政治•経済 社会•事件 AI管理・開発に向けた新法 政府が今国会で成立目指す
AI管理・開発に向けた新法 政府が今国会で成立目指す
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2025/03/04

 生成AI(人工知能)に関する新法が初めて制定される見通しになった。政府は2月28日、AIのリスク管理と技術革新の両立を図る新法成立に向け、法案を閣議決定し、国会に提出した。AIを巡り本格的な法制化は初となる。政府は国主導で研究開発を推進しながらも、AIの悪用を抑止する狙いがある。法案には、AI国民の権利・利益が侵害された場合は国が調査し、事業者を指導などできる規定が盛り込まれたが、罰則の導入は見送られ、悪質な事業者の参入をどこまで防げるかは不透明だ。

 

■首相がトップの「AI戦略本部」

新法案の名称は、「AI関連技術の研究開発と活用推進法案」AIを、「経済・社会の発展の基礎隣、安全保障の観点からも重要な技術」と位置づけた上で、石破首相をトップに全閣僚で構成する「AI戦略本部」を置き、国が研究開発を全面的に支援していく体制を整えるのが特徴だ。首相がトップの常設機関を置くことで、関係府省庁が一体となって取り組みを進め、国際競争力の向上を図る。

一方で、規制の面について、「不正な目的や不適切な方法」によってAIが使われれば、国民の権利・利益が害される恐れがあるとして、具体的なケースで「犯罪への利用」「個人情報の漏洩」「著作権侵害」を例示。安全な利活用に向け、透明性の確保が必要だと言及した。

実際に権利侵害が発生した場合の対応については国が事業者を調査した上で、「指導、助言、その他の必要な措置を取ることができる旨が明記された。

 

権利侵害でも罰則なし事業者名の公表のみ

ただ、悪質事案への対策は十分とは言い難い。新法案では、権利侵害など悪質なケースが起きた場合、事業者名を公表するなど必要な措置を取れるとされたものの、罰則規定は見送られた。政府関係者は「事業者の開発意欲をそがないよう、規制はそこまで厳しくしていない。事業者名の公表でも、十分抑止力にはなる」と強調する。

AIの技術発展は飛躍的に進んでおり、今後は予期しない新たなリスクが顕在化する可能性もあるだろう。政府は新法成立を実現させた後も、AIの功績を見極めながら、実態に見合った規制強化を引き続き検討し、適正な管理に努める必要がある。

 

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