2025/03/25
検察史上最大級の不祥事ともいえる元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)による部下の女性検事への準強制性交事件を巡り、大阪高検の甘い対応に批判が集まっている。大阪高検がこのほど、捜査情報を漏えいするなどした50歳代の女性副検事を、懲戒処分の中で最も軽い「戒告」にしたためだ。女性検事の代理人は「懲戒免職相当の非違行為だ」と憤りを隠せないでいる。
■元検事正の弁護士に情報伝達
大阪高検などによると、女性副検事は事件直前に開かれた飲み会に、被害者となった女性検事とともに参加し、北川被告と杯を交わしていた。副検事は事件の参考人として検察側の聴取を受けた際、聴取内容を口外しないよう要請されていたにもかかわらず、元検事正側の弁護士に聴取された事実などを伝えたという。さらに、被害者を詮索しないよう注意されていたのに、検察組織内の複数人に被害検事の氏名を明かした。
通常、刑事事件を巡って、検察・警察側の人間が加害者側に捜査に関する情報を伝えることなどありえない。捜査機関が刑事事件として調べていることが加害者側に漏れれば、証拠隠滅や逃走などを誘発しかねず、捜査に支障が出るのが明らかなためだ。
被害者の女性検事は、副検事について、名誉毀損や国家公務員法違反などの罪で告訴・告発していたが、大阪高検は戒告処分に合わせて、いずれも不起訴にした。
■不起訴と戒告
刑事上の処分は「不起訴」、人事上の処分は「戒告」と、いずれも最も軽い処分で早々の幕引きを図る検察の姿勢には、検察OBの弁護士からも「北川被告本人の裁判がまだ続いており、裁判でどういった事実が認定されるかも決まっていない段階で副検事の処分を決めるのはさすがに不適切だ」との声が上がっている。女性検事の代理人も「検察庁の対応は国民の信頼を損ねるもので、身内びいきの不適切な処分だ」と批判する。
一方、副検事の代理人は懲戒処分について、「事実関係の誤った評価に基づいて判断されたもので不当。適切な法的手続きを通じて不当性を訴えていく」とコメントしており、大甘処分で済んだにもかかわらず、不満を述べる姿勢には呆れるばかりだ。
北川被告は昨年10月の初公判でいったん起訴事実を認めたが、「同意があったと思っていたので、犯罪の故意がない」と無罪主張に方針を一転させている。大阪地検トップまで上り詰めた敏腕検事が、自ら晩年を汚しているその姿が痛々しいのは言うまでもないだろう。
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