2025/03/26
寒い冬が終わって各地で気温が高騰しており、春を飛び越えて今にも夏がやってきそうな勢いだ。職場での熱中症による死傷を防ぐため、厚生労働省はこのほど、企業に労働環境の整備などの対策を罰則付きで義務化する方針を固めた。職場で熱中症による労災が相次いでおり、死傷者が後を絶たない現状を踏まえ、国が厳しい対応を決めた形だ。労働安全衛生法に基づく罰則付きの義務化は6月には始まる見通しで、各地の建設現場などで熱中症対策の強化が期待される。
■死者は年間30人
職場で熱中症にかかり、4日以上の休業を余儀なくされるなどした死傷者は2024年、1195人にも上り、そのうち死者は30人だった。
このため厚労省は、熱中症の症状が出た後に重症化を防ぐ必要性が高いと判断。厚労大臣の諮問機関である労働政策審議会分科会で議論を重ねた結果、労働安全衛生法の省令を改正し、企業に対策を義務づけることを決めた。
対策が義務づけられるのは、気温や湿度などから算出する暑さ指数の「WBGT」が28度以上、あるいは気温31度以上の環境下で連続1時間以上か1日4時間以上の作業をするケースについて。
具体的な義務付け内容は、▽熱中症の恐れがある労働者を早期に発見・報告するための体制整備▽重症化を防ぐための応急処置や医療機関への搬送などの実施手順の事前作成――などとした。対策を怠った場合の罰則は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となる。
厚労省が対策を単なる企業の「努力義務」にせず、罰則付きで義務化しているのは、労働者保護に重点を置いたためだろう。 働き手の人手不足が深刻化している中、現場熱中症で倒れる労働者が出てくると、企業にとっては大きな痛手だ。真夏の屋外の建設現場を中心に、手厚い対策が迫られる。
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