2025/03/25
コロナ・ウイルスはどこから来たの?いまさらながら蒸し返される世界的問題、その真相は?
(写真 ロベルト・コッホ研究所 Wikipediaより)
のど元過ぎれば何とやら…。すっかり鎮静化というより忘れ去られた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:以下コロナウイルス)だが、ベルリンにある欧州最大級の大学病院シャリテのウイルス学研究所長・クリスティアン・ドロステン博士は、WHOが新型コロナ「緊急事態宣言」を発令した2023年5月の1年前には「春には終息する」と断言していた。ドイツはどこよりも早く、正確にコロナウイルスの正体を見抜いていたのだ。コロナウイルスには2つの発生源がある。まず「自然発生説」(a natural zoonotic outbreak)と「武漢ウイルス研究所=WIV流出説」(a research-related incident)だ。このうちドイツの諜報機関、独連邦情報局(BND)が、20年の段階でWIV流出説を裏付ける機密情報、資料を入手していたことがこのほど明らかになった。
BNDが根拠にしたのは、公的なデータの分析に加え、「サーレマー」というコードネームで行われた情報機関の極秘作戦で入手した資料に基づくものだった。資料の中には、中国の研究機関、特にウイルス研究の最先端機関である「武漢ウイルス研究所」からの科学データが含まれていた。また、自然界のウイルスを人為的に改変する「機能獲得(Gain-of-Function)」実験のリスクに関する証拠や研究所の安全基準違反を示す多数の資料も含まれていた。当時のメルケル政権下にあったBNDのブルーノ・カール長官は、首相府に対し、「武漢ウイルス研究所」起源説の信憑性は「80~95%」と報告したが、首相府は非公開の決定を下した。
そしてメルケル政権からショルツ政権への移行後、BNDのカール長官は首相府に再び報告を行ったもののドイツ連邦議会の情報機関監視委員会や世界保健機関(WHO)は、この情報を共有しなかった。24年末、ドイツ政府はBNDの知見を外部専門家に検証させることを決定。ロベルト・コッホ研究所(RKI)のラース・シャーデ所長と前述のドロステン博士を含む専門家チームが現在、BND情報の妥当性を評価している。ただし最終結果はまだ公表されていない。興味深い点は、BNDは昨年秋、詳細な情報を米中央情報局(CIA)にも提供していることだ。ところが、CIAは25年1月に入って、「武漢研究所事故の可能性は低い」との立場を示した。しかし、トランプ米政権がスタートした直後の1月25日になってCIAは、中国の研究室から流出した可能性が高いと豹変した。これまでコロナウイルスの起源を調査した米機関のうち、エネルギー省と米連邦捜査局(FBI)は研究室からの流出が最も可能性が高いと評価したが、国家情報会議と他の4つの情報機関は、自然発生の可能性が高いとしている。
こうしたBNDの報告について、中国外務省の報道局長・毛寧は北京で、「コロナウイルスに関する問題で、中国はいかなる形の政治的操作も断固として拒否する」と強調し、BNDのWIV流出説を一蹴している。
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