防衛システムを突破できるとされるHGVの開発・導入を進めており、安全保障上大きな脅威となっている。「統合作戦司令部」の発足により、自衛隊も軍としての「器」は整えた。戦争論の大家クラウゼヴィッツはその著『戦争論』でこう述べている。「戦争は政治の一部である。戦闘に負けるのは指揮官の問題だが、戦争に負けるのは政治の問題となる」と。
平和ボケ、カネぼけの日本の政治が、大局的な判断ができるかどうかがいま問われている。
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