2025/02/22
晩節を汚すとは、まさにこの人のことを言うのだろう。東京都港区で2018年2月、トヨタの「レクサス」を暴走させて男性をはねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)などの罪で有罪が確定した元東京地検特捜部長・石川達紘氏(85)が車の欠陥が事故原因だとして、トヨタ自動車と販売会社に計5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2月20日、「車両の欠陥があったとは認められない」として石川氏の請求を棄却した。
■巨額脱税事件などで活躍
石川氏は検察庁勤務時代、特捜部長や名古屋高検検事長などを歴任。故金丸信元自民党副総裁の巨額脱税事件、ゼネコン汚職事件など数々の事件を手がけてきた敏腕検事とし知られる。検察官時代のラストは、名古屋高検検事長から検察組織ナンバー2である次長検事への昇進の内示を辞退し、弁護士に転身。次々と大企業の顧問を務めるなどしており、検察から弁護士に華麗なる転身をした「ヤメ検」の一人としても有名だ。
石川氏は自身が運転するレクサスで死亡事故を起こしたが、刑事裁判では一貫して車の欠陥などを事故原因として挙げ、無罪を主張。だが、1審東京地裁判決は禁錮3年、執行猶予5年とし、石川氏は最高裁まで争ったが、有罪が確定した。確定判決によると、石川氏はレクサスを路上に止めて降りようとした際、誤って左足でアクセルを踏んで急発進させ、時速100キロメートル超で暴走。当時37歳の男性をはねて死亡させた。
刑事裁判で有罪判決が確定したにもかかわらず、「自己保身」に熱心なのか、石川氏はトヨタなどを相手に損害賠償を求めて提訴。民事裁判の中では、事故時に両足が車外に出ていたなどとして、「アクセルを踏んでいないのに発信した」と主張したが、東京地裁判決で鈴木昭洋裁判長は、両足が車外に出ていたと認めるのは困難だと指摘した上で、「右足が車外に出た状態でも、左足でアクセルペダルを踏むことは可能だった」として、車両の欠陥については否定し、石川氏の主張を退けた。
トヨタのレクサスはもちろん、近年に車の性能上の欠陥が原因で死亡事故が起きたケースなど聞いたこともない。
石川氏は自身の名誉を守りたいがために、責任を車に押しつけようとしているのは明白だ。ただ、その責任転嫁の痛々しい「愚行」が、自身の検察時代や弁護士時代に築いてきた名誉を汚していることに早く気付くべきなのかもしれない。
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