政治•経済 社会•事件 新興上場企業の7割が退場!?東証の市場厳格化の功罪
新興上場企業の7割が退場!?東証の市場厳格化の功罪
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2025/04/05

 アメリカのトランプ政権が打ち出した「相互関税」で世界は大混乱、日本でも日経平均が3万4000円を割るなどしているが、こちらも今後、日本の株式市場になかなかの激震が走りそうな報道だ。同じ4月2日に、東京証券取引所が「新興企業向けのグロース市場での上場基準の厳格化を検討」しており、上場から5年を経過した企業は、時価総額100億円以上を求める可能性があるというのだ。翌日の日経新聞では「新基準に7割未達」とし、単純化すれば、現在615社あるグロース上場企業の400社以上が上場廃止となるからだ。

 時価総額毎の上場維持基準では、プライムが100億円以上、スタンダードが10億円以上、グロースは5億円以上となっている。だから100億円以上と言い出すのは、プライム相当企業になれということ。「検討」の中身として、こう語られている。

「未来の日本経済の成長を牽引するスタートアップが1社でも多く生まれるためには、グロース市場上場企業が、機関投資家の投資対象となり得る規模(100億円以上)へと早く成長する必要」

 事実このように検討会で語られてはいるのだが、東証は「厳格化」の報道を受け、あくまで検討しているところで、まだ決定をしたわけではないと、火消しのロ¥リリースを行ったが、風が立ったらそうは収まらない。

「実際、以前の新興市場で上場基準が5億円以上だったジャスダック時代を含め、IPO(新規株式公開)を果たした途端に創業者が大量に持ち株を処分する、いわゆる『上場ゴール』は後を絶ちませんでした。またアイデア1つで上場したは良いものの、その後に成長を果たせず、会社のピークがIPOとその前後までという新興企業は多い。東証としては、そういった企業は追い出して、再度、市場環境を改めたいということなのでしょうが」(経済誌記者)

 

抜け穴探しか、自然退場か

 

 だが兜町スズメの受け止め方は、「スタンダードに行けという事」といった声があれば、グロースの企業をスタンダードに移しても成長性に乏しい企業は残ることから、「上場維持基準を語る前に、上場基準を厳格化しろ」といった声なども。

 また東証では、市場改革で上場維持基準を厳格化した際、時価総額のほか株式の流動化や株主数の増加で、未達には経過措置を適用していたが、それが年度末で終了した。そのため昨今は、一時は下火となっていた株主優待が復活。あのトヨタまでが優待を導入したのだが、そのため「QUOカード」や、流行に乗ったビットコインの優待導入など、極めて安易な資本政策も目立った。だがさすがに100億円となれば、付け焼刃は通用しなくなる。

 となるとやはりスタンダードへの鞍替えか、銀行から大金を借りてのMBO(自社株買いによる非上場化)の道を選ばざるを得ないが、それでも上場ゴールで資産を築いたら「はい、それまでよ」と、とりわけて策を講じることなく自然退場を選択する企業が大量に生まれるのかもしれない。

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