2025/03/12
単身高齢世帯の増加や物価高などが、生活困窮者の増加を招いているようだ。
2024年の生活保護の申請件数が、速報値で25万5897件(前年比0・3%増)に上り、5年連続で増加したことが、厚生労働省のまとめでわかった。申請数を年間で集計する現行の統計が始まった2013年以降でみると、過去最多にもなった。新型コロナウイルスが蔓延した2020年に増加に転じて以降、継続して増えており、政府は生活保護費の上乗せなどで対策にあたっているが、対策は十分とは言い難い。
厚生労働省の資料によると、生活保護の申請件数は2013年から6年連続で減っていたが、新型コロナ禍の2020年に増加に転じて以降、年々増え続けている。特に、物価高は生活困窮者に打撃を与えており、生活保護に頼らざるをえない状況につながっているようだ。
こうした状況を踏まえ、政府は2023~24年度、生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助費」について、1人あたり月額1000円を特例加算し、困窮者支援にあたってきた。
だが、生活保護申請者は減る気配がなく、2024年12月時点で受給世帯は約165万世帯にも上り、そのうち51・1%と過半数を高齢者の単身世帯が占めている。
高齢者の単身世帯は、支給される一人分の年金が家賃や住宅ローンなどで飛んでいけば、手元に残る資金は少なくなってしまい、一般的に生活基盤が弱いとされる。
さらに高齢者の場合、年金以外の収入が見込めない人が多いため、単身世帯で生活保護の申請者が増えている現状は極めて深刻といえる。解決に向けた抜本的な対策が急務になっている。
政府は、2025~26年度の2年間は、物価高などが続く社会経済情勢を踏まえ、生活扶助費をさらに500円上乗せし、月額1500円を特例加算する方針を決めている。ただ、「500円」は生活困窮者にとっては決して少なくないお金とはいえ、「されど500円、たかが500円」というのは言うまでもないだろう。
生活保護費の原資は国民の税金だ。もちろん、働けるのに働かずに生活保護を頼りにするようなケースは言語道断で、許されるはずはない。
ただ、本当に苦しんでいる単身高齢者らを救うにはどうすべきか。安い賃貸物件の仲介支援や食事面のサポートなど、衣食住において自治体や国が支える仕組みの拡充が不可欠となっている。
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