政治•経済 米ロ首脳会談を控え、消えたロシア批判
米ロ首脳会談を控え、消えたロシア批判
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2025/03/03

意外な展開、意外な結論。さあ、どうする欧州連合

 トランプ米大統領が、ロシアのプーチン大統領とのトップ会談を通じて、ウクライナ戦争を短期間で停戦すると約束したことを受け、2月18日、サウジアラビアの首都リヤドで、その準備のための米ロ高官会談が開かれた。

 同時に米国およびその周辺では、プーチン氏への批判の声がしぼみつつある。2月15日に開催された先進7カ国(G7)外相会談ではウクライナ戦争の停戦問題が話し合われたが、ロシア批判は会談の共同声明の中にはなかった。停戦交渉を実現する前、ロシア側を怒らせないことが得策、という外交的配慮があったのだろうが、米国から強い政治的圧力がG7加盟国にあったことは間違いない。

 注目すべきは、トランプ米政権はロシア側に配慮する一方、欧州に対しては辛辣なメッセージを送っていることだ。欧州の政治の世界に初登場したバンス副大統領のスピーチはもっぱら欧州の民主主義、「言論の自由」の問題点に焦点を合わせていた。

 20分余の演説の中には、それとは対照的にウクライナを軍事侵攻したプーチン大統領への帝国主義的な軍事行動への批判はなかった。

 翻って見れば 米国からのゲストにすぎないバンス副大統領に、ウクライナのゼレンスキー大統領のような「プーチンはテロリスト」という論調に同調を期待するほうが無理というものだ。そもそも米国はウクライナに対し軍事的、人道的に支援してきた最大国だ。だから発言力もマックスであるのは当然だ。

 ショルツ独首相はバンス発言を「不適切な内部干渉」と不快感を吐露したが、そもそもバンス氏はホスト国ドイツの首相であるショルツ氏とは会談していない。今月23日にドイツ連邦議会選で野党に下野することが決まったショルツ氏と会談しても意味がない、という米国側のクールな判断が働いていたのだろう。

 トランプ大統領の意図は、ウクライナ停戦交渉でイニシャチブを取り、外交で孤立しているプーチン氏を国際舞台にカムバックさせる機会を提供することだ。

 一方のゼレンスキー氏の最大の懸念はウクライナ戦争の停戦問題がウクライナ抜きに米ロ両国で決定されることだ。同時に、米ロ両国の外交攻勢に押され気味の欧州からは「米ロ、ウクライナに欧州も停戦交渉に参加すべきだ」という声が高まってきている。

 が、米国はウクライナの交渉参加には理解を示しているが、欧州代表の参加には依然消極的。ルビオ米国務長官は「参加国の数が増えれば、それだけ会議は難しくなる」と述べ、ウクライナ停戦交渉で欧州代表の参加を歓迎していない。どうする欧州列強。

 

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