政治•経済 参議秘書兼経済アナリスト 吝 貢辞(やぶさか こうじ)の『日本経済・深層海流』春季短期連載  中国で人気を集める日本米の輸出が伸びないわけ(第3回)
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2025/03/11

食料安全保障に逆行する国の減反政策

(写真 農民運動全国連合会HPより引用)

 かつては1粒たりとも入れないと市場開放を拒否してきた外国米であったが1993年の冷夏による不作をきっかけに解禁された。毎年、ミニマムアクセス米として国内生産量の8%に相当する外国毎を輸入することが課せられており、現在でも年70万トンから80万トン程度を輸入している。国内のコメ収穫量は年10万トン程度ずつの減少が続いている。1999年に制定された食料・農業・農村基本法は貿易自由化に対応するために大規模な専業農家による生産性向上を目指す方向を示したはずだった。ところが、その後の政府の農政は一貫せず兼業農家などの農業の多様性を重視することで生産集約による効率化を阻むこととなった。輸出拡大と生産性向上を並行して行うことで食糧安全保障に繋げるはずが時代に逆行する減産政策を進めてしまっている。国の農業政策のブレによって品質、価格、といった国際競争力は発揮されず生産性の向上には結びつかなかった。日本の農産物や食品の輸出額は1兆円に上ろうとしているが、そのうちコメは僅か30億円に過ぎない。もはや、国際競争力を失った輸出品目である。コメの生産は日本の食糧安全保障と密接に関わる。民族の主食であるコメは数少ない国内自給率ほぼ100%の産物である。減反を容認すべきではない。(つづく)

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